2022.11.14
【米研究】超加工食品の中毒性と危険性は、タバコに匹敵する!

日頃から健康に気を遣い、加工食品の摂取を制限しているという方は多いのではないでしょうか。
生鮮食品以外の食品は、長期間保存することが困難なため、何らかの加工を施した上で、私たちの食卓にのぼります。
不健康だといわれている食品ほど、味が濃く、中毒性があるように感じます。
「NOVA分類」とは?
これらの「加工食品」には、その加工の程度によって4つの分類があることをご存知でしょうか。
ブラジル・サンパウロ大学(Universidade de São Paulo:USP)、公衆衛生学部の研究者らが提唱した「NOVA分類(The NOVA Classification)」と呼ばれるものです。
植物の種、果実、葉、茎、根、動物の肉、卵、牛乳、水など。これに乾燥、粉砕、ボイル、冷蔵、冷凍、真空パックなどの加工をしたもの。
圧縮、精製、製粉、噴霧乾燥などの加工で作られたもの。家庭やレストランの厨房でグループ1の食品を使って料理を作る際に使う食材。
例:海水から作った塩、オリーブや種を潰して作った植物油、でん粉、酢、蜂蜜、アルコール飲料など。
グループ1の食品に、グループ2の食材を使って作られる比較的簡単な加工食品。
例:缶詰や瓶詰めにした豆類や野菜を塩や酢に漬けたり、ピクルスにして保存したもの。塩漬け、乾燥、燻製にした肉や魚。ビーフジャーキー、ベーコン、チーズ、出来立てのチーズやパン。
5種類以上の成分を含む、工業的に成形されたもの。通常、調理素材としては用いず、超加工食品にしか見られないような素材を含んだもの。カゼイン、グルテン、硬化油、加水分解タンパク質、香料、甘味料、着色料、安定剤、防腐剤、増量剤、乳化剤を含む。グループ1の食品は、超加工食品のごく一部であるか、存在しない。
例:大量生産されたパン、ハンバーガー、ホットドッグ、マーガリン、クッキー、ケーキ、チョコレート、キャンディー、菓子全般、エナジードリンク、スポーツドリンク、炭酸飲料など。
「超加工食品」の中毒性
高度に加工を施したグループ4の「超加工食品」には、果たして実際に中毒性はあるのでしょうか?
ミシガン大学(University of Michigan)と、バージニア工科大学(Virginia Polytechnic Institute and State University)の新たな分析では、タバコには中毒性があるとする1988年の米国公衆衛生局の報告書で使用された基準を採用し、食品にも適用しました。
ミシガン大学心理学部の准教授で、この研究の主著者であるAshley N. Gearhardt博士と、バージニア工科大学・フラリン生物医学研究所の助教授、Alexandra DiFeliceantonio博士は、タバコに設定された中毒の基準に基づいて、この研究結果は高度に加工された食品が中毒性を持つ可能性があることを示していると述べています。
『Addiction』誌の最新号に掲載されたこの研究では、超加工食品がタバコを依存性物質として特定するのと同じ基準を満たしているという証拠が示されています。
◉タバコ製品に含まれるニコチンと同程度の大きさの脳の変化を引き起こす可能性がある。
◉それらは非常に強化されている。
◉強い衝動や渇望を誘発する。

注意すべきことに、依存性があるかどうかを示すバイオマーカーは脳には存在しません。
タバコ製品が中毒性があることを特定することは、まさにこの4つの基準に集約されており、何十年にもわたる科学的評価に耐えて来ました。超加工食品は、これらの基準の一つ一つを満たしています。
- Gearhardt博士
Highly Processed Foods Can Be Considered Addictive Like Tobacco Products『Neuro Science News.com』
超加工食品が不自然に大量の精製された炭水化物と脂肪を迅速に届ける能力が、それらの依存性の可能性の鍵となるようです。
- DiFeliceantonio博士
Highly Processed Foods Can Be Considered Addictive Like Tobacco Products『Neuro Science News.com』
超加工食品には、特定の中枢機構を介して作用する単一の化学物質に単純化できない複雑な物質が含まれています。
ニコチンを含む何千もの化学物質を含む工業用タバコ製品についても同じことが言えるのです。
- Gearhardt博士
Highly Processed Foods Can Be Considered Addictive Like Tobacco Products『Neuro Science News.com』
30年以上前に公衆衛生局の報告書が発表されたとき、タバコ製品は予防可能な最大の死因でした。
しかし、この当時、多くの人々やタバコメーカーは、中毒性や有害性を受け入れることに抵抗しました。
これにより、数百万人の命を奪ったこの公衆衛生の危機に対処するための効果的な戦略の実施が遅れたのです。
喫煙は単なる大人の選択や嗜みではなく、人々が夢中になっていて、本当にやめたいと思ってもやめられないという事実に気付きました。
これと同じことが超加工食品でも起こっているようであり、子供がこれらの食品の主要な広告ターゲットとなっているため、このような現状は特に懸念されます。
- Gearhardt博士
Highly Processed Foods Can Be Considered Addictive Like Tobacco Products『Neuro Science News.com』
超加工食品に支配された貧しい食事は、現在ではタバコと同等に予防可能な死亡の一因となっています。
低コストと、より高い利益率を重視した「超加工食品」は、安価に手間をかけず食べることが出来る便利さがあり、実際に多くの人が「美味しい」と感じます。
しかし、その安易な選択と悪習慣が、あなた自身、そしてあなたの愛する家族を超加工食品の中毒にし、健康を脅かし、命まで奪いかねないとしたら、どうでしょう?
超加工食品への見方を変えるべきときに来ているのかもしれません。
(文=久保多渓心)
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