音楽と聴覚ビート刺激(ABS)で不安が解消される!? 〜 デジタル・ヘルスツールの可能性

2022.3.11

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久保多渓心 ( ライター・占術家 )

墨が織り成す一子相伝の占術 “篁霊祥命(こうれいしょうめい)” を主な鑑定手法とする占術家。他にも文筆家やイベント・オーガナイザーとしての顔も持つ。また引きこもり支援相談活動なども行なっている。

 

前回、『意識の遊覧飛行 〜「体外離脱」は第二の生を証明するのか?③ 体外離脱体験がもたらすもの』では、体外離脱にいたる機械的誘導法の一つとして「Hemi-sync」をご紹介しました。

意識の遊覧飛行 〜「体外離脱」は第二の生を証明するのか?③ 体外離脱体験がもたらすもの

Hemi-Syncは、アメリカの超心理学者、体外離脱体験者のロバート・A・モンロー博士によって開発された音響技術です。

周波数1500Hz未満であり、且つ周波数差が40Hz未満の異なる音を左右の耳でそれぞれ聴いた時に知覚される音を「バイノーラル・ビート」といいます。

これに、「ピンクノイズ(1オクターブごとの強さが一定となる雑音)」を加えた音がHemi-Syncです。

このように、特殊な音や音楽は人間の脳に巧妙に作用し、明晰夢を見ることに役立ったり、体外離脱を誘発させます。

カナダ・トロント州ライアソン大学のアディエル・マリク博士とフランク・A・ルッソ博士が、2006年創刊のオープンアクセスの科学雑誌『PLOS ONE』に今月9日に発表した論文によると、音楽とビート刺激(auditory beat stimulation・以降ABSと略す)の組み合わせが、心の病で生じる不安の低減に効果的であることが分かったそうです。

ABS:前述のバイノーラル・ビートと合わせ、異なる周波数の音を両耳で同時に聴く「モノラル・ビート」が用いられる。

抗不安薬を服用している163人の被験者に対して、音楽とABS、音楽のみ、ABSのみ、ピンクノイズのみを聴くグループにそれぞれ無作為に割り当てられて実験が行われました。

音楽は、AIを活用したメンタルヘルスとウェルネスに特化したデジタルツール、音楽キュレーションアプリとして注目を集めている「LUCIDhttps://www.thelucidproject.ca)」が用いられました。

「LUCID」が提供するスマートフォン向けアプリ「vibe:calm,focus,sleepiOS)(Android)」では、現在の感情などを設定することによって、AIがその人に合った、よりパーソナルな自然音と音楽のミックスされたインストゥルメンタル音源をチョイスします。

ビート刺激は、片方の耳、または両方の耳で演奏される音を組み合わせ、脳の活動の変化を促します。

被験者は、それぞれ個人の情報を入力してカスタマイズされた上記のアプリをダウンロードし、24分間それぞれに割り当てられたセッションを聴くように指示を受けました。

その結果、中等度の不安を感じていた人はピンクノイズのみを聴いていた人と比べ、音楽とABSの両方を聴いていた人の方が、不安の身体的症状である「身体的不安」が大幅に軽減されました。これは、音楽のみを聴いていた人も同様の結果となっています。

また、音楽のみ、ABSのみ、ピンクノイズのみよりも、複合条件の方が、悲観や否定、低過ぎる自己評価など思考や感情に関連する心的な不安である「認知状態不安」の軽減が大きい結果となりました。

2021年の自殺者数は2万830人。2020年よりも減少したとはいえ、コロナ禍前の2019年と比較をすると661人も増えている実情があります。

前年比で減少した251人のうち、男性が240人だったのに対し、女性は11人減に留まっていることを考えると、女性の生活実態が窮地にあることが伺えます。

このコロナ禍になって、初めて精神科や心療内科を受診した方も多いのではないでしょうか。

今回ご紹介したような、デジタルツールが病院でのカウンセリングや投薬治療に代わる、心の病の治療のメインストリームになる日も近いのかもしれません。

こうした分野の研究と、サービスの拡充によって、心と体に不安を抱える皆さんが1人でも減ることを、心より願っています。

 

LUCID
The effects of music & auditory beat stimulation on anxiety: A randomized clinical trial

久保多渓心 のプロフィール

久保多渓心

画家の父、歌人の母のもと、福岡市博多区で生まれる。

バンド活動を経て、DJ、オーガナイザーとしてアート系イベント、音楽イベントなどを多数手掛ける傍ら、フリーライターとしても活動。

音楽雑誌でのアーティスト・インタビュー記事、書籍、フリーペーパー、WEBなどの媒体で政治、社会問題から、サブカルチャー、オカルトまで幅広いジャンルでコラムを執筆。

引きこもり、不登校、心の病など自身の経験を活かし「ピアカウンセリング」を主軸にしたコミュニティを立ち上げる。後にひきこもり支援相談士として当事者やその家族のサポート、相談活動にあたる。

現在は亡き父から継承した一子相伝の墨を用いた特殊な占術『篁霊祥命』や、独自のリーディングによって鑑定活動を行っている。2021年で鑑定活動は16年目を迎える。

月参り、寺社への参拝による開運術の指導なども行う。

『AGLA(アグラ)』スーパーバイザーを務める。

2020年10月より活動名をマーク・ケイより、久保多渓心に改名。

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