精神障害を持つ方の男女比は、厚生労働省のデータによると20歳未満では男性が60.7%、女性が39.3%となっており、20歳以上では男性が41.0%、女性が59.0%と逆転しています。 例えば自閉症は男性に多く、うつ病は女性に多いなど病気の種類によっても性差があるものがあります。
日本においてもメンタルヘルスは話題になることの多い昨今ですが、日本は先進国の中でも非常に高い自殺率を持つ一方、精神障害の有病率は米国などと比べても低い、という特徴があるようです。 これは精神障害の徴候があっても、文化的に恥ずかしいなどとの気持ちから、なかなか受診につながらなかったり、精神疾患やその治療に対する誤解や偏見が多い、といったことから本来は精神科的な専門治療を受けるべき状態であってもなかなか受診につながらないといったことが挙げられるかと思います。 また、カウンセリングや自助グループなども日本においてはまだまだアクセスがしにくいという部分が原因ではないでしょうか。
最新のメンタルヘルスケアとは?
企業などにおいては、社員のメンタルヘルスケアを重視して、自分でできるセルフチェックを従業員に受けてもらうようにしたり、その結果を人事や上司、産業医などが共有出来たり、面接などに生かしたりできるような仕組みをもつシステムの導入も始まっています。 また、認知行動療法的なセルフケアを自分でも行うことができるようなセルフケアツールも開発されたりと、どんどん進化しています。
メンタルヘルスに関わる職業とは?
メンタルヘルスにかかわる職業というと、非常に幅が広く、職種も多くあります。 一例としては精神科の医師や看護師などのほか、臨床心理士、ケアマネージャー、精神保健福祉士、作業療法士、カウンセラーなど多岐にわたる職種があります。 そして、それぞれの得意分野をカバーしながらチームを作ってメンタルヘルスに支障をきたした患者さんをサポートしています。 また、学校においても学校心理士、スクールカウンセラーなどが大いに活躍していますね。
最後に医師から一言
メンタルヘルスは、近年話題になることの多い分野です。自分は大丈夫と思っていても、度重なる疲労や、ショック、落ち込みなどが重なったり、予期せずしてメンタルを病んでしまうことは誰にでも可能性のあることです。 おかしいなと思ったり、身近な人から指摘されたら、早めに病院を受診してみましょう。
(医師監修済み)