2020.5.8
腸と脳をリラックスさせて、しあわせ度を高めよう 『四季に寄り添い、祈るように暮らす(連載第五十一回)』

立夏を過ぎ、暦の上では夏ですね。
ついこの間まで、肌寒い日々が続いていたと思ったら、急に暑くなり、少し戸惑い気味の私です。今朝、いつものように朝の散歩へ出掛けたら、公園の至る所に春の名残が。少し切なくなりました。
長く続いているおこもり生活の中でストレスがたまり、食べる量に加え、飲酒の量も増えているという方も多いでしょう。
そういった生活は、腸に負担をかけます。腸の不調は、病気はもちろんのこと、肌の老化、うつや不安症の原因につながるとも言われているので注意が必要ですね。私は腸の不調により、二度ほど入院しました。ですから、腸の力を高める必要性を痛感しています。
今日は、腸と脳によい簡単なリラックス法や、夏にぴったりなブルガリア料理の美味しいレシピもご紹介します。
日本の女性の死因ナンバー1は「大腸がん」
国立がん研究センターの調査によると、2018年の死亡者数が最も多い部位は、女性は大腸、男性は肺です。その理由は、食生活や運動不足など・・・。
定期的に検査を受けてポリープなどの異常がないかチェックすることはもちろん、生活の見直しを図ることが必要です。
私は入院時、女性のお医者様に食の徹底指導を受けましたが、「ちょっと食べすぎた」「飲みすぎたな」と思った翌日は、負担をかけた体を労わるつもりで、食やお酒をセーブすることが大切だと教わりました。
これをしちゃダメ、とあまりに気合を入れすぎると、「続きませんよ~」と言われ、納得。
京都府立医科大学のお医者様によると、動物性たんぱく質の摂りすぎを控える意味で、肉類は1日80グラムまでに抑え、逆に、野菜やイモ類を1日350グラム以上摂取するのが理想だそうです。
また、運動でいえば、1日30分程度のウオーキングを。
お酒に関しては、1日1合まで。お酒を飲んだ翌日、下痢をするようであれば飲みすぎのサイン。
お酒の力を借りて心と体の緊張をゆるめよう、という意識でお酒をいただくと、自然とお酒の量もセーブできるかもしれませんね。
腸と脳のコミュニケーション
腸と脳は親友のような関係。常にコミュニケーションをとっています。
よく、ストレスが原因でお腹を壊すことがありますが、腸の不調はダイレクトに脳に伝わり、うつや不安症につながることもわかっているそうです。自粛の生活の中で、ただでさえストレスがたまりやすいとき。ストレスを感じたら、腸にやさしい生活を心がけて下さい。
さて、腸と脳によいリラックス方法はいくつかあります。
ひとつは、運動です。
体温が上がるくらい体を動かすこと。
1日30分程度のウオーキングをおすすめしましたが、3歩目を大股で歩く「3歩目大股歩き」をぜひお試し下さい。
スーパーなどへのお買い物も、「いちにっさん、いちにっさん」と、リズムをとりながら、3歩目は大股で。最初はリズムがつかみにくいかもしれませんが、慣れてくると楽しくなります。雑誌で紹介されていて、以降、私も意識するようになりました。
記憶の脳トレ「回想法」
楽しかった昔のことを思い出す時間も、腸と脳をリラックスさせてくれます。
アメリカの精神科医ロバート・バトラー氏が提唱した心理療法が元になって生まれた「回想法」は、記憶の脳トレとも言われ、認知症やうつ病、記憶障害の症状改善に役立てられています。
年齢を重ねると、新しいことがだんだんと覚えられなくなっていきますね。
でも、昔聴いていた懐かしい音楽や、香りに触れた瞬間、当時の思い出がありありと蘇ってくる。
思い出とともに昔の感情が蘇ると、自然と脳は活性化すると言われています。
おすすめなのは、楽しかった時代に聞いていた音楽を聴くこと。
ドラマの主題歌や、映画音楽を聴くのもいいかもしれません。
私は最近、「8時だヨ!全員集合」のエンディングテーマ、ババンババンバンバン♪を聴いています。大好きだった志村けんさんを偲んでという気持ちもありますが、イントロが流れてくると、テレビの中のドリフターズに合わせて、パジャマ姿で妹と一緒に踊っていた幼い頃の思い出が蘇り、自然と笑顔になれるからです。
皆さんの心に浮かんだのは、どんな曲でしょう?懐かしい音楽を聴いて、記憶の脳トレしませんか?
さわやかなヨーグルトスープ「タラトル」
ヨーグルトが持つ力。それは、整腸作用だけではありません。免疫力アップやコレステロール値の抑制など、さまざまです。
ヨーグルトをたくさん食べる国と言えば、ブルガリアですね。
ブルガリア国民にとってヨーグルトは、私たち日本人の米や味噌、醤油と同じ国民食。ヨーグルトはケーキやサラダ、肉料理など、さまざまなものに使われています。
私はよく、きつね色に焼いた鶏肉をグリーンサラダにのせて、ヨーグルトとマヨネーズを同量であえたお手製のドレッシングをかけて、さっぱりサラダを作っています。
ヨーグルトを使った料理は体と心がクリーニングされるような気がして、定期的に作っているのですが、最近はまっているのがブルガリアの夏の定番料理「タラトル」。
ご存知ですか?
家族みんなが笑顔になること間違いなしの、さわやかなヨーグルトスープ「タラトル」のレシピをご紹介します。
無糖ヨーグルト 200~250g
*ヨーグルトはキッチンペーパーを敷いたザルを置き、冷蔵庫で一晩放置を。クリーミーなコクが生まれます。水受けに残った水分には乳酸菌がたっぷり含まれていますので、ハチミツを入れてドリンクとしてお飲み下さい。
冷水 300ml
きゅうり 1本
くるみ 5g
ディル 少々(パセリでも美味しいです。無しでもOK)
すりおろしニンニク 1かけ(もっと少な目でもよいでしょう)
オリーブオイル 大さじ1
塩 小さじ1
2:ディル、くるみはみじん切りに。
3:無糖ヨーグルトと1と2、すりおろしニンニクと塩をボウルに入れて混ぜます。
4:冷たい水を加えてかき混ぜます。あとは冷蔵庫で30分ほど冷やして下さい。
お好みで黒コショウを。水の量を減らしても美味しいです。
5:器に移し、オリーブオイル、黒こしょうをトッピングしたら完成です。
近所のスーパーにディルが売っていなかったので、今回はパセリでタラトルを作りました。
さっぱりとした冷たいヨーグルトスープはこれからの季節にぴったりです。
是非ご賞味ください。
腸を守り、腸の力を高めると、心と体のしあわせ度もアップすると思います。
今日から腸にやさしい生活を心がけて、腸の力を鍛えましょう。
参考文献
『日経ヘルス プルミエ』/ 全身アンチエイジングの鍵「腸」のチカラ
三浦奈々依 のプロフィール

フリーアナウンサー・神社仏閣ライター・カラーセラピスト。
ラジオ番組にて20年以上にわたり、音楽番組を担当。
東日本大震災後、雑誌Kappoにて約7年にわたり「神様散歩」の連載を執筆。心の復興をテーマに、神社仏閣を取材。
全国の神社仏閣の歴史を紹介しながら、日本の文化、祈りの心を伝えている。
被災した神社仏閣再建の一助となる、四季の言の葉集「福を呼ぶ 四季みくじ」執筆。
→ http://ameblo.jp/otahukuhukuhuku/
アマゾン、全国の書店、世界遺産・京都東寺等で販売。
カラーセラピストとしても全国で活動中。
旅人のような暮らしの中で、さまざまな神社仏閣を訪ね、祈り、地元の人々と触れ合い、ワインを楽しむ。