【超高齢化社会とミドル世代】緑豊かな住環境が認知機能の向上や改善につながる!?

2022.4.30

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AGLA編集部

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超高齢化社会

居住地域の環境が、高齢になってからの認知機能に影響を与えるかもしれない。

そんなことを考えたことはありませんか?

 

2020年の日本の総人口は1億2,571万人。そのうち65歳以上の人口は3,619万人を占め、高齢化率は28.8%となる「超高齢化社会(65歳以上の人口が全人口の21%を超えた状態)」。

さらに65歳以上の高齢者の認知症有病率は16.7%(602万人)となり、実に6人に1人が認知症患者であるという切実な実態が浮き彫りになっています。

そして深刻さはさらに増し、2025年には65歳以上の5人に1人が認知症患者になるという研究もあるほどです。

また、介護が必要となった原因では「骨折、転倒」「脳卒中」を抜き、認知症が1位となっています。

 

家族に負担を強いることなく、いつまでも健康であり続け、超高齢化社会にありながらも楽しく豊かな生活を送るためにも、ミドル世代(30代後半から50代)の貴重な時間をどのように過ごすかということは、極めて大切な問題です。

『【人間関係に疲れたあなたへ】登山・ハイキングは脳の仕組みを変え、ストレスや不安を低減させる!』では、自然に触れることで反芻思考が軽減され、脳の仕組みまで変わる余地があることを。

『【英研究】早歩きでアンチエイジング! 〜 早歩きの人は16歳若返り、寿命が20年延びる!?』では、1日10分の早歩き(速歩)をすることで、若返りの効果ばかりか、寿命を延ばす効果もあることをお伝えしました。

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今回は、住環境と認知機能の関連についての研究をご紹介しましょう。

 

 

緑地に囲まれた住環境がうつ病や認知症を防ぐ!?

米国医師会が発行するオープンアクセスの医学雑誌『JAMA Network Open』に発表された、ボストン大学公衆衛生学部(Boston University School of Public Health:BUSPH)の研究によると、住居の周辺に緑地があることで(それらに触れることで)、ミドル世代の認知機能の向上・改善に役立つ可能性があることが分かりました。

ミドル世代の認知機能については、高齢になってから認知症を発症するかの予測因子となり得るため、この研究は注目を集めています。

研究の責任者であるMarcia Pescador Jimenez博士は、自然がメンタルヘルスの向上に影響を与え得る要因として、主に「心理的ストレスからの回復」と「屋外での友人との交流」を挙げています。

研究は、居住地域の緑地環境が、ミドル世代の認知機能と関連するかどうかを調べるものです。

衛生画像によるデータを元に、植物の光の反射特性を利用して簡易的な計算式で植生の分布状況や活性度を示す「正規化植生指標(Normalized Difference Vegetation Index:NDVI)」により住宅地の自然環境が推定されました。

研究には、平均年齢61歳の女性13,594人が対象として参加し、以下の4項目が測定されています。

◎精神運動速度(思考の情報処理・反応・動作)
◎注意機能
◎学習
◎作業記憶(ワーキングメモリー)

この結果、緑地にさらされることは精神運動のスピードや注意機能には影響を与えますが、学習や作業記憶への影響はほとんどないことが分かりました。

研究者らは、うつ病も認知症リスクを高める危険因子の一つとしており、緑地と認知機能に関する研究を進める中で、大気汚染などの影響についても調べましたが、その証拠は発見されませんでした。

Marcia Pescador Jimenez博士は「臨床医と公衆衛生当局は緑地に接することが、うつ病を軽減し、認知力を高めるという認識を持つべきであり、政策立案者や都市計画事業者は緑地を増やすことに注力して、住民の認知機能の向上を目指して欲しい」と訴えています。

Living in areas with more greenery may boost cognitive function: study 『Medical Xpress』 

 

住環境は容易く変えられるものではありませんが、日常において自然に触れる機会をなるべく多くつくることは、前々回の記事にも繋がることです。

 

(文=久保多渓心)

 

参考文献

Residential Green Space and Cognitive Function in a Large Cohort of Middle-Aged Women 『JAMA Network Open(April 27, 2022)

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