2022.4.13
マインドフルネス瞑想は疼痛(とうつう)の緩和に効果がある?〜 痛みの仕組みと種類 〜

アメリカ・ノースカロライナ州ウィンストン・セーラムにあるウェイク・フォレスト大学バプティスト医療センター(Wake Forest Baptist Medical Center)では、「瞑想」について興味深い研究・実験が行われています。
瞑想をしている人の「脳」が、「疼痛(とうつう)」つまり、「痛み」に対してどのように反応するかという研究・実験です。
「痛み」とは?
まず「痛み」とは何かということについて考えてみましょう。
痛みは、万国共通で人が最も避けて通りたい症状です。病気や怪我で感じる痛みは人を苦しめ、衰弱させます。
その痛みから逃れるために、多くの人は鎮痛剤に頼ることになりますが、薬の種類によっては中毒性があったり、副作用を伴うこともあります。また、この痛みを抑えるために多額の出費を強いられるという側面もあるでしょう。
世界中の人々が、今この瞬間も「痛み」に振り回され、悩まされているのです。
「痛み」というものを、専門的且つ、端的に説明をすれば以下のようになります。
『薬学用語解説』公益社団法人日本薬学会より
「痛み」の種類
これらの痛みはいずれも、身体への「警告信号」の役割を果たしています。
痛みを感じることで、身体に発生した損傷や異変に気付き、対処が可能となります。
痛みを感じる損傷した組織に刺激が加わると、末梢神経→脊髄→脳と痛みの情報(信号)が伝達されていきます。痛みとして感知する脳の部位は「大脳皮質(知覚野)」です。
瞑想が「痛み」に及ぼす影響
2015年、ウェイク・フォレスト大学バプティスト医療センターで、健康で身体のどの部位にも痛みを感じていない成人75人を募り、無作為に以下のグループに分けて実験が行われました。
◉「プラセボ瞑想(見せかけの瞑想)を行なったグループ」
◉「プラセボ鎮痛クリーム(ワセリン)を塗布したグループ」
◉「対照群」
眼窩前頭皮質はストレス耐性、前帯状皮質は情動に関わる痛みに関係しています。また、二次体性感覚野は、自身が物理的な刺激を受けていない状況、例えば人が注射を打たれている映像や写真を見ただけでも、この部位が活性化します。
The Brains of Meditators Respond Much Differently To Pain – Huge Implications:※
片頭痛と瞑想
日本で片頭痛に苦しむ人の人口は800万人を超えるといわれており、圧倒的に30代〜40代の女性が多いという特徴があります。
読者の皆さんの中にも、片頭痛の悩みを抱えていらっしゃる方は多いでしょう。
同じく、ウェイク・フォレスト大学バプティスト医療センターの臨床実験では、マインドフルネス瞑想によるストレス低減法(Mindfulness-based stress reduction:MBSR※)が片頭痛に対して有効であることが示されています。
実験では、片頭痛の病歴を持つ89人の成人が対象となります。
この89人を無作為に、MBSRを実践するグループと、頭痛に関する教育を受けるグループとに分けて行われました。
Mindfulness Meditation May Decrease Impact of Migraine:※
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