【英研究】自宅から遠く離れた場所に旅行するほど健康に良い!?

2023.1.7

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久保多渓心 ( ライター・占術家 )

墨が織り成す一子相伝の占術 “篁霊祥命(こうれいしょうめい)” を主な鑑定手法とする占術家。他にも文筆家やイベント・オーガナイザーとしての顔も持つ。また引きこもり支援相談活動なども行なっている。

各県で今月10日から延長が決定している全国旅行支援。

旅行の計画を立てている方、既に昨年10月から実施された旅行支援で紅葉を見に出かけたという方もいらっしゃるのではないでしょうか。

旅行は、風光明媚な景色を楽しんだり、その土地にしかない、歴史の積み重ねを感じる建造物や街並みを堪能することが主な目的かもしれませんが、地元に住む人々との出会い、触れ合いも醍醐味の一つです。

新型コロナウイルスによるパンデミックで、人の往来や接触が制限され、観光業や飲食業をはじめとする業界が打撃を受け、人々の心も疲弊した3年間でした。

旅行の制限は、経済的な不利益と、地域社会や人々の幸福感を低下させましたが、健康に及ぼす影響はこれまで十分に検討されて来ませんでした。

『Journal of Transport & Health』に掲載された「ロンドン大学・バートレット 環境、エネルギー、資源学部(UCL Bartlett School of Environment, Energy & Resources)」による研究によれば、頻繁に自分の住む地域外に旅行する人ほど健康状態が良好であることが報告されました。

 

イングランド北部を対象にしたオンライン調査

イングランド北部・ヨークシャー地方

研究者チームは、イングランド北部在住の住民3014人を対象にオンライン調査を行いました。

調査対象者は、自宅から15マイル(24 km)以上離れていると定義された地域外への移動に関して、どの程度制約を感じているかという設問に、5つのレベル(「全くそう思わない」〜「非常にそう思う」)から選択して回答しました。

設問は、以下のような内容となっています。

「地元を離れて旅行する頻度は理想よりも少ない」
(以後、旅行の頻度に対する制約として扱われる)

「旅行先は理想よりも少ない(例:地元以外の市や町)」
(場所の数に対する制約)

「理想的に行きたい場所よりも近い場所に旅行する」
(移動距離の制約)

「理想的には車で行きたい場所に公共交通機関で移動しています」
(車の使用の制約)

「公共交通機関で理想的に行きたい場所に車で移動する」
(公共交通機関の利用に対する制約)
現在の健康状態に関する設問にも、「非常に良い」「良い」「普通」「悪い」「非常に悪い」の5段階で回答しました。

また、家族や友人と会う頻度、教育・芸術・音楽などのグループ活動や、スポーツクラブ・ジム、運動教室などへの参加の有無などの「社会参加」について、他にも性別、年齢層、世帯所得、雇用状況などの設問に回答しました。

 

「社会参加」と「移動手段」が、健康の鍵

この調査によると、「旅行の制限」「社会参加」「健康」の関連性は、55 歳以上の人々でより強いことが分かりました。

旅行の制限は、友人知人との接触頻度の低下や、趣味などの対外的活動への参加の減少につながります。

イングランド北部の田舎町や郊外では交通の利便性が悪いことから、若い世代が仕事や旅行の選択肢を求めて都市部に移動するため、人口減少が起こります。

その一方で、高齢者は移動手段に乏しい地元に取り残されてしまうという事態が起こってしまいます。このことから、訪問出来る場所の範囲が狭くなり、社会参加の機会が奪われ、健康状態が低下します。

訪問地の数に対する制約は、社会参加の減少を介して、自己評価による健康と関連していました。旅行頻度に対する制約は、社会参加以外の経路で自己評価による健康と負の相関を示しました。

移動距離に対する制約は有意ではなく、自動車利用や公共交通機関利用に対する制約は、他の制約を介して自己評価による健康と関連していました。

この調査結果は、社会参加と健康のために地元以外の場所へ移動できることの重要性を確認し、自家用車と公共交通機関の両方を利用し、より多くの場所へ頻繁に移動するためのより良い条件を提供することによって、移動に対する制約を減らす公共政策の必要性を強調するものです。

 

 

News Source

Constraints to travel outside the local area: Effect on social participation and self-rated health『Journal of Transport & Health』

久保多渓心 のプロフィール

久保多渓心

画家の父、歌人の母のもと、福岡市博多区で生まれる。

バンド活動を経て、DJ、オーガナイザーとしてアート系イベント、音楽イベントなどを多数手掛ける傍ら、フリーライターとしても活動。

音楽雑誌でのアーティスト・インタビュー記事、書籍、フリーペーパー、WEBなどの媒体で政治、社会問題から、サブカルチャー、オカルトまで幅広いジャンルでコラムを執筆。

引きこもり、不登校、心の病など自身の経験を活かし「ピアカウンセリング」を主軸にしたコミュニティを立ち上げる。後にひきこもり支援相談士として当事者やその家族のサポート、相談活動にあたる。

現在は亡き父から継承した一子相伝の墨を用いた特殊な占術『篁霊祥命』や、独自のリーディングによって鑑定活動を行っている。2021年で鑑定活動は16年目を迎える。

月参り、寺社への参拝による開運術の指導なども行う。

『AGLA(アグラ)』スーパーバイザーを務める。

2020年10月より活動名をマーク・ケイより、久保多渓心に改名。

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