春の不調の原因は?四柱推命的セルフケア『私らしく生きるための東洋の智慧(連載第二十九回)』

2023.3.20

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星川亜輝子 ( Kwan-Yin クワンイン オーナーセラピスト )

リラクゼーションサロンでリフレクソロジー、整体、ロミロミなどのべ7,000人以上のボディケアを担当。またオーラソーマの探求をスタートし「Kwan-Yin クワンイン」をオープン。現在は新たに四柱推命や陰陽五行を取り入れたメニューを提供中。

「なんとなく不調」を感じやすい春

3月に入り、一気に春らしい陽気となりました。

 

東京では早くも桜の開花が宣言され、東西様々な場所でピンク色に染まる美しい風景を見ることができそうです。

あたり一面に広がる菜の花の明るいイエローも、私たちに元気を与えてくれますね。

 

そんな風に色彩豊かで心躍る春ですが、一方でまだまだ寒暖差が激しく、心身の不調が起きやすい季節でもあるのです。

 

四柱推命で診てみると、今年は特にその傾向が。

症状として出ていなくても、未病のうちからケアしておくことが大切です。

 

今回の記事はどなたにでも当てはまりますが、元々春が苦手な方は特に参考になさってくださいね。

 

四柱推命でみる健康とは

四柱推命で使用する十干(甲・乙・丙・丁・戊・己・庚・辛・壬・癸)の中で、健康を象徴しているものはどれでしょう?

 

答えは、陽の火にあたる【丙(ひのえ・へいか)】です。

 

そして、この字はある漢字の一部として使われています。

それは【】。

 

陽の火である丙は至陽(しよう)と呼ばれ、十干の中で最も明るく温かい質をもっています。

そんな至陽のものが 疒(やまいだれ)に隠れて見えなくなってしまう…

つまり「病」という漢字は、私たちの身体と心が暗く冷え切ってしまう様を表しているのです。

 

火という五行は固体保存の役割を果たしています。

固体保存とは、人間や動物など生き物の「生命を維持する」ということですね。

 

火が担当する臓器は心臓であり、血液を全身へ送る循環器系も火の管轄。

心臓は母親の胎内で命が宿されたときに最初につくられる臓器です。

 

心臓が動きを止めれば、私たちの生命の営みも止まります。

それだけ五行の火のはたらきは、私たちの生命にとって大切なものなのです。

 

それを踏まえて、干支暦で春にあたる2月と3月のエネルギーを詳しく診ていきましょう。

 

春は木のエネルギーが高まる季節

春は木の季節であり、さらに今年の2月の干支は【甲寅】で3月は【乙卯】。

 

2月は寅月、3月は卯月と決まっていますが、天干にも甲と乙という木気が巡ってきています。

 

天干と地支すべてが五行の木にあたりますので、この2ヶ月間は木のエネルギーが例年以上に強まるということ。

 

甲寅は若い木が勢いよく伸びて、それらが林となり森となっていくイメージが湧きますし、乙卯も草花がわさわさと元気に広がっていく光景が浮かびます。

 

それを聞くと、きっと春色の瑞々しい景色が想像されるかと思うのですが、実はちょっと注意が必要なのです。

 

木は季節でいうと春、時間では朝と対応しています。

そこから「昇る」「伸びる」という意味に繋がり、目標に向かって成長しようとする力をもっているといわれます。

 

また自然が私たちの心を癒してくれるように、やさしさや思いやりの心を育んでくれるのもこの木気。

 

ですが、木のエネルギーが強くなりすぎると、先述のように木々や草花がどんどん育って森を作り出し、いつしか陽の光が地面にまで届かなくなってしまうのです。

 

太陽である丙。

丙は至陽であり、私たちの身体と心を温めて生命を保ってくれるものでしたね。

 

そんな太陽の光が届かなくなってしまうということは、私たちの心身が冷えて病を引き起こしやすくなるということ。

 

なぜかやる気が出ない、行動する力が湧いてこない…

それは深い森に遮られた太陽のエネルギー、つまり火のエネルギーが不足して、生命力が弱っているからかもしれません。

 

日差しが強くなり随分と暖かくなってきましたが、身体、特に足元は冷えていませんか?

体温が一度下がることで免疫力は30%以上低下し、基礎代謝も約12%低下するといわれています。

 

暖かくなってきたからと過信せずに、毎日の入浴や運動などで体温を上げていきましょう。

 

自律神経のバランスに注意

この2月・3月は木気が過剰になっているとお伝えしましたが、火の力が弱くなってしまう以外にも不調の原因があります。

 

それは木と関連が深い神経系のバランスが崩れやすい季節だということ。

 

木は【福分】という心の安定や満足感・充足感を担当しています。

このことから、木気が過剰になったり逆に少なくなったりとバランスが悪くなることで、心のバランスも崩れがちに。

 

春は木気が過剰となって自律神経の不調が起こりやすく、メンタルが不安定になって落ち込んだりイライラしたりする人が多くなります。

この状態を東洋医学では気鬱と呼びます。

不眠やめまい、肩・首のコリ、眼の疲れとして身体に表れることもあるでしょう。

 

五行の中で唯一の有機物である木は「揺れる」という性質をもっています。

風がそよそよと吹くだけで草木は揺れますし、実は風そのものも木の象徴。

 

甲または乙を日干にもつ人の中には、いつも無意識に周囲にアンテナを張っていて、人の心の動きにも敏感な方が多くいらっしゃいます。

 

木のエネルギーが強くなる春はますますその質が強く表れるので、周りの環境や人の言動に気持ちが揺れやすくなり振り回されてしまいがち。

 

もちろん他の日干の人たちも、少なからずこの春の気の影響を受けています。

 

出会いや別れの機会が増え、今まで過ごした世界から新しい場所へと移り変わっていく人も多いこの季節。

 

そんな変化の多い時期だからこそ、いつも以上に自分自身を労わり、心がホッとする時間を積極的に作ってあげることがとても大切だと思います。

 

春のおすすめ養生

さて、この木のエネルギーが強くなる春におすすめの養生をいくつかお伝えします。

 

深呼吸を心掛ける

呼吸を担当する五行は金。

金は臓器でいうと肺にあたります。

金は木を切ってエネルギーを調整してくれますので、呼吸に意識を向けることで自律神経のバランスが整えられます。

気持ちが張り詰めて呼吸が浅くなっていることに気がついたら、すぐに3回しっかりと深呼吸を。

筋肉を動かすことで相乗効果を生み出すヨガもとてもおすすめです。

 

アロマバスでリラックス

暖かくなるとついシャワーですませがちになりますが、春はまだまだ身体が冷えている人が多いです。

ホッとする時間を作るためにも、できるだけ毎日の入浴を心掛けましょう。

その際に、天然塩に精油を加えたバスソルトを湯船に入れてアロマバスを楽しんでみては。

 

この時期、特におすすめなのがペパーミント/オレンジ/ユーカリです。

ペパーミント:考え過ぎてしまったり情報過多になったり、思考を使い過ぎているときに。モヤモヤする気持ちをスッキリさせてくれます。
オレンジ:リラックス効果とリフレッシュ効果のどちらをも併せもつ精油。気分がふさぎ込みがちな人に元気を与えてくれるでしょう。
ユーカリ:抗ウイルス作用や消炎作用があり、特に花粉症の人におすすめ。スッキリした香りが憂鬱な気分を取り払ってくれます。

 

四柱推命を学べば学ぶほど、私たちは自然と共に生きているのだということを実感させられます。

 

身体の状態、心の状態にメッセージを送ってくれる命式たち。

このメッセージを上手にキャッチして、日々のセルフケアに活かしてくださいね。

星川亜輝子 のプロフィール

星川亜輝子

会社員時代、セルフケアのために学んだアロマテラピーの奥深い世界に魅了され、本格的にアロマセラピストの道へ進むことを決意。

2008年から約5年間、福岡市内のリラクゼーションサロンにてリフレクソロジーや整体、ロミロミなどを通し、のべ7,000人以上のお客様のボディケアを担当。

その後、自分の今後を悩み始めたタイミングで、イギリス発祥のオーラソーマ®と再会。サロンの店長として日々奮闘する傍ら、オーラソーマの探求をスタートする。

より自分らしい生き方へとシフトさせてくれたオーラソーマの魅力、そして、体だけでなく心をケアすることの大切さをもっと伝えていきたいと、2013年5月【Kwan-Yin クワンイン】をオープン。

5周年を迎えた2018年5月、結婚という転機を迎えて自宅サロンとして再出発。

「心身両面、そして魂からの歓びと幸せをサポートする」という想いは変わらず、新たに四柱推命や陰陽五行を取り入れたメニューを提供中。


ホームページ→ https://www.kwan-yin.jp


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