【花粉症の原因は腸と鼻のバクテリア!?】花粉症の症状改善にはプロバイオティクスが有効!

2023.4.24

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久保多渓心 ( ライター・占術家 )

墨が織り成す一子相伝の占術 “篁霊祥命(こうれいしょうめい)” を主な鑑定手法とする占術家。他にも文筆家やイベント・オーガナイザーとしての顔も持つ。また引きこもり支援相談活動なども行なっている。

春になると、多くの人が目のかゆみ、くしゃみ、鼻づまりといった花粉症の恐ろしい症状に悩まされるようになります。

花粉症は一般的な症状で、最大で42%の人が罹患するといわれています。花粉を含むアレルゲンに対して免疫系が過剰に反応することで発症します。

花粉症とマイクロバイオーム(体内や体外に生息する微生物の集合体)との間に関連性があることが研究で示唆されています。

具体的には、腸内細菌と鼻腔内細菌の構成が、花粉症症状の発症に関与している可能性があるのです。

この関連性を探ることで、花粉症が人々の日常生活に与える影響を軽減するための代替治療の可能性を見出すことができます。

 

花粉症とマイクロバイオーム

花粉症の人は、そうでない人に比べて、腸内細菌の多様性が低い場合が多いという研究結果があります。腸内細菌の多様性が低下すると、マイクロバイオームのバランスが崩れ、炎症(アレルゲンなどの刺激物に対する体の免疫反応)のレベルが高くなります。

つまり、腸内細菌の多様性が低下すると花粉症のリスクが高まるという事実は、腸内細菌叢が免疫系の調節に重要な役割を果たし、免疫系がアレルギーに影響を与えることが分かっているため、理にかなっているといえます。

腸内細菌は、短鎖脂肪酸の産生など、いくつかの方法で免疫系機能に影響を及ぼすと考えられています。短鎖脂肪酸は、食物繊維を発酵させる際に腸内細菌によって生成されます(通常の消化の一部)。

短鎖脂肪酸は、抗炎症作用があることが知られています。ビフィズス菌ラクトバチルス菌という短鎖脂肪酸を生成する2つの細菌株のレベルが低いと、花粉症のリスクが高くなることが研究で示されています。

腸内細菌叢に加え、花粉症は鼻腔に生息する微生物のコミュニティである鼻腔細菌叢にも関連しているようです。

鼻腔マイクロバイオームは、免疫系を調節し、鼻から体内に侵入する有害な病原体から身を守る重要な役割を担っています。鼻腔マイクロバイオームのバランスが崩れ、多様性が低下すると、呼吸器感染症のリスクが高まったり、花粉症の症状が悪化したりすることがあります。

研究によると、花粉症の人は、症状のない人と比べて鼻腔マイクロバイオームの構成が異なることが多く、黄色ブドウ球菌などの特定の細菌が多いことが分かっています。このような鼻腔マイクロバイオームのアンバランスは、炎症の増加や特定の花粉症症状のリスクの上昇につながる可能性があります。

 

プロバイオティクスとプレバイオティクスの役割の可能性

プロバイオティクスは、体内の「善玉菌」の組成を高める生きた微生物です。

一方、プレバイオティクスは、腸内の善玉菌を刺激する繊維質です。基本的に、善玉菌はプレバイオティクスを餌にしています。どちらも、私たちの健康全般に重要な役割を果たす腸内細菌叢を健康に保つために重要です。

花粉症に関連して、いくつかのプロバイオティクス細菌の菌株が研究されています。

そのひとつがラクトバチルス・アシドフィルス(Lactobacillus acidophilus)で、鼻づまり、かゆみ、くしゃみなどの花粉症の症状を軽減することが確認されています。また、乳幼児の花粉症発症を予防する可能性があるラクトバチルス・ラムノサスGG株も注目されています。

その他、ビフィドバクテリウム・ラクティスビフィドバクテリウム・ビフィダムラクトバチルス・カゼイなどの菌株も、花粉症の症状軽減に期待されています。しかし、さらなる研究が必要です。

 

どのように作用するのか?

プロバイオティクスは、免疫反応を調節し、特に炎症性サイトカインの産生を減少させるようです。これは、炎症を促進する免疫系の細胞によって作られるシグナル伝達分子です。

例えば、ラクトバチルス・アシドフィルスは、鼻腔の粘膜におけるアレルギー性の炎症に関連する炎症性サイトカインの発現を減少させることができます。

同様に、ラクトバチルス・ラムノサスGG株は、気道過敏性(刺激に反応して気道が過剰に狭くなること)を抑え、肺の炎症細胞を減少させ、炎症性サイトカインを減少させることが示されています。

フラクトオリゴ糖などのプレバイオティクスも、花粉症予防の可能性について研究されています。ビフィドバクテリウム(ビフィズス菌)やラクトバチルス(乳酸菌)などの有益な腸内細菌を増加させることが分かっているのです。

ある研究では、乳児にフラクトオリゴ糖を摂取させたところ、花粉症発症のリスクが減少したことが報告されています。

 

プロバイオティクスとプレバイオティクスを取り入れる

花粉症にお悩みの方は、プロバイオティクスやプレバイオティクスを日常に取り入れることを検討されてはいかがでしょうか。

プロバイオティクスのサプリメントは、カプセル、錠剤、粉末、ドリンクなど、様々な形態で広く販売されています。花粉症との関連で研究されている特定の菌株のプロバイオティクスを含むサプリメントを選ぶことが重要です。

ラクトバチルス・アシドフィルス、ラクトバチルス・ラムノサスGG株、ビフィドバクテリウム・ラクティス、ビフィドバクテリウム・ビフィダム、ラクトバチルス・カゼイなどが挙げられます。

また、プロバイオティクスが豊富な食品を食事に取り入れることもできます。ヨーグルトケフィアザワークラウトキムチコンブチャなどの発酵食品です。

プレバイオティクスとしては、フラクトオリゴ糖がバナナ、タマネギ、ニンニク、アスパラガス、アーティチョーク、全粒粉などの特定の食品によく含まれています。サプリメントも、粉末やカプセルなど、様々な形態で提供されています。

プロバイオティクスやプレバイオティクスを摂取すると、ガス、膨満感、下痢などの消化器系の不快感など、副作用が出ることがあります。

これらのリスクを最小限に抑えるには、低用量から始めて、時間をかけて徐々に増やしていくことをお勧めします。また、これらのサプリメントを摂取する前に、特に持病がある方や薬を服用中の方は、医療機関に相談することをお勧めします。

 

 

News Source

Hay fever could be linked to our gut and nose bacteria – and probiotics may help symptoms By Samuel J. White,Philippe B. Wilson『THE CONVERSATION』

久保多渓心 のプロフィール

久保多渓心

画家の父、歌人の母のもと、福岡市博多区で生まれる。

バンド活動を経て、DJ、オーガナイザーとしてアート系イベント、音楽イベントなどを多数手掛ける傍ら、フリーライターとしても活動。

音楽雑誌でのアーティスト・インタビュー記事、書籍、フリーペーパー、WEBなどの媒体で政治、社会問題から、サブカルチャー、オカルトまで幅広いジャンルでコラムを執筆。

引きこもり、不登校、心の病など自身の経験を活かし「ピアカウンセリング」を主軸にしたコミュニティを立ち上げる。後にひきこもり支援相談士として当事者やその家族のサポート、相談活動にあたる。

現在は亡き父から継承した一子相伝の墨を用いた特殊な占術『篁霊祥命』や、独自のリーディングによって鑑定活動を行っている。2021年で鑑定活動は16年目を迎える。

月参り、寺社への参拝による開運術の指導なども行う。

『AGLA(アグラ)』スーパーバイザーを務める。

2020年10月より活動名をマーク・ケイより、久保多渓心に改名。

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