コロナに負けない!薬に頼らない春の養生法 『 四季に寄り添い、祈るように暮らす(連載第四十六回)』

2020.4.3

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三浦奈々依 ( フリーアナウンサー )

フリーアナウンサー・神社仏閣ライター・カラーセラピスト。
ラジオ番組にて20年以上にわたり、音楽番組を担当。東日本大震災後、雑誌Kappoにて約7年にわたり連載「神様散歩」を執筆。『福を呼ぶ 四季みくじ』出版。カラーセラピストとしても全国で活動中。

日本中が桜の花に包まれる今は、季節でいえば晩春。

今年は新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、桜を愛でながらみんなで花見酒を楽しむことも自粛ですね。寂しいなと思いながら歩いていた並木道で、桜が花笑んでいました。

新型コロナウイルス感染が中国で初めて確認されてから、3ケ月あまり。

一日も早い終息を願うばかりです。

さて、東洋医学では春夏秋冬、自然の流れにそって生きることが最高の健康法といわれています。

皆さんは季節ごとに養生法があることをご存知ですか?

今日は、お腹で皆さんのストレス度もチェック。薬に頼らない、春の養生法をご紹介します。

発陳(はっちん)の春

発陳の「陳」には古いものという意味があり、「発陳」は、冬の間に溜まった古いものを体の外に出すという意味。

冬の間、雪の下に隠れていた命が芽吹き、活動的になるのが春ですね。そんな自然の巡りにそって、春は人も活動的になっていきます。

新型コロナウイルス感染の不安を抱きながらの毎日は色々と制約されることも多く、春という芽吹きの季節と逆行していますので、ストレスを強く感じる人が圧倒的に多いでしょう。

不安からくるストレスを軽減するために大切なこと。

それは、体内時計のリズムを整え、バランスのとれた食事、適度な運動を心がけることです。

ストンと眠りにつくための入浴法

体内時計を整えるためには、早寝早起きではなく、早起き早寝の順番が大切です。

日の出とともに起きることが理想といわれますが、この時季の東京の日の出時刻は午前5時30分前後。早起きを心がけて、まずは体内時計を整えましょう。

不安から不眠症になる方も多いといわれますが、夜遅くまでメディアで取り上げられているコロナにまつわるニュースを見て、悲観的な気持ちのままベッドに入るという生活では良質な睡眠は得られません。

心が不安定になっている時は、思い切って情報に距離を置いてみることもひとつだと思います。

良質な睡眠を得るためにおすすめしたいのは、眠る1時間前の入浴。

38℃~40℃のぬるめのお風呂に20分程度つかり、じっくり体を温めることによって、心と体の力がゆるみ、ストンと眠りにつくことが出来ます。

さらに半身浴なら代謝もアップして、美肌効果や冷え性の解消も期待できますよ。

空気を浄化するエッセンシャルオイル

眠る前に私が愛用しているエッセンシャルオイルは、空気を浄化するトドマツの力を生かした、心を穏やかにする爽やかな香りが心地よい@aromaのC08 ラベンダーハーブ。

https://store.at-aroma.com/top.html

トドマツとは、北海道の森を代表するモミの木の仲間です。

天然のトドマツオイルは、自動車の排ガスなど、空気の汚れ成分であるNO2(二酸化窒素)を除去し、きれいな空気を作り出すといわれ、こちらのエッセンシャルオイルは花粉の季節のケアはもちろん、空気の入れ替えができない場所や、空気がこもりがちな空間に香らせると、清潔な空気環境を作り出します。

凛とした冬の空気と、緑広がる豊かな森。ふたつの季節を感じられる美しい香りです。

是非、香りに癒されて良質な睡眠を。

いいこと尽くめの「サキベジ」


「食をおろそかにすると生活が乱れて、すべてのいのちに鈍感になります。食を大切にする人は、人も大切にします」

これは、私が尊敬する青森のマザー佐藤初女さんの言葉です。こういう時だからこそ、食にも意識を向けましょう。

ストレスがたまると、ストレスホルモンが増加し、血糖値が上がりやすくなるといわれています。

糖質の摂りすぎは肥満にもつながりますので注意が必要ですね。

半年程前、仕事でお世話になっている方がプチ糖尿病になり、食生活を改善。

それによって血糖値が下がり、体重も落ちて、さらに肌の透明感も増していました。

毎日の生活の中で心がけたことは、毎食前にカット野菜を食べる「サキベジ」だそうです。

朝昼晩と、まずはサラダ、小松菜やほうれん草などのおひたしを食べてから、ご飯やおかずを食べるという食事法。

ベジタブルを先に食べるから、「サキベジ」。

満腹感も得られ、ヘルシー。実践しない手はありませんね。

そしてもうひとつ、お医者様にすすめられたのが1日大さじ1~3杯、水で割って飲む「レモン酢」だそうです。レモンのクエン酸と酢の酢酸のクエン酸サイクルの働きによって、体の代謝がアップ。

疲労回復、肥満解消、美肌効果が期待できるという天然のお薬。

私もレモン酢を愛飲しています。これがまた、美味しい!簡単に作ることができますよ。

今日はレモン酢のレシピをご紹介しましょう。

【準備するもの(出来上がり800ml分)】

レモン:2個
酢:400ml (米酢、玄米酢、穀物酢、りんご酢等)
氷砂糖:180g
保存瓶


レモンはお湯をかけながら、皮の表面をたわしでゴシゴシと洗い、ペーパータオルで水分をよくふきとります。無農薬レモンがベストです。

レモンは1cmの輪切りにします。

保存瓶にレモンと氷砂糖を投入。ふたをして、常温で二週間以上置きましょう。

常温で1年間、保存可能です。皮つきのままレモンを漬けることによって、果肉と皮の成分が丸ごと摂取できます。私はレモン3個を使って作っています。

レモン酢として飲むことはもちろんですが、レモン酢に塩こしょうを加えドレッシングに。また、レモンの皮を細かく刻んでサラダと和えても美味しくいただけます。

「サキベジ」と「レモン酢」で、健康と美しさに磨きをかけませんか?

皆さんのストレス度をチェック

さて、今日は皆さんのストレス度をチェックしてみましょう。

おへその下の5センチ下にある丹田(たんでん)と、みぞおちを触ってみて下さい。

丹田は、おへその下に人差し指をあてて、そのまま残りの指をそえていった時の小指があたるところです。その奥に丹田の中心があるといわれています。

みぞおちは、お腹の上のくぼんだ部分。

それぞれ触ってみていかがですか?

理想的なのは、丹田は弾力があってかたく、みぞおちは弾力があってやわらかいこと。

現代人には、みぞおちがかたくなっている人がとても多いそうです。

人間が気絶した時、みぞおちはカチカチにかたまってしまうそうですが、「現代人は過剰なストレスを受けて、半分気絶しているような状態で暮らしている人が多い」と話すのは、整体生活研究家の三枝誠さん。

コロナ疲れで、みぞおちがかたくなっている人が多いのではないでしょうか。

そういった皆さんは腹式呼吸を毎日の生活に取り入れましょう。

まずは、鼻から大きく息を吸い込んで。

お腹が膨らむまで息を吸ったら、1秒から2秒、息をとめて、「はあっ」と声を出しながら大きく息を吐き出します。

これだけです。

この動作を何度か繰り返すだけでも、だいぶ気持ちが落ち着きます。

また、ひどく驚いたり、動揺した時、人間の横隔膜は上に上がってしまいます。

横隔膜が上がることで心臓に近づきますから、胸がドキドキするように感じるのです。

こういった状態をクールダウンするために効果的なのも、腹式呼吸。

ただし、体が冷えていると、腹筋がゆるみにくいため、半身浴で体を温めたり、好きな音楽を聴いてリラックスした状態で腹式呼吸を。

コロナに負けない!


先日、お世話になっている皆さまに、会津若松の起き上がり小法師をお送りしました。

転んでもすぐに立ち上がる、粘り強さと健康のシンボル。

とある幼稚園の園長先生から、「感染への心配や日常生活の不自由さがある中で自然に育まれている、当たり前と思っていたことが当たり前ではなかったという気づきや、自分が罹患してもいけない、他人に罹患させてもいけないという思いやりの心が、子どもだけでなく、大人の心も成長させてくれているのかなと思います。私も起き上がり小法師を見習って、こけたら、また立ち上がります」

というお礼メールをいただき、温かい気持ちに……

人と会って元気をもらったり、癒されたり。そんな何気ない時間の大切さを、しみじみ思う今日この頃。不自由な生活の中で育まれるもの、今できることを大切に、不安と上手につきあっていきましょう。それが、コロナに負けない底力になると信じて。

参考文献 

『糖尿病が劇的によくなる本』
村上百代『二十四節気に合わせ心と体を美しく整える』
三枝誠『大和なでしこ 整体読本』

三浦奈々依 のプロフィール

三浦奈々依

フリーアナウンサー・神社仏閣ライター・カラーセラピスト。

ラジオ番組にて20年以上にわたり、音楽番組を担当。

東日本大震災後、雑誌Kappoにて約7年にわたり「神様散歩」の連載を執筆。心の復興をテーマに、神社仏閣を取材。

全国の神社仏閣の歴史を紹介しながら、日本の文化、祈りの心を伝えている。

被災した神社仏閣再建の一助となる、四季の言の葉集「福を呼ぶ 四季みくじ」執筆。


http://ameblo.jp/otahukuhukuhuku/
アマゾン、全国の書店、世界遺産・京都東寺等で販売。


カラーセラピストとしても全国で活動中。
旅人のような暮らしの中で、さまざまな神社仏閣を訪ね、祈り、地元の人々と触れ合い、ワインを楽しむ。

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