「香り」を味方に!大人女子のたしなみ 〜 文香 〜 『香りと暮らし、和をたしなむ(連載第一回)』

2020.3.3

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多田博之・晴美 ( 香司 )

FOUATONS aroma&herb・お香school 主宰。夫妻ともに薫物屋香楽(たきものやからく)認定香司。福岡と宮崎の教室を拠点に、NHK文化センターの講師として、九州各地と広島県にて天然香料にこだわったお香教室を開催。

春を告げる花が、寒かった季節の終わりを告げ、私たちにも「さあ、はじめましょう」と後押ししてくれるようです。

はじめまして 香司(薫物屋香楽認定)多田晴美です。

心と体を調えるアイテムとしての「香り」をテーマに、今回から「香りと暮らし、和をたしなむ」というタイトルでお香について綴ってまいります。

「香り」の力に魅せられる

''香りがココロと体をサポートしてくれる''ということを知ったのは、私が仕事、育児、両親との同居で毎日忙しくしていた頃でした。

知人に紹介されたことがきっかけとなり、アロマテラピーメディカルハーブの勉強を始めました。

日常でそれらを活用する中で様々な成果を感じはじめた私は、「もっと早く知っていれば、多忙だった当時でも家族に対して、もっとできることがあったはず」と、残念に思ったのです。

これまで得て来た私自身の経験に基づき、今はアロマテラピーやメディカルハーブの活用方法を知って頂きたいという思いで、看護科の学生や、若い世代でこれからママになる皆さんへ向けて、講座を通して発信を続けています。

アロマテラピーとメディカルハーブとの出会いのあと、さらに私の探究心は深まりました。メディカルハーブのジャンルの1つである、スパイス系ハーブと生薬の共通点から、お香にも関心を持つようになったのです。

何よりも、私の夫がお香を先に学んでいたことが大きなきっかけとなったのです。お香を活用する生活になったことで、心がとっても穏やかになりました。

文香の魅力

現代は通信手段が発達し、文章を手書きでしたためる機会が少なくなりました。

SNSは便利で迅速です。文字を書くのが苦手な人でも美しい文章を綴ることが出来ます。

唯一、ネット上の空間で出会えないものが「香り」です。

皆さんは、「文香(ふみこう)」をご存知でしょうか?

文香とは、小さな和紙袋などに香りを詰めて手紙に同封したり、あらかじめ便箋などに香りを移すために用いるお香です。

あらためて手紙を書くシーンがめっきり減ってしまいましたが、別れや出会いの多いこの季節、ここぞという時に手紙を書き、文香を添えてみてはいかがでしょう。

相手の方への印象も、深く残ることでしょう

メールのやりとりは平安時代もマスト

平安時代の貴族の生活や、香りの表現が多くでてくる「源氏物語」。この時代は男女のやりとりにも文が欠かせないものでした。

特に意中の方に会えるまでの時間のかかること、かかること。ここでも「香り」は大切な役割を果たすのです。

筆の腕前もさることながら、紙の質や季節の花を添えたり、文にも香りを焚きしめます。

ここに注ぐエネルギー?!、想いは並大抵ではありません。

源氏物語の光源氏を取り巻くお香についてのエピソードも面白いんですよ!

この時代の香りについては、これから少しずつご紹介していきたいと思います。

お香といえば白檀

お香といえば、もっとも知られている香原料は白檀でしょうか。

やさしくて甘みを感じる心が穏やかになる香りです。

アロマテラピーではサンダルウッドという名前で登場します。

いずれも資源の枯渇という差し迫った事実もあります。

昔は仏像、調度品、扇子など細工が施された美しいものも目にすることがありましたが、今ではすっかり見かけなくなりました。

扇子も老舗香店で見かけましたが、かなり高価で手が出なかったほどです。

そうすると、お香として楽しめるのも永遠ではないんだなぁ...という思いと、大切にしないといけないなぁ...という思いに至るのです。

デイリーに使いこなす

それでは、文香の日常での活用法をご紹介します。

おすすめは先に挙げた「手紙に添える」ですが、他に「名刺入れに忍ばせて香りを移す」もすぐにできる方法です。

名刺交換の際、私の渡した名刺は「いい香りですね」と、しばらくその方の手から離れないこともよくあります。

初対面で話のきっかけが掴めない時にも、香りの話題から話が広がっていくかもしれませんね。

さぁ、香りを味方にして一歩前へ、歩み出ましょう。

 

お香体験講座でのおはなし

以前、体験講座で文香を作られた方がリピートして来てくださいました。

その時に、3ヶ月ほど経過した文香をバッグから取り出して、皆さんに見せてくださいました。

「わぁ〜、甘い香りですね〜」

そうなんです!香りは時間と共に変化しているんですね。限りはありますが、その儚さもまた美しいのです!

 

いかがでしたか?

お気に入りのレターセットやカードケースを新調したくなって頂けたかしら?

次回は「お清めの香り塗香」についてお話させていただきます。
どうぞ、お楽しみに。

多田博之・晴美 のプロフィール

多田博之・晴美

【多田博之】

FOUATONS aroma&herb・お香school 主宰
薫物屋香楽認定教授香司
歯科医師

宮崎市にて21年間開業医として地域医療に携わる。偶然に出会ったお香の魅力に惹かれ、平日は診療、週末は東京にてお香の勉強を繰り返したのち、50歳の時に閉院しお香の活動に専念する。

現在、福岡と宮崎の教室を拠点に、NHK文化センターの講師として、九州各地と広島県にて天然香料にこだわったお香教室を開催。また香木の香りの素晴らしさや香道の魅力を伝えてたいと思い、御家流香道の研鑽を積んでいる。

平安期のお香の使われ方を勉強するなかで、紫式部の「源氏物語」に興味をもち、講座では、香道や源氏物語の視点も交えて伝える。

また、薫物屋香楽認定教授香司として、香の知識や技能をさらに深め、和の香り文化とお香づくりのスペシャリスト(香司)の育成に努めている。

【多田晴美】

FOUATONS aroma&herb・お香school
華結び組乃香 主宰
薫物屋香楽(たきものやからく)認定香司

アロマインストラクター、ハーバルセラピストを経て「香司(こうし)」として 香りの楽しみ方や使い方を紹介。

ハーブのもつフィトケミカル成分が、健康や美容など様々なジャンルで注目され、特にスパイス系ハーブは生薬との共通性があり、大陸から伝わったとされる「お香」の 香原料ともなっている。

日本の歴史や習慣に深く関わり、人々の心を癒してきた文化としての「香り」を「和」の心とともに普及する活動を福岡県や、宮崎県を基盤に全国で展開。

趣味と実益をかねて日本三芸道の一つ「香道(御家流)」や、室内を飾る「飾り結び」も研鑽中。 天然香料を使ったお香作りの講師として、メディアなどで香りの魅力と素晴らしさを発信している。


ホームページ→ https://www.fouatons.org/
Facebook→ https://www.facebook.com/miyazakifouatons/


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