2022.5.30
【グルーヴ感で脳機能を強化】グルーヴ・ミュージックが音楽ファンの認知機能を向上させる!

サマーソニック、フジロックフェスティバルなど、夏フェスは私にとっても年に一度の最大の楽しみ。燦々と降り注ぐ夏の陽射しを浴びながら、グルーヴの波に飲まれると日常でまとった垢も洗い流されます。
コロナ禍となって、各地で行われていた夏フェスも中止が相次ぎ、無観客配信や規模の縮小などの対応に切り替わっていましたが、ようやく再開の兆し。
私自身も、今月2019年以来のフェスを堪能しました。
ということで、今回は音楽の話題です。
グルーヴとは?
オープンアクセスの学術雑誌『Scientific Reports』に発表された、筑波大学の研究によるとグルーヴ感のある音楽は精神的な高揚感だけでなく、脳機能を強化することが分かりました。
グルーブとは「ノリ」を指し、グルーヴ感とは「思わず体を動かしたくなる音楽」に対して反応し、そのリズムパターンにうまく体の動きを合わせられている状態、またはその感覚であるといえます。
「ノリ」にもジャンルにより、「タテノリ」や「ヨコノリ」があり、リズムにも「タメ」や「ズレ」といったバリエーションがあります。
グルーヴ感のある音楽といえばEDM(エレクトロニック・ダンス・ミュージック)、ロック、ジャズ、ファンク、ソウル、ミクスチャーといったジャンルが挙げられるでしょう。
EDMの中でも最近は、よりグルーヴ感を強調したグルーヴハウスというジャンルが人気を集めています。
人はどういった音楽に最もグルーヴ感を感じるのかという研究では、スティーヴィー・ワンダーの名曲「Superstition(迷信)」が、その筆頭に挙げられています。
皆さんが、日頃好きで聴いている曲の中にも、思わず体を動かしてしまうようなグルーヴ感のある曲があるのではないでしょうか。
グルーヴ・ミュージックが脳機能を強化させる!
実験には51人が参加しました。
参加者は、グルーヴリズム(以下GR)または、ホワイトノイズ(※)メトロノームを3分間聴いたあと、機能的近赤外分光法(※)を用いて、左背外側前頭前野(※)の活動をモニタリングしました。
※機能的近赤外分光法(functional near-infrared spectroscopy:fNIRS):脳内の血液の酸素状態(ヘモグロビン濃度など)を計測する方法
※左背外側前頭前野(l-DLPFC):記憶、認知、推測、判断などに関係する。
Turn up the Beat! Groovy Rhythm Improves Cognitive Ability in Music Lovers『Neuroscience news.com』※
- グルーヴ・ミュージックを聴くことにより、脳機能(特に認知機能)が強化される。
- 効果は、日頃から熱心に音楽を聴いている人の方がより高い。
- 運動系と報酬系に関連する神経回路網が活性する。
- パーキンソン病の歩行パフォーマンスの改善にも効果が見られる。
METAFIVE 「Don't Move」→ https://youtu.be/7LBUEYGfisQ
Foster the People「Call It What You Want」→ https://youtu.be/1prhCWO_518
(文=久保多渓心)
参考文献
Groove rhythm stimulates prefrontal cortex function in groove enjoyers『Scientific Repots』(※)
AGLA編集部 のプロフィール
心と体を調える 女性のための新感覚スピリチュアルメディア編集部。