11月27日の新月に出合う、隠されているあなたの本心『四季に寄り添い、祈るように暮らす(連載第三十回)』

2019.11.25

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三浦奈々依 ( フリーアナウンサー )

フリーアナウンサー・神社仏閣ライター・カラーセラピスト。
ラジオ番組にて20年以上にわたり、音楽番組を担当。東日本大震災後、雑誌Kappoにて約7年にわたり連載「神様散歩」を執筆。『福を呼ぶ 四季みくじ』出版。カラーセラピストとしても全国で活動中。

今時季は、雨が雪へと変わっていく季節といわれています。

ですが、温暖化が進み、この時季になっても暖かい日が続いていますね。

朝の散歩で、道端に落ちていた山茶花の花びらと真っ赤な紅葉をひろって酒器に。

なんとも美しい自然の彩に心癒されています。

さて、11月26日頃までは、七十二候の「虹蔵不見(にじかくれてみえず)」の時季。

AGLAでもご紹介させていただきましたが、11月12日から二泊三日で、出雲大社神在祭へ。出雲へ発つ朝、帰りと、青空にかかる虹を見ました。当日は、北島国造館の「亀の尾の滝」に小さな虹がかかり、まさに、虹尽くしの旅でした。

先週は冬型の気圧配置となり、北日本では雨や雪が降ったり、日差しが出たりと、変わりやすい天候になったことにより虹ラッシュが起きましたね。仙台に戻ってからも、空を見上げると七色の虹という日が続き、ワクワクしました。

でも、この時季の虹はもしかしたら今年出合う最後の虹、虹の見納めになるかもしれません。

さて、七十二候「虹蔵不見(にじかくれてみえず)」に続いて、新暦11月27日~12月1頃までは「朔風払葉(きたかぜこのはをはらう)」。

真っ赤に色づく紅葉とは対照的、公園の桜の木は少し寂しげでした。

この時季は北風に木の葉が吹き飛ばされ、葉で覆われていた木々が根幹をあらわす時です。

まさに、27日に生まれる新しい月は木の葉を吹き飛ばす風のように、私たちの状況を曖昧にしていた覆いのようなものを払いさり、隠れた本心を露にする力をもっているそうです。

今日は、星学のプロフェッショナル、阿部小百合先生に11月27日に生じる新月について読み解いていただきます。

キーワードは、「木の高い所にいる老いたフクロウ」です。

あなたの本心を見つめるフクロウとは?

11月26日から27日へ日付が変わる夜中の12時頃、射手座で新月を迎えます。

月の満ち欠け、太陽の動きといった天体の観測のもとに季節の訪れを告げる旧暦の暦でいえば、一カ月の始まりは新月の日。射手座新月は「霜月(しもつき)」の始まりです。

「霜月」は一年で最も夜の時間が長い月。夜がもたらす闇の時間が長くなると、私たちの心は自然と内側へと向かっていきます。すると、暖かい季節には見えなかった‘本当の自分の気持ち’と出合うことになるのです、と阿部先生。

1925年にアメリカのマーク・エドワード・ジョーンズと詩人のエリス・フィラーによって誕生した占星術サビアンでは、牡羊座1°から魚座30°まで各星座の1度1度の意味を360通りのシンボルで表していますが、この新月のタイミングのシンボルは「木の高い所にいる老いたフクロウ」。

夜行性のフクロウは、昼はもちろん、夜の闇の中でも目が見えます。そして、高い木に止まって森全体を見渡しているのです。闇に紛れて身を隠そうとしても、フクロウの目は決して誤魔化すことは出来ません。

フクロウが見つめているのは、紛れもないあなたの本心です。

新月が露にするもの

月は無意識を司ります。

特に、月の姿が目に見えない新月の頃は、目に見えない「心」を意識しやすくなると言われています。目に見えない新月と、「木の高い所にいる老いたフクロウ」というシンボルが交差するこの時季。

11月27日の新月は、私たちの隠れていた本心や曖昧だった状況を露わにするかもしれません。また、嘘や秘密、隠しごとが暴露されることもありそうですから、ご注意を。

仕事や恋、人間関係において、曖昧な状況を抱えている人は、白黒ハッキリさせるよう決断を迫られるかもしれませんし、あなた自身が、「いい加減はっきりさせよう!」と、何かを決意したり、自分の心にうそをつく生き方はもう終わりにしようと、新たな道を模索し始めるかもしれません。

水面下にあったものが表面化した時、人の心は揺さぶられますね。

そんな時は「フクロウの目線になって、物事や状況を超然と見つめましょう」と、阿部先生。

高い木の枝から森全体を見渡しているフクロウは、細部にとらわれることがありません。

ただ超然と森を見守っているのです。そうすれば、一時的な感情の揺らぎが鎮まり、状況を客観的に見ることができるようになります。

この時季はすべてにおいて、感情にとらわれず、冷静に物事や状況を見つめ、判断することが大切です。

また、物静かなイメージの強いフクロウですが、実は猛禽類。高い木の上から広い森を一望し、静かに獲物を探します。そうして、音もなく飛び、獲物を捕らえることから‘森の忍者’と呼ばれることも。フクロウの狩りに無駄な動きはないのです。

この新月の時季、私たちも、目の前の小さなことにとらわれず、広い視野を持ってすべてを見つめましょう。然るべきタイミングで物事を遂行する、フクロウを見習って。

11月27日の新月に心がけるべきこと

今回の新月は、射手座で生じます。

射手座の星の形は、的に向かって矢を射る姿をしています。遠く高い目標に向かって、真っすぐに進もうとする星座、それが射手座。

新月は、太陽・月・地球が直線的に並び、潮の満ち引きが大きく大潮となるため、満月同様、最も潮汐力(ちょうせきりょく)が強い時。

実は、人間関係のリセット、心機一転仕切り直しを図る、心身の浄化に最適な時といわれています。

月初めである一日に神社を参拝する朔日参りや、自然豊かな場所でゆっくりと深呼吸をするのもいいでしょう。また、夕食は軽めのスープなどでプチ断食をすると、心と体が軽くなります。

気がつけば、今年も残り一カ月ちょっと。

新月のこの時季、‘高い木の上のフクロウ’のごとく、ただ超然と森を見守るかのように、物事や状況を見つめることにより、A案でもB案でもない、C案が浮かんだり、広い視野を持って未来を見つめ、選択することにより、恋も仕事も、世界がいっきに開けていくかもしれません。

目の前で起こるさまざまな状況、出来事の向こうに待っている、あなたの未来。

フクロウが佇む森。それは、あなたの人生です。

 

<阿部小百合プロフィール> 

精神科学研究室「シルフェ」主宰 星学コンサルタント養成講座講師
HP:http://sylphens.com/ 
ブログ:https://ameblo.jp/tori9494/

三浦奈々依 のプロフィール

三浦奈々依

フリーアナウンサー・神社仏閣ライター・カラーセラピスト。

ラジオ番組にて20年以上にわたり、音楽番組を担当。

東日本大震災後、雑誌Kappoにて約7年にわたり「神様散歩」の連載を執筆。心の復興をテーマに、神社仏閣を取材。

全国の神社仏閣の歴史を紹介しながら、日本の文化、祈りの心を伝えている。

被災した神社仏閣再建の一助となる、四季の言の葉集「福を呼ぶ 四季みくじ」執筆。


http://ameblo.jp/otahukuhukuhuku/
アマゾン、全国の書店、世界遺産・京都東寺等で販売。


カラーセラピストとしても全国で活動中。
旅人のような暮らしの中で、さまざまな神社仏閣を訪ね、祈り、地元の人々と触れ合い、ワインを楽しむ。

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