2022.6.30
【豪研究】 網膜電図による測定でADHDとASDの診断が可能に!?

先日、ショウジョウバエを用いた研究で、眼の健康が寿命に影響を与え得ることが分かったというニュースをお伝えしました。
今回は、眼で発達障害の診断が可能になるかもしれないというニュースです。
【米研究】目の健康が寿命に影響を与えることが判明!〜 概日リズムの活性化が老化予防につながる
眼で発達障害の診断が可能になる!?
オーストラリアのフリンダース大学(Flinders University)と、南オーストラリア大学(The University of South Australia:UniSA)の研究によると、光刺激を感じた際に網膜から発せられる電位の変化を記録する網膜電図(Electroretinography:ERG)による測定が、注意欠陥多動性障害 (ADHD) と自閉症スペクトラム障害 (ASD) のバイオマーカー(※1)になる可能性があることを報告しています。

赤い色はエネルギーレベルが高く、青い色はエネルギーレベルが低いことを表す『frontiers in Neuroscience』より引用
この研究では、ADHDの小児の方がERGエネルギーが高いのに対し、ASDの小児はERGエネルギーが低いことが発見されました。
フリンダース大学の検眼医Dr.Paul Constableは、将来的にADHDやASDの診断と治療を改善する有望な結果を示していると述べています。
私たちの研究の目的は、この問題を改善することです。網膜の信号が光刺激にどのように反応するかを調べることで、さまざまな神経発達の状態をより正確に、より早期に診断できるようになることを期待しています」
When It Comes to ADHD and ASD, the Eyes Could Reveal All 『NeuroScience News.com』より
発達障害とは何か
精神科の診断基準の元となる『精神障害の診断と統計マニュアル(Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders, DSM)』。
ADHDは、「多動・衝動性」と「不注意」を主な症状とする疾患である。落ち着きのなさと、注意・集中力の障害がよくみられる。
『発達障害』岩波明(著)文春文庫 第1章24P
カサンドラ症候群
診断が困難なASD・ADHD
【AGLA発達障害コラム『発達の凹凸を理解し、親子で健やかに過ごすために』】
参考文献
Discrete Wavelet Transform Analysis of the Electroretinogram in Autism Spectrum Disorder and Attention Deficit Hyperactivity Disorder『frontiers in Neuroscience』
『発達障害』岩波明(著)文藝春秋
『発達障害と人間関係』宮尾益知(著)講談社
久保多渓心 のプロフィール

画家の父、歌人の母のもと、福岡市博多区で生まれる。
バンド活動を経て、DJ、オーガナイザーとしてアート系イベント、音楽イベントなどを多数手掛ける傍ら、フリーライターとしても活動。
音楽雑誌でのアーティスト・インタビュー記事、書籍、フリーペーパー、WEBなどの媒体で政治、社会問題から、サブカルチャー、オカルトまで幅広いジャンルでコラムを執筆。
引きこもり、不登校、心の病など自身の経験を活かし「ピアカウンセリング」を主軸にしたコミュニティを立ち上げる。後にひきこもり支援相談士として当事者やその家族のサポート、相談活動にあたる。
現在は亡き父から継承した一子相伝の墨を用いた特殊な占術『篁霊祥命』や、独自のリーディングによって鑑定活動を行っている。2021年で鑑定活動は16年目を迎える。
月参り、寺社への参拝による開運術の指導なども行う。
『AGLA(アグラ)』スーパーバイザーを務める。
2020年10月より活動名をマーク・ケイより、久保多渓心に改名。