【最新メタ分析】余暇活動が充実するほど、認知症リスクが低減することが明らかに!

2022.8.19

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AGLA編集部

心と体を調える 女性のための新感覚スピリチュアルメディア。

米国の神経学専門の医学雑誌『Neurology』のオンライン版に掲載された最新のメタ分析(※)によれば、読書、ヨガ、家族や友人と過ごす余暇活動(※)は、認知症のリスクを低下させるのに役立つ可能性があることが示されています。

(※)メタ分析(meta-analysis):複数の研究の結果を統合し、より高い見地から分析すること、またはそのための手法や統計解析のこと。

(※)余暇活動:生活に必要な睡眠や食事、買い物に行くなど日常の身の回りの用事といった基本的活動(一次活動)、仕事や家事などの労働(二次活動)以外での、自由な活動(三次活動)のことをいう。

認知症と余暇活動に関するメタ分析

これまでの研究では、余暇活動が、がんリスクの低下、心房細動の減少、自身の幸福感の認識など、さまざまな健康上の利益と関連していることが示されています。

Which Leisure Activities Are Linked to Lower Risk of Dementia?『Neuroscience News.com』

と、北京大学第六病院のLin Lu博士は話します。

 

このメタ解析には、認知症ではない2154818人を含む、74700人の認知症(all-cause dementia:ACD)、2848人のアルツハイマー病(Alzheimer’s disease:AD)、1423人の血管性認知症(vascular dementia:VD)の症例などからなる、38の縦断的研究(※)が組み込まれました。

(※)縦断的研究:特定の個人や集団に対し、継続的な調査及び観察を行う研究デザインのこと。

 

参加者はアンケートやインタビューを通じて、余暇活動に関する情報を提供し、少なくとも3年間追跡調査されました(この調査期間中、74,700人が認知症を発症しました)。

余暇活動は「参加者が楽しみ、幸福のために従事する活動であること」と定義され、「精神的活動」「身体的活動」「社会的活動」に分けられました。

余暇活動を行なっている人は、余暇活動を行なっていない人よりも認知症を発症するリスクが17%低いという結果が出ています。

 

それぞれの余暇活動の内容と、示された認知症リスクの数値は以下の通りとなっています。

精神的活動(Mental activity)

主に知的活動を指し、読書や執筆、テレビ視聴、ラジオの聴取、ゲーム、楽器の演奏、パソコンの使用、工芸品の製作などが含まれています。

精神的活動に参加した人は認知症のリスクが23%低い。

 

身体的活動(Physical activities)

ウォーキング、ランニング、水泳、自転車、エクササイズマシンの使用、ヨガ、ダンスが含まれます。

身体的活動に参加した人は、認知症のリスクが17%低い。

 

社会的活動(Social activities)

主に人とのコミュニケーションを伴う活動を指し、授業への出席、社交クラブへの加入、ボランティア活動、親戚や友人の訪問などが含まれました。

社会的活動に参加した人は、認知症のリスクが7%低い。

 

この調査の結果、余暇活動が認知症の発症率と逆相関(余暇活動が充実する毎に、認知症の発症率も低減する)することが示されました。

加えて、身体的活動と認知活動は認知症のリスク低下と関連しており、身体活動は血管性認知症の発生率の低下と関連していることが分かりました。

 

声なき声に気づく

これまでも何度か認知症に関する話題を取り上げて来ました。

「認知症」のことを考えるには、まだ若いから・・・とは言っていられない現状が足元にまで忍び寄っています。

2017〜2019年に実施された日本医療研究開発機構(AMED)による若年性認知症に関する調査では、日本の若年性認知症の有病率(18歳〜64歳が対象)は10万人あたり50.9人。

決して低い数字とは思えません。

さらに65歳以上の高齢者の認知症有病率は16.7%(602万人)となり、実に6人に1人が認知症患者であり、2025年には65歳以上の5人に1人が認知症患者になるという研究もあります。

また、ご家族や親戚など、身近な人が認知症になり、その介護にあたる人までを入れると膨大な数の人々が、この認知症という病に翻弄され、悩み、苦しんでいらっしゃる状況が既に厳然として存在します。

認知症を未然に防ぐために、日常に取り入れやすい脳に有益な活動がこれだけあるのだと知っておくことはとても大切です。

高齢者の孤立が社会問題と化し、個々の事情により活動的な生活を送れない方々も潜在的に多いのではないかと想像します。

そうした人々を、どう活動的な場に連れ出し、密な愛情あふれるコミュニケーションで満たしていくかは、孤立した人々の側ではなく、健康で、まだ若い私たち、そして社会の側に大きな責務があると感じます。

声なき声に、想像力豊かに気付き、寄り添っていく姿勢が、様々な問題を解決へと導きます。

 

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(文=久保多渓心)

 

News Source

Leisure Activities and the Risk of Dementia: A Systematic Review and Meta-Analysis『Neurology』

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