【英研究】ソーシャルメディアと1週間距離を置くだけで幸福度が高まる!〜 デジタルデトックスからSNSデトックスへ〜

2022.5.7

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久保多渓心 ( ライター・占術家 )

墨が織り成す一子相伝の占術 “篁霊祥命(こうれいしょうめい)” を主な鑑定手法とする占術家。他にも文筆家やイベント・オーガナイザーとしての顔も持つ。また引きこもり支援相談活動なども行なっている。

英バース大学の研究チームが、アメリカのオンライン心理学誌『Cyberpsychology, Behavior and Social Networking』に発表したところによると、ソーシャルメディアを1週間中断するだけで幸福度が向上し、抑うつや不安の症状が軽減されることが分かりました。

 

人と人とを分断するSNS


2022年4月時点での主要SNSの登録者数は、「Twitter」4,500万人、「Instagram」3,300万人、「Facebook」2,600万人に及びます。

SNSは災害時のライフラインとして欠かせないツールとなるなど、私たちが受ける恩恵も多いものの、誹謗中傷やデマの拡散、詐欺被害などデメリットも同様に多く、社会問題化しています。

特に若年層のメンタルヘルスに与える影響は多大です。

数年前、ピッツバーグ大学医学部が行った、SNSが精神に及ぼす影響についての調査が話題になったことがありました。

この研究では、米国に住む19歳から32歳までの1,787名を対象にしたアンケート調査を元として、うつ病リスクの評価を行なっています。

何と、この研究の結果、調査対象全体の4分の1(25%)以上が、うつ病になる可能性が高いことが分かったのです。

また、SNSの利用頻度が低い人と比べ、利用頻度が高い人がうつ病になるリスクは2.7倍。1日中利用している人では1.7倍のリスクがありました。

この論文では「SNSで友人たちの投稿を目にすることで、自分以外の人たちは幸せで充実した人生を送っているという認識と、羨む気持ちが、うつ病を生じさせている」と結論づけています。

2020年5月の木村花さんの死を受けて書いた『他者を自分であると思う〜「怒り」渦巻く社会で生きるということ(前編)』では、昨今のSNSが人と人とを分断し、怒りを醸成させていることに触れました。

ロシアによるウクライナへの侵攻では、数多くの市井の人々が犠牲になっています。

SNSは人々を連帯させ、平和と愛のメッセージを波及し、社会を善なる方向へ導いていく力を有しているはずだと期待をしている面もあるのですが、日々目にするSNSは利己に塗れ、分断をさらに強めているようにしか見えません。

ソーシャルメディアとの向き合い方は、私たちの心と体を守るための喫緊の問題なのです。

他者を自分であると思う〜「怒り」渦巻く社会で生きるということ(前編) 〜

 

SNSを1週間中止して幸福感を高める

この研究は、被験者となる18歳から72歳までの154人を、全てのソーシャルメディアを1週間利用しないグループと、普段通りに利用するグループとに無作為に分けて行われました。

被験者は日頃、週平均8時間をソーシャルメディアの利用に費やしていました。

日本における2021年の調査(※Glossom調べ)では、SNSの1日の平均利用時間が77.8分なのに対し、アメリカでは2時間7分(※Datareportals調べ)、イギリスでは1時間49分(※Datareportals調べ)と、両国とも日本と比較してかなり多くの時間をソーシャルメディアの利用に充てている実態が分かります。

研究では、各被験者のスマートフォンはモニタリングし、操作や利用実態を正確に把握出来るようになっていました。

ソーシャルメディアから1週間離れた被験者は、ソーシャルメディアをいつも通り使い続けた被験者と比べ、優位に抑うつ、不安感が改善され、幸福感が高まり、短期的な効果が示されました。

バース大学のJeff Lambert博士は「ソーシャルメディアの利用がメンタルヘルスに及ぼす影響について懸念が高まっている中で、1週間という短期間のソーシャルメディアの中止が精神衛生上のメリットが得られるかどうかを調べたいと考えた」と説明します。

Social media break improves mental health, according to a new study 『Medical Xpress』

スマートフォンやタブレット、パソコンといったデジタルデバイス全般と距離を置こうという「デジタルデトックス」という考え方もかなり広がって来ました。

しかし、デバイスそのものを手放さずとも、ソーシャルメディアのたった1週間の中止だけで精神的な安らぎが得られ、幸福度が高める効果が示唆されたことは非常に価値のあることです。

 

 

参考文献

Taking a One-Week Break from Social Media Improves Well-Being, Depression, and Anxiety: A Randomized Controlled Trial  『Cyberpsychology, Behavior and Social Networking(Mary Ann Liebert, Inc)』

久保多渓心 のプロフィール

久保多渓心

画家の父、歌人の母のもと、福岡市博多区で生まれる。

バンド活動を経て、DJ、オーガナイザーとしてアート系イベント、音楽イベントなどを多数手掛ける傍ら、フリーライターとしても活動。

音楽雑誌でのアーティスト・インタビュー記事、書籍、フリーペーパー、WEBなどの媒体で政治、社会問題から、サブカルチャー、オカルトまで幅広いジャンルでコラムを執筆。

引きこもり、不登校、心の病など自身の経験を活かし「ピアカウンセリング」を主軸にしたコミュニティを立ち上げる。後にひきこもり支援相談士として当事者やその家族のサポート、相談活動にあたる。

現在は亡き父から継承した一子相伝の墨を用いた特殊な占術『篁霊祥命』や、独自のリーディングによって鑑定活動を行っている。2021年で鑑定活動は16年目を迎える。

月参り、寺社への参拝による開運術の指導なども行う。

『AGLA(アグラ)』スーパーバイザーを務める。

2020年10月より活動名をマーク・ケイより、久保多渓心に改名。

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