【プラズマローゲンで老化予防】海のパイナップル「ホヤ」で学習能力と記憶力が改善!?

2022.5.14

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AGLA編集部

心と体を調える 女性のための新感覚スピリチュアルメディア。

西安交通リバプール大学、スタンフォード大学、上海交通大学、中国科学院大学共同の最新の研究によると、「海のパイナップル」とも呼ばれる海産動物「ホヤ」を食べることで、老化の兆候を逆転できることが分かったそうです。

 

「ホヤ貝」という名前で売られていることもあるので、ホヤを貝類だと思っていらっしゃる方も多いと思います。

ホヤは貝類ではなく、脊索(せきさく)動物門の下位分類群の一つである、尾索(びさく)動物に属しています。尾索動物とは、幼生期、あるいは一生の間、尾部に脊索をもつ3種の動物(ホヤ類、タリア類、オタマボヤ類)の総称です。

ホヤは、幼生期にはオタマジャクシの形をしており、成長とともに尾部(脊索)は吸収され、神経系も消滅、体は被嚢(ひのう)という組織で覆われ成体へ変態します。

幼生期から成体になるまでは、海を回遊していますが、成体になると岩場などに固着します。

被嚢には入水口と出水口とがあり、被嚢を収縮させることでプランクトンを含んだ海水を体内に取り込みます。

幼生期のホヤ

 

プラズマローゲン

人間の心臓、免疫細胞、脳など体中の組織に存在する高い抗酸化作用を持ったリン脂質の一種である「プラズマローゲン(Plasmalogen)」。

このプラズマローゲンの働きにより、酸化ストレスによって引き起こされる癌や心筋梗塞、動脈硬化といった病気から体を守ってくれています。

しかし、加齢によってこのプラズマローゲンは減少し、酸化ストレスに無防備になってしまうのです。

アルツハイマー病患者の、プラズマローゲンの減少はよく知られています。このため認知機能維持、脳疲労改善などの効果をうたった、ホタテや鶏由来のプラズマローゲンのサプリメントが市販されています。

そんな中、ホヤ由来のプラズマローゲンが「脳梗塞による傷害から神経細胞を保護する()」効果があることが岡山大学の研究でわかるなど注目を集めています。

 

海のパイナップル

ホヤの刺身

ホヤは、日本の他、韓国、中国、フランス、チリの五カ国で食材として利用されています。

日本では主にマボヤとアカボヤが食用になっており、毎年、収穫量を争っているのが宮城県と北海道。天然と養殖があります。

関東以西の地域では、食べたことがない人も多いマイナーな食材ですが、東北や北海道では日常的によく食べられています。

甘味、塩味、苦味、酸味、旨味の「五つの味」を味覚を楽しめる「海のパイナップル」といわれるホヤは、まさにこの5月中旬から8月中旬が旬を迎えます。

 

プラズマローゲンの効果

西安交通リバプール大学などの研究では、ホヤに含まれるプラズマローゲンが加齢の影響を食い止めることが可能かどうかを、高齢のマウスの食餌にプラズマローゲンを添加し、その効果を調べました。

その結果、プラズマローゲンがマウスの学習能力と身体症状に大きな影響を及ぼすことが分かったのです。

この研究の責任者であるLei Fu教授は以下のように述べています。

私たちの研究は、プラスマローゲンが認知機能の低下を止めるだけでなく、老化した脳の認知機能障害を回復させる可能性があることを示唆しています。

さらに、プラスマローゲンを与えられた高齢マウスは、サプリメントを与えられていない高齢マウスよりも太くて光沢のある新しい黒髪を育てます。

『Eating sea squirts may reverse the signs of aging, study shows()』Medical Xpressより

 

研究では、マウス用のプールが準備されました。

プールは迷路のようになっており、何箇所かに休息のための台がしつらえてあります。マウスは泳ぎが苦手なので、プールへと解き放たれたあとすぐに泳ぎ出し、休息台を探し出そうとします。

研究の対象となったマウスは、事前に5日間のトレーニングを受け、迷路プールのどこに休息台があるのかを覚えます。

プラズマローゲンを与えられていない高齢のマウスは、休息台を見つけるのに時間を要しますが、プラズマローゲンを与えられた高齢のマウスは、若いマウスのように機敏に動き、対照群のマウスよりもいち早く休息台を探し当てました。

プラズマローゲンを与えられた高齢マウスの脳内で起きた変化を改めて調べてみると、対照群と比べてニューロン間の接合部であるシナプスの数と質が高いことが分かったのです。

神経細胞ニューロンは、シナプスを介してつながり情報の伝達を行なっています。シナプスは記憶の貯蔵庫のような役割を担っていて、学習をすることで「長期増強Long-term potentiation:LTP)」といわれる現象が起き、シナプスが強固につながり、信号伝達も向上します。

これとは反対に、何らかの要因により物忘れの状態に陥ると、「長期抑圧(Long Term Depression:LTD)」という現象が起き、シナプスのつながりは弱くなり、信号伝達の強度が低下します。

人の成長過程(幼若期)では、この長期増強と長期抑圧が頻繁に起こります。これを「シナプス可塑性(かそせい)」といいます。

しかし、大人(成熟期)になるに従って長期抑圧は起こらなくなりますが、老化(加齢)や認知障害などによって長期抑圧が起こりやすくなり、シナプスの伝達能力は低下していきます。

プラズマローゲンの脳に対する作用経路については、まだ不明なものの、ニューロンとシナプスの成長と発達を助ける分子の数を優位に増加させることが分かっています。

また、他のいくつかの研究によると、食物中のプラズマローゲンが腸内の微生物に影響を与えることが示されています。

「脳腸相関」という言葉も広く浸透してきましたが、ホヤ由来のプラズマローゲンが脳と腸の両面に働いて、学習と記憶の改善を助けることは、ホヤを食する日本人にとって朗報といえるでしょう。

 

(文=久保多渓心)

参考文献

Plasmalogens Eliminate Aging-Associated Synaptic Defects and Microglia-Mediated Neuroinflammation in Mice『Frontiers in Molecular Biosciences』

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