【英研究】早歩きでアンチエイジング! 〜 早歩きの人は16歳若返り、寿命が20年延びる!?

2022.4.26

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AGLA編集部

心と体を調える 女性のための新感覚スピリチュアルメディア。

先日は90分の自然体験(ハイキングや登山など)が、反芻思考(過去にあったネガティブな事柄を繰り返し思い出すこと)を低減させることが分かった、という研究についてご紹介しました。

【人間関係に疲れたあなたへ】登山・ハイキングは脳の仕組みを変え、ストレスや不安を低減させる!


今回は、早足(速歩)であることによる体への恩恵についてご紹介したいと思います。

 

テロメア長

皆さんは、「テロメア」という言葉をお聞きになったことがあるでしょうか。

このテロメアとは、細胞の染色体末端にある特定の塩基配列の反復とタンパク質からなる複合体のことを指し、DNAを保護する役割を担っています。

時にこのテロメアは、靴紐の先端についているキャップに例えられます。靴紐は、あの先端のキャップがなければ糸がほつれてしまうのです。

細胞分裂のたびに、このテロメアは短くなっていきます(DNAそのものは複製されるが、テロメアは複製されない)。

テロメアは、ある一定の長さ(「ヘイフリック限界」と呼ばれる)になると分裂が不可能になり死を迎えることとなります。

このテロメアの長さ(テロメア長)は、個体の寿命や加齢度、または癌のリスクにも関連していると考えられているのです。

 

歩く速度が速い人ほど、テロメア長が長い!

イギリスのレスター大学の研究者たちが、今月20日に発表した研究結果は驚くべきものでした。

イギリス国内の405,981人の成人の遺伝子データを調査したところ、その運動量に関係なく、歩く速度が速い人ほど、テロメア長が長いことが分かったのです!

これまでも「歩く」ことの肉体的、精神的意義については十分に知られていましたが、遺伝子データの裏付けがなされたのは初めてです。

この研究では早歩きを続けると、生物学的年齢を16歳若返らせることに相当する可能性があると推定しているのです。

 

実験は、歩行速度に関しては自己申告。
ウェアラブル端末による運動強度の測定。
併せて、遺伝子データの採取が行われました。

参加者の平均年齢は56.5歳。平均BMIは27.2。
女性は全体の54%で、白人は95%。

参加者の約半数は、平均的な歩行ペースで歩き、6.6%が遅い歩行ペース、残り41.1%が速い歩行ペースでした。

遅い歩行ペースの人たちと比較して、平均的な歩行ペースだった人は、やや若く、非喫煙者である可能性があります。

また、遅い歩行ペースの人たちは、平均的な歩行ペースだった人たちと比べて、日常における身体活動が少なく、剥奪指標(生活の中で充足されていない項目を足し上げた指標)と有病率が高い可能性があることが報告されています。

レスター大学の研究者たちによる別な研究では、1日10分の早歩きをするだけで寿命が長くなり、早歩きの人は、遅く歩く人に比べて寿命が最大で20年延びることが分かっています。

 

通勤などで遅刻しそうになったとき、バスや電車に乗り遅れそうになったときなどは、どうしても早足になってしまいますが、普段から早足を心掛けると、寿命が長くなり、若返りの効果もあるのです!

皆さんも、明日から早足を実践してみましょう!

 

(文=久保多渓心)

 

参考文献

Investigation of a UK biobank cohort reveals causal associations of self-reported walking pace with telomere length 『Communications Biology』
Stop the clocks: Brisk walking may slow biological aging process 『Medical Xpress』

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