【豪研究】ビタミンDの欠乏を解消すると、慢性炎症が軽減できる!?

2022.8.13

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AGLA編集部

心と体を調える 女性のための新感覚スピリチュアルメディア。

「南オーストラリア大学(University of South Australia:UniSA)」の世界初の遺伝子研究により、ビタミンDの欠乏と慢性炎症の間に直接的な関連があることが明らかになりました。

炎症を伴う慢性疾患のリスクまたは、重症度が高い人々を識別するための重要なバイオマーカーが提供されています。

 

炎症とは?

「炎症」には、火傷や凍傷といった「物理的刺激(因子)」や、金属や有機溶剤などの化学物質に触れることで起こる「化学的刺激(因子)」、細菌やウイルス、真菌などの病原体が体の中に侵入することで起こる「生物学的刺激(因子)」があります。

炎症の反応としては、発赤(皮膚などが赤くなる)、発熱(熱が出る)、疼痛(痛くなる)、腫脹(腫れる)といった症状があり、これを古代ローマの学者、アウルス・コルネリウス・ケルススの名前をとって「ケルススの4徴候(Celsus tetrad of inflammation)」と呼んでいます。

また、機能障害も生じることから、これを加えて「炎症の5徴候(ガレノスの5徴候)」と呼びます。

炎症は、体の治癒や再生の過程では必要不可欠な要素ですが、それが持続してしまうと、2型糖尿病、心臓病、自己免疫疾患を含む広範囲で複雑な疾患の一因となる可能性があります。

 

ビタミンDとは?

ビタミンDは、脂溶性ビタミンに分類される、骨などの健康に関連するビタミンの一種です。

ビタミンDには、ビタミンD2からD7までの種類がありますが、D4からD7は食品にはほとんど含まれていません。

ビタミンD2はキノコ類に多く含まれ、ビタミンD3は油分の多い鮭や鯖といった魚に多く含まれています。野菜や穀物類にはほとんど含まれていないのがビタミンDです。

日光浴不足や、ビタミンD吸収障害、菜食(乳製品を摂取しない)では、ビタミンDの欠乏に陥り、高血圧、歯周病、多発性硬化症、うつ病などに罹患しやすい可能性が指摘されています。

また、ビタミンDが過剰となった場合でも、高カルシウム血症、肝機能障害などを発症しやすくなります。

ビタミンDの欠乏や過剰を判断するため、医療機関でビタミンDの血中濃度を測定することができます(測定の価格は3000〜5000円ほど)。

濃度は、30ng/ml以上がビタミンD充足状態と判定され、40~80ng/mlが望ましい値といわれています。20ng/ml未満は、ビタミンD欠乏と判定されます。

30ng/ml以上は、新型コロナウイルスへの感染リスクが低く、重症化しないという論文も発表されています。

 

ビタミンDの摂取量を増やすと慢性炎症が軽減

この研究では、UKバイオバンク(※1)の参加者294,970人の遺伝学的データを調べ、ビタミンDと炎症の指標であるC反応性タンパク質(※2)との関連を示すためにメンデルランダム化(※3)による解析を行いました。

(※1)UKバイオバンク:英国在住の40歳から69歳の中高年のボランティア、約50万人が登録する、遺伝的素質やさまざまな環境曝露(栄養、生活様式、薬物療法など)が疾患に対して与える影響を調査する、長期大規模バイオバンク研究。2006年に開始され、最低30年間の追跡調査が行われる。

(※2)C反応性タンパク質(CRP):炎症を起こすと12〜24時間以内に急激に血液中で値が上昇し、回復すると急速に正常値に戻るタンパク質。基準値は0.30mg/dL未満。

(※3)メンデルランダム化(Mendelian randomization):分子疫学的解析法のひとつ。

研究を主導したUniSAAng Zhou博士によると、今回の研究結果はビタミンDが欠乏している人の、摂取量を増やすことで、慢性炎症を軽減できる可能性があることを示唆しているといいます。

肝臓は炎症に反応して高濃度のC反応性タンパク質を生成するので、体が慢性炎症を起こしているときには、C反応性タンパク質の濃度も高くなります。

欠乏症の人のビタミンDの摂取量を増やすことで、慢性炎症を軽減し、多くの関連疾患の予防に役立つことでしょう。

Down on Vitamin D? It Could Be the Cause of Chronic Inflammation『Neuroscience news.com』

と、Zhou博士は言います。

適正なビタミンD濃度が健康の鍵

International Journal of Epidemiology』に発表されたこの研究は、ビタミンDの適切な濃度が肥満に起因する合併症を軽減し、心血管疾患(CVD)、糖尿病、自己免疫疾患などの炎症性成分を伴う慢性疾患のリスクや重症度を低下させる可能性も提起しています。

UniSAのオーストラリア精密健康センターの主任研究員であるElina Hyppönen教授は、これらの結果は重要であり、ビタミンDとの関連が報告されているいくつかの論争の説明になると述べています。

ビタミンD濃度が非常に低い人では、ビタミンD濃度を高めることが健康に有益であるという証拠を何度も目にしてきましたが、他の人では、ほとんど、または全く有益ではないようです。

と、Hyppönen教授。
ビタミンD濃度を無闇に高めることではなく、いかに適正値の濃度にするかが健康の鍵ということでしょう。
昨今、サプリメントからビタミンDを摂取する方も多いと思いますが、日光浴も大切です。
ビタミンDが生成されるのに必要な、日光照射時間は地域や季節毎に異なります。関東では夏の午前なら約6分、正午なら3.5分、15時なら10分ほど、冬季ではそれぞれ100分、20分、270分の時間が必要だとされています。(
(文=久保多渓心)

News Source

Vitamin D deficiency and C-reactive protein: a bidirectional Mendelian randomization study『International Journal of Epidemiology』

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