【英研究】座礁したイルカにアルツハイマー病の特徴が発見される!

2022.12.24

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AGLA編集部

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相次ぐ鯨やイルカの座礁、漂着

鯨やイルカが大量に座礁するニュースを観ると、地震の予兆ではないかと不安に感じる人も多いでしょう。

今年の9月には、オーストラリア南東部タスマニア島の西岸に、ゴンドウクジラ200頭以上が打ち上げられているのが発見されましたが、生きているのは半数だけでした。

鯨が座礁する原因については、耳腔に何らかの障害が発生し、超音波探知や磁場探知が混乱してしまうことや、エコロケーション(鯨が音を発し、その反響によって距離や方向、大きさなどを把握すること)が、浅瀬の砂などに対しては反射されにくいことが主な原因とされています。

また、寄生虫や感染症、代謝疾患などが原因である場合もある他、軍によるソナー探知機によるストレスで、減圧症の症状を呈し、脳内出血を起こしているケースもあったことが報告されています。

 

座礁イルカから、アルツハイマー病の特徴が発見された!

「グラスゴー大学(The University of Glasgow)」、「セント・アンドリューズ大学(University of St Andrews)」、「エディンバラ大学(The University of Edinburgh)」、「モレダン研究所(Moredun Research Institute)」の共同研究チームは、英・スコットランドの海岸に打ち上げられたイルカからアルツハイマーのバイオマーカーが発見されたと欧州の科学ジャーナル『European Journal of Neuroscience』に発表しました。

調査したのは、ハナゴンドウ、ヒレナガゴンドウ、ハナジロカマイルカ、ネズミイルカ、バンドウイルカの5種。

研究チームは、座礁した5種のイルカに対し、アルツハイマー病の特徴とされる脳の症状である、アミロイドβ(*)斑の形成、リン酸化タウたんぱく質(*)の蓄積、グリオーシス(星状膠細胞が増殖)などの存在を調べました。

その結果、5種のイルカのうち、ヒレナガゴンドウ、ハナジロカマイルカ、バンドウイルカの3頭から、アミロイドβプラークなど、その他のアルツハイマー病に関連する多くの症状が見つかったのです。

アミロイドβ:脳内でつくられるタンパク質の一種。健康な人の場合、短期間で分解、排出されるが、過剰に蓄積してしまうとアルツハイマー病の原因となる。

リン酸化タウたんぱく質:脳内の中枢神経細胞に存在する「タウたんぱく質」は、神経軸索の機能保持に重要な役割を果たしているが、リン酸化すると凝集化し、神経細胞間の伝達が抑制され、アルツハイマー病の原因となる。

ただ、この研究では、イルカが人間同様、アルツハイマー病に関わる認知障害に苦しんでいたかどうかを確認することは出来ていません。

 

広大な海の中で、数多くの仲間達とコミュニケーションを取るなど、鯨やイルカは、非常に社会性の強い動物として知られています。

群れにはリーダーがいますが、そのたった1頭の高齢のリーダーがアルツハイマー病であり、仲間たちを危険な浅瀬に誘っていたとしたら・・・複数頭の鯨やイルカの座礁も頷けます。

 

(文=久保多渓心)

 

News Source

Alzheimer’s disease-like neuropathology in three species of oceanic dolphin『European Journal of Neuroscience』

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