2023.3.29
【英研究】あなたは右と左、どっちの足を組む?〜 足を組んで座ると体に悪い理由

あなたは快適に座っていますか?
ちょっと立ち止まって、そのままで、自分の姿勢に気づいてください。
あなたの脚はどうなっていますか?
交差していますか?
そして、あなたは右と左の脚の、どちらを組むタイプでしょうか?
約62%の人が右と左のどちらかを組み、26%の人が反対を組み、12%の人が好みがないそうです。
椅子に座り、脚を組むには、膝で組む方法と足首で組む方法の2つが一般的です。しかし、脚を組んで座るのは快適かもしれませんが、健康や姿勢に悪い影響を及ぼすのでしょうか?
その証拠を見てみましょう。
まず、脚を組んで座ると、腰の位置が他より高くなり、股関節のズレが大きくなることが研究でわかっています。
また、下肢の血管を通る血液の速度が変わるため、血栓のリスクが高まる可能性があります。
ほとんどの研究が、膝で組むと足首より悪くなることを示唆しています。実際、この座り方をすると、静脈に血液がたまり、心臓がそれに対抗して働かなければならないため、血圧が上昇することがあります。そのため、血圧を測るときは、足を床につけた状態で行うようにしましょう。
身体への影響
脚を組んで座る時間が長く、回数が多いほど、骨盤の筋肉の長さや骨の配置に長期的な変化が生じやすくなります。また、骨格のつながりから、脚を組むことで背骨や肩の位置がずれてしまうこともあります。
骨盤の上に重心を置くために背骨が補正されるので、首の骨の変化により、頭の位置がずれてしまう可能性があります。
また、体の片側がもう片方より弱いために、首が影響を受けることもあります。骨盤や腰の筋肉も、悪い姿勢やあぐらをかくことによるストレスや緊張の結果、同じようにアンバランスになることがあるのです。
また、片側の臀部(お尻)の筋肉が長時間伸ばされることで、骨盤の位置がずれてしまい、筋肉が弱くなることもあります。
長時間足を組んで座っていると、「脊柱側弯症(背骨の位置異常)」などの変形が起こりやすくなります。また、股関節や太ももの外側が痛む「大転子痛症候群」を引き起こす可能性もあります。
また、足を組んで座っていると、下肢にある腓骨神経(ひこつしんけい)が圧迫され、傷つく危険性があることが研究によりわかっています。
腓骨神経は、足の小指側を持ち上げる力が弱くなったり、足全体が垂れ下がってしまう「足下がり」という症状が現れます。しかし、ほとんどの場合、これは短時間で、数分以内に元に戻ります。
また、足を組むことが精子の生産に影響を与えるという証拠もあります。
これは、睾丸の温度が標準体温より2℃~6℃低い必要があるためです。座っていると睾丸の温度は2℃上昇し、脚を組むと3.5℃も上昇するのです。そして、陰嚢や睾丸の温度が上がると、精子の数も質も低下するという研究結果もあります。
また、男女の解剖学的構造の違いから、女性の方があぐらをかきやすいといわれています(特に、男性は股関節の可動域が狭いため)。
脚と関節
しかし、脚を組んで座ることが一部の人にとって有益であることを示す研究もあります。
例えば、2016年に行われたある小さな研究では、片方の足がもう片方より長い人の場合、足を組んで座ることで骨盤の両側の高さが調整され、アライメントが改善されることがわかりました。
また、脚を組んで座ることは、脚を前に出して座ることに比べて、一部の筋肉、特に斜角筋(腰に手を当てる部分の皮膚の下の筋肉)の活動を低下させるようです。これは、体幹の筋肉をリラックスさせ、過労を防ぐのに役立つと考えられます。
同様に、足を組んで座ることで、仙腸関節(背骨と脚の間で体重を移動させる役割)の安定性が向上するという証拠もあります。
もちろん、ヨガや瞑想の有名なポーズ(蓮華座)でも、人は床に座って脚を組みます。
しかし、この姿勢で長時間過ごすことで、椅子にあぐらをかいて座るのと同じような問題が起こるかどうかについては、限られたデータしかありません。実際、多くの人にとって、ヨガは大きなメリットをもたらします。たとえ、すでに膝に問題がある人でもです。
つまり、結論は?
できることなら、足を組まないほうがいいでしょう。とはいえ、足を組むことに関連する危険因子の多くは、座りっぱなしのライフスタイルや肥満など、他の基礎的な問題によって悪化している可能性があります。
ですから、同じ姿勢で長時間座り続けないこと、そして定期的に体を動かすことが大切です。
News Source
Why sitting with crossed legs could be bad for you By Adam Taylor『THE CONVERSATION』
AGLA編集部 のプロフィール
心と体を調える 女性のための新感覚スピリチュアルメディア編集部。