2023.1.20
【フィンランド研究】緑豊かな自然に頻繁に訪れるほど、処方薬の使用が減ることが明らかに!

これまでも何度か、緑地などの自然がメンタルヘルスや認知機能など、心身の健康に素晴らしい恩恵を与えてくれることをご紹介して来ました。
今回は、フィンランドの新しい調査研究についてご紹介致します。
職業病医学や環境衛生分野をカバーする月刊の医学雑誌『Occupational & Environmental Medicine』のオンライン版に掲載された最新の調査によれば、緑地を頻繁に訪れる人は、うつ病、不安神経症、不眠症、高血圧、喘息の処方薬を使用する可能性が低いことが報告されました。
フィンランドでの大規模調査
今回の調査は、フィンランド保健福祉研究所が、2015 年から 2016 年にかけて実施した、ヘルシンキ首都圏の環境衛生調査が元となっています。
無作為に選択されたヘルシンキ、エスポー、ヴァンターの住民 16,000 人の回答を利用して行われました。これら 3 つの都市は、フィンランドで最大の都市圏を構成しています。
この調査は、都市部の人々が生活環境における様々な環境要因への曝露をどのように経験しているか、関連する健康リスク、個人の健康状態に関する情報を収集したものです。
研究者らは、住民の自宅周辺1km圏内の緑地、水域の数、自宅からの緑地、水域の眺め、緑地への訪問頻度が、自己申告による向精神薬(抗不安薬、睡眠薬、抗うつ薬など)、降圧薬、喘息薬の使用と関連するかを調べました。
調査対象となった住民へは、以下のような質問がなされています。
緑地とは、庭園、公園、城址公園、墓地、動物園など、主にレクリエーションのために利用される公共の緑地や、森林、自然の草地や湿原、湿地などが定義されました。
水域は、海、湖、および川として定義されました。
また、健康行動、屋外の大気汚染と騒音、世帯収入と学歴など、潜在的に影響を与える要因も考慮されています。
緑地への訪問頻度が多いほど、処方薬の使用が少ない
この調査の結果、住宅周辺の緑地・水域の数、自宅からの緑地・水域の眺望は、処方薬の使用と関連していませんでした。
しかし、緑地への訪問頻度は関連がみれらたのです。
緑地への週に1回未満の訪問と比較して、週に3〜4回の訪問は、向精神薬を使用する確率が33%低く、降圧薬を使用する確率が36%低く、喘息薬を使用する確率が26%低い結果となったのです。
News Source
Cross-sectional associations of different types of nature exposure with psychotropic, antihypertensive and asthma medication by Anu W Turunen et al.『Occupational and Environmental Medicine』
久保多渓心 のプロフィール

画家の父、歌人の母のもと、福岡市博多区で生まれる。
バンド活動を経て、DJ、オーガナイザーとしてアート系イベント、音楽イベントなどを多数手掛ける傍ら、フリーライターとしても活動。
音楽雑誌でのアーティスト・インタビュー記事、書籍、フリーペーパー、WEBなどの媒体で政治、社会問題から、サブカルチャー、オカルトまで幅広いジャンルでコラムを執筆。
引きこもり、不登校、心の病など自身の経験を活かし「ピアカウンセリング」を主軸にしたコミュニティを立ち上げる。後にひきこもり支援相談士として当事者やその家族のサポート、相談活動にあたる。
現在は亡き父から継承した一子相伝の墨を用いた特殊な占術『篁霊祥命』や、独自のリーディングによって鑑定活動を行っている。2021年で鑑定活動は16年目を迎える。
月参り、寺社への参拝による開運術の指導なども行う。
『AGLA(アグラ)』スーパーバイザーを務める。
2020年10月より活動名をマーク・ケイより、久保多渓心に改名。