「夏の土用」心を引き上げ、体を引き締める簡単ダイエット!『四季に寄り添い、祈るように暮らす(連載第十三回)』

2019.7.19

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三浦奈々依 ( フリーアナウンサー )

フリーアナウンサー・神社仏閣ライター・カラーセラピスト。
ラジオ番組にて20年以上にわたり、音楽番組を担当。東日本大震災後、雑誌Kappoにて約7年にわたり連載「神様散歩」を執筆。『福を呼ぶ 四季みくじ』出版。カラーセラピストとしても全国で活動中。

今年も折り返しを過ぎて、少々お疲れ気味という皆さんも多いのではないでしょうか。日本では四季に寄り添う暮らし、旬のものをいただく食事法で、心と体を整え、健やかに生きようという考え方があります。

ちょうど今時季は、心と体の調整期間「夏の土用」。

そこで今日は、「夏の土用」におすすめしたい食材はもちろんのこと、書家の先生に教えていただいた言葉、そして、「心を引き上げ、体を引き締める簡単ダイエット」と題して、正しい呼吸法をご紹介します。心を引き上げることは、体を引き締め、運を引き上げることにつながりますよ。

今年の夏の土用は?

土用は季節ごとにあって、立春、立夏、立秋、立冬の前の18日間を「土用」と言います。以前、春の土用についてご紹介させていただきましたね。

「土用」とは、中国から伝わった二十四節気と違い、農業と照らし合わせてつくられた日本独自の季節の節目となる歴日。今年の「夏の土用」入りは7月20日(土)、土用の丑の日は7月27日(土)、8月7日(水)が土用明けとなります。

夏の土用に瞑想「独坐観心」

この土用の期間は、土を司る「土公神(どくしん)」という神さまが司るといわれ、土を掘り起こしてはいけないと言われていますが、夏の土用は年に4回ある土用の中で最も重要視されています

漢方薬・生薬認定薬剤師として活躍する村上百代さん曰く、ものごとの起承転結を季節で表すと、春・夏・土用・秋・冬の順番になるとか。

土建業では今でも土用を避けて工事を行うと言われていますが、この時季は、土いじりや土起こしをせず、なすがままに過ごす。人生でいうと、「世の中も人の心も常に変化をしていく。その中で静かに自分を見つめなおす」時季だそうです。

「独坐観心(どくざかんしん)」

これは、『福を呼ぶ 四季みくじ』で文字を書いて下さった書家の周玉先生に教えていただいた言葉。「ひとり座り、己の心を静かに見つめ直す」という意味があります。

茶の世界では「観心」ではなく「観念」という言葉が使われますが、茶会が終わり、お客様をお見送りした後、大老が煮えの落ちた釜を前にして客人のその後、今日の一会、自身について一人静かに思いを馳せる、という意味を持つ言葉。

その時間は、茶道の大切な心得とされています。

「夏の土用」の18日間、瞑想の時間をもうけてみませんか?

心を無にして、ひとり静かに自分を見つめなおす時間の中で、気づかされること、見えてくる思いがあるでしょう。

心を引き上げ、体を引き締める簡単ダイエット

実は、土用の時季はダイエットに良いと言われています。
下腹に力を入れて、美しい姿勢を保つだけでも、立派なダイエットになるんですよ。
私は発声法のレッスンも行っていますが、腹式呼吸を意識するとお腹周りのお肉もすっきり。

今日はどこでも簡単に出来る、正しい呼吸法をご紹介します。

まずは、姿勢を正して下さい。

そして、5秒かけて口から大きく息を吐きましょう。この時、お腹がどんどんへこんでいくのを感じて下さい。

吐ききったら、今度は鼻からゆっくりと息を吸い込みます。

10秒かけてゆっくりと息を吸い込みながら、下腹を突き出すような気持でお腹を膨らましていきます。

この時、へその下にある丹田に意識を向けて、重心を地面へ近づけるようなイメージを描くと良いでしょう。

これだけです。

息を吸う時間よりも、吐きだす時間を長めにとることがポイント

背筋をきちんと伸ばして、胸を張り、顎を上げた美しい姿勢は心を引き上げる力を持っています。

気持ちが落ち込んでいるときの自分を思い浮かべてみて下さい。姿勢も自然と前かがみとなり、肩が落ち、胸も狭まっていませんか?

また、緊張感やストレスを感じると、人は肩や胸だけで呼吸をするようになり、いつのまにか呼吸も浅くなっているものです。

仕事や家事の合間にほんの数分で構いません。お腹を使う正しい呼吸法を。
美しい姿勢、美しく立つ力が、私たちの心を健やかにしてくれるでしょう。

夏の土用におすすめの食材

夏の土用といえば、真っ先に浮かぶのが鰻。「土用の丑の日」に鰻を食べる習慣は、江戸時代に、ある鰻屋が、「本日土用丑の日」という張り紙を出したら店が大繁盛した、というのが始まりだそうです。

このアイディアを思いついたのは学者・平賀源内(ひらがげんない)。実は、鰻の旬は秋から冬。味が濃厚な旬の鰻と比べて、夏の鰻の人気は今一つでした。そこで、鰻屋が平賀源内に相談したところ、「丑の日だから『う』のつくものを食べると縁起がいい」という語呂合わせを源内が発案、今に受け継がれているのだそうです。

他にも、夏の土用におすすめの食材はたくさんありますよ。

栄養価が高いとされる土用卵胃腸を整え、夏バテを防止になる蜆。東洋医学では、「気」と「血」が体を巡り、バランスを取ることによって生命の活動が成り立つと言われているそうですが、枝豆は気血を補い、水の巡りをよくする、万人にとっての健康食人参も胃腸を丈夫にして滋養強壮に役立つと言われています。

そこで、5分で出来る人参サラダはいかがでしょうか?

人参をピーラーで薄くスライス。ごま油と粗塩を入れて軽く混ぜ合わせ、最後にすりごまをかければ、美味しいサラダの出来上がりです。

また、体と心を美しく潤したいという皆さんにおすすめしたいのが、高麗人参をブレンドした「薔薇人参烏龍茶」。

高麗人参は命を養う薬と言われています。私は、農薬、人口肥料不使用の体に優しい素材を使用した青森コノハト茶葉店の薔薇人参烏龍茶を愛飲しています。

冷えやむくみ、ホルモンバランスの乱れ、肌荒れに良いとされるお茶は、湯を注ぐと薔薇の香りがフワッと漂い、飲んだ瞬間、体が内側から温まる感覚が。エアコン等で体が冷えてしまうこの季節に、是非お試しください。

 

いかがでしたか?
「夏の土用」でしっかりと心と体の調整をして、2019年の夏を思う存分楽しみましょう。


『四季に寄り添い、祈るように暮らす』


次回は「夏の涼やかなしあわせ守り」と題して、涼を運ぶお話を。どうぞお楽しみに。

 

福ふく

 

参考文献 

村上百代『二十四節気に合わせ心と体を美しく整える』
三枝誠『大和なでしこ 整体読本』

三浦奈々依 のプロフィール

三浦奈々依

フリーアナウンサー・神社仏閣ライター・カラーセラピスト。

ラジオ番組にて20年以上にわたり、音楽番組を担当。

東日本大震災後、雑誌Kappoにて約7年にわたり「神様散歩」の連載を執筆。心の復興をテーマに、神社仏閣を取材。

全国の神社仏閣の歴史を紹介しながら、日本の文化、祈りの心を伝えている。

被災した神社仏閣再建の一助となる、四季の言の葉集「福を呼ぶ 四季みくじ」執筆。


http://ameblo.jp/otahukuhukuhuku/
アマゾン、全国の書店、世界遺産・京都東寺等で販売。


カラーセラピストとしても全国で活動中。
旅人のような暮らしの中で、さまざまな神社仏閣を訪ね、祈り、地元の人々と触れ合い、ワインを楽しむ。

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