【米研究】寝室の灯りが、肥満・高血圧・糖尿病の原因に!?夜間の光の刺激が健康を悪化させる!

2022.6.25

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久保多渓心 ( ライター・占術家 )

墨が織り成す一子相伝の占術 “篁霊祥命(こうれいしょうめい)” を主な鑑定手法とする占術家。他にも文筆家やイベント・オーガナイザーとしての顔も持つ。また引きこもり支援相談活動なども行なっている。

ノースウェスタン大学フェインバーグ医学部(Northwestern University Feinberg School of Medicine)が発表した興味深い研究が、学術誌『Sleep』に掲載されました。

夜間に寝室の照明を点灯したままにしたり、テレビ、スマートフォン、タブレットなどを使用しながら眠りについた成人の男女は、夜間の就寝時に光を全く浴びなかった人と比較して、肥満、高血圧、糖尿病になる可能性が高いことが分かりました。

ただし、この研究は睡眠中に光を浴びることが、これらの健康被害を直接的にもたらすことを証明しているものではなく、何らかの関係性がある可能性が高まっただけであると、同大学神経学部教授のMinjee Kim博士は話します。

 

睡眠中に光を浴びると肥満に?

Sleep』誌より引用

Kim博士らは、Chicago Healthy Aging Study(加齢に伴う健康状態の危険因子を特定するための研究プロジェクト)の参加者である成人の男女552名(63〜84歳)を対象に、心血管疾患 (Cardio Vascular Disease;CVD) の危険因子を調べる検査と併せ、(就寝時の)寝室の光の量を計測する装置を1週間にわたり設置して調査を行いました

心血管疾患 (CVD) :心臓の血管に詰まりが生じて起こる心筋梗塞などの病気を指す。危険因子に肥満、ストレス、高血圧などがある。
この調査の結果、寝室を完全に暗くして過ごした人は全体の半数以下で、他の被験者たちは何らかの光を浴びていました。

上の表を見ても分かる通り、寝室の照明を点灯して就寝した人の40.7%が肥満、17.8%が糖尿病、73.0%が高血圧の症状があり、いずれも寝室を暗くして眠っている人よりも若い割合を示しました。


概日リズムの影響

特に昨今、高齢者の健康全般にとって体内時計と睡眠が重要であることを示す科学的証拠が増えており、今回の結果はそれをさらに補足するものです。

メリーランド大学医学部教授で睡眠医学部門の責任者を務めるEmerson Wickwire氏は、こう説明します。

「これらのデータが示しているのは、夜間に光を浴びることで、米国と世界で最も一般的で医療費のかかる2つの慢性疾患 ―"肥満"と"糖尿病"―のリスクが高まり、主要な心血管リスク因子である高血圧症のリスクも高まるということだ」

Light in your bedroom is no good for your health『Medical Xpress』June 22,2022

就寝中、光にさらされることによる影響はいくつかありますが、その中でも最も顕著な影響を受けるのが「概日リズム」です。

これまでの記事でも、概日リズムについては何度か取り上げていますので、是非ご参照下さい。

概日リズムは、地球の自転にともなう外界からの明暗(昼夜)の刺激などに適応し、内因性のリズムを同調させる、生物にとっては生存に関わる重要な機能です。

夜間の光による刺激は、この概日リズムを狂わせ、健康を悪化させます。

また、概日リズムが正常に働くことで、血圧や体温、ホルモン分泌などの調整が行われるため、病気を未然に防ぐためにも大切な機能なのです。

 

 

メラトニンの影響

次に「メラトニン」の影響です。

メラトニンは、松果体から分泌される内因性ホルモンであり、概日リズム(体内時計)の調整作用があります。また、抗酸化作用、抗炎症作用、神経保護作用、免疫増強作用などを有しています。

網膜から入った光の刺激は、体内時計をリセットして、松果体に至ります。日中にはメラトニンの分泌が抑制されますが、覚醒後14〜16時間経過すると、再び分泌されます。

夜間の分泌量は、日中の数十倍に及びます。

また、メラトニンには催眠作用がありますので、分泌量が高まる夜間には、深部体温、脈拍、血圧が下がり眠気をもよおします。

しかし、夜間に光の刺激を浴びると、本来メラトニン分泌が高まる夜間であっても、その分泌量は低下してしまうのです。

メラトニンセロトニントリプトファン

セロトニンはメラトニンの原料。日中に太陽光を浴びてセロトニンをつくっておくと、夜間のメラトニンの分泌も高まる。

トリプトファンは、必須アミノ酸の一つで食べ物から摂取すると、日中に脳内でセロトニンに変化する。

 

 

就寝時の照明を工夫する

研究チームのKim博士は、夜間の安全を確保するために寝室の照明を点灯しておかなければならない場合は、網膜を刺激しない床を照らす照明を設置するように勧めます。

また、照明の色も重要です。

オレンジ色の光は脳への刺激が最も少なく、ホワイトやブルー系統のライトを使用する場合は、ベッドから遠ざけてるべきだとアドバイスします。

屋外の光に晒される環境であるならば、遮光カーテンやアイマスクを利用します。外の光が顔に差し込まないようにベッドの配置を工夫しましょう。

 

参考文献

Light at night in older age is associated with obesity, diabetes, and hypertension『Sleep』

久保多渓心 のプロフィール

久保多渓心

画家の父、歌人の母のもと、福岡市博多区で生まれる。

バンド活動を経て、DJ、オーガナイザーとしてアート系イベント、音楽イベントなどを多数手掛ける傍ら、フリーライターとしても活動。

音楽雑誌でのアーティスト・インタビュー記事、書籍、フリーペーパー、WEBなどの媒体で政治、社会問題から、サブカルチャー、オカルトまで幅広いジャンルでコラムを執筆。

引きこもり、不登校、心の病など自身の経験を活かし「ピアカウンセリング」を主軸にしたコミュニティを立ち上げる。後にひきこもり支援相談士として当事者やその家族のサポート、相談活動にあたる。

現在は亡き父から継承した一子相伝の墨を用いた特殊な占術『篁霊祥命』や、独自のリーディングによって鑑定活動を行っている。2021年で鑑定活動は16年目を迎える。

月参り、寺社への参拝による開運術の指導なども行う。

『AGLA(アグラ)』スーパーバイザーを務める。

2020年10月より活動名をマーク・ケイより、久保多渓心に改名。

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