そのように聞かれて瞬時に答えられる方はいるでしょうか? 家族や恋人とのなにげない日常の中にも小さな感動はたくさんあるはずですが、忙しい日々を送っていると、つい見過ごしがちですよね。
今回は、そんな「感動」の健康効果について、医師に解説していただきました。
感動のメカニズムを解説
感動というのは、自分の予期しない(あるいは、予期した範囲を超える)結果、結末を見たときに、大きく感情が動く事象を指します。
その刺激とは、絵画や音楽などの芸術活動、文章や演説などの内容、人の生き様、あるいは、綺麗なものやおいしいものに対するものなど、様々なことが上げられます。
そのような刺激が入ったときに脳は強い感動を覚え、そのことは強い記憶に残ります。
感動したときに涙が出るのはアドレナリンが出るため
感動の強い刺激により、心臓がどきどきしたり、手が震えたり、手に汗をかいたり、涙が出たり、様々な身体反応が現れます。この反応を司っているのは、アドレナリンというホルモンです。
アドレナリンは、体が戦闘態勢に入ったときに、敵と戦うため、あるいは敵から逃げるために重要なホルモンですが、上記に上げた強い刺激を感じても同じようにホルモンが出ます。
心臓がどきどきしたり、汗をかいたり、というのは、他の刺激によって興奮したときと同じですよね。それは同じアドレナリンによるものだからです。
日常生活で感動を覚えることは、体にとってとても大事です。
時折強いアドレナリンを出すことで、体の新陳代謝が活性化し、活力につながります。感動がない(アドレナリンがあまり出ない)生活を送っていると、いざというときに体の機能が瞬時に反応しないということにもなってしまいます。
感動は認知症や鬱も防いでくれる!?
感動を覚えることは、脳にとっても重要です。脳の活動は、周りからの刺激で左右されていますが、あまりに刺激が少ない生活を続けていると、脳の機能が低下してしまいます。年齢を重ねると、これは認知症やうつにもつながりうることです。
定期的に強い感動を覚え、脳に刺激を与えることによって、眠っていた脳の機能が活性化し、日常生活にも良い影響を与えることが分かっています。
【医師からのアドバイス】
情報化社会で常に強い刺激にされされていて、なかなか心から感動する体験が少なくなってきていますが、ぜひ身近な自然や家族との関わりの中で感動を味わい、脳を活性化させてください。