秋の美人のすすめ ~紅葉狩り~ 『四季に寄り添い、祈るように暮らす(連載第六十八回)』

2020.11.27

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三浦奈々依 ( フリーアナウンサー )

フリーアナウンサー・神社仏閣ライター・カラーセラピスト。
ラジオ番組にて20年以上にわたり、音楽番組を担当。東日本大震災後、雑誌Kappoにて約7年にわたり連載「神様散歩」を執筆。『福を呼ぶ 四季みくじ』出版。カラーセラピストとしても全国で活動中。

紅葉の便りは北の国から届きます。

木々が赤や黄色に染まる錦秋。紅葉前線は北から南へと南下していきます。

私が暮らす仙台は散紅葉(ちりもみじ)が美しい季節になりました。秋はもう終わりです。

地域によって紅葉の見頃は変わりますが、皆さんが暮らす街はいかがですか?

その昔、野山の木々を鮮やかに染め上げるのは龍田姫の力であると信じられていたそうです。

龍田姫は秋を司る女神です。

平城京の西にある龍田山を神格化したとされ、西の方角が秋にあたることが所以とされています。

『福を呼ぶ 四季みくじ』に収められた『龍田姫』のカードは、麗しの大吉カード。

このカードには思い切ったイメージチェンジをして「美運」を呼び込もうというメッセージが込められています。

着飾って、ワクワクした気持ちで街を闊歩しよう!という美の冒険を促すカード。

かわり映えしない毎日は私たちから、若さと美しさを奪っていきますね。

いつもの景色を一変させる龍田姫の力を借りて、今こそ魅力と運に磨きをかけませんか?

今日は紅葉のお話です。

 

私が暮らす街 仙台の奥座敷 秋保の紅葉

11月中旬、仙台からバスに乗って秋保温泉へ出掛けました。

こちらの歴史は古く、古墳時代にさかのぼります。

第29代欽明天皇が小瘡(皮膚病)を患った時、秋保から運ばせた湯で湯浴みしたところ、それが完治したと云われ、その効能を賞賛し「御湯」の称号を授かったという歴史ある温泉。

かの伊達政宗公も秋保の地を度々訪れ、その疲れを癒したという記録も残っています。

秋保温泉の覗橋(のぞきばし)から見た景色です。

お気づきになりましたでしょうか?

名取川に架かるアーチ型の橋から下を覗くと、自然に出来た「ハート型の岩のくぼみ」が見えます。恋人の聖地と呼ばれるロマンティックな観光名所です。

磊々峡(らいらいきょう)は秋のビューティーシーズンを迎えていました。

湯につかり磊々峡を散策する時間の中で、体中の細胞が生き返っていく、そんな気がしました。

無意識にためこんでいるストレスの大きさを実感。自然に抱かれる時間は、心のご馳走になりますね。

残念ながら秋保の紅葉は終わりですが、紅葉前線は北から南へと移動。

紅葉狩りは、まだもう少し楽しめます。

 

紅葉の言の葉たち

 

銀杏紅葉(ぎんなんもみじ)

「銀杏紅葉(ぎんなんもみじ)」と言えば、明るい黄色のこと。

先日参拝に出かけた神社に大きな銀杏の木があって、ハッとするほど美しい黄色に目を奪われました。

紅葉が少しずつ深まっていくこの時季。

黄色と緑の対比が爽やかで、しばし足を止め、木々を眺めた私です。

 

桜紅葉(さくらもみじ)

花がない桜もいいものです。

桜と言えば春と思っている方が圧倒的に多いと思いますが、実は紅葉も美しいことをご存知でしょうか。

「桜紅葉(さくらもみじ)」という言葉があるように、桜は古くから秋の紅葉も観賞されてきました。特に、光を浴びた桜の葉はやさしげな赤をたたえています。

色づいた葉を落とし、冬を越え、あと半年もすれば淡いピンク色の花を咲かせるんですね。

自然の命の営みは、美しい奇跡を私たちに見せてくれます。

 

黄落(こうらく)

「黄落」と言えば、黄色く染まった葉が落ちていくことを言います。

銀杏並木の黄色い葉が風にハラハラと舞い、道路が一面黄色く染まる季節も味わい深いですね。

銀杏の落ち葉は、まるで大地で光を放つ太陽みたいだなと思います。

 

色見草(いろみぐさ)

「もみじ」という言葉は「揉み出(もみず)」という動詞が由来とされます。

草木が色づいたさまを「もみじ」と言いますね。次第に美しく紅葉する楓のことを「色見草」と言うようになったそうです。

太陽の光を受けてきらきらと照り輝くさまは、照紅葉(てりもみじ)。

私個人としては、雨に濡れてしっとり艶やかな色見草も素敵だと思います。雨の紅葉の季語は見当たらず、私は「紅葉雨」と呼んでいます。

 

この世でもっとも美しい争い 

秋を司る女神が龍田姫なら、春を司る女神は佐保姫。

奈良の佐保山が春の方角である東に位置することから、その名がついたそうです。

春秋の争いとよく言いますが、『源氏物語』では、光源氏の妻である紫の上と、かつての愛人の娘で養女である秋好中宮(あきこのむちゅうぐう)とが春秋の優劣を競う風流な挑み合いを繰り広げました。

秋好中宮が紫の上に争いを望んだとき、「心から春まつ そのわがやどの紅葉を 風のつてにだに見よ(春をごひいきのあなた せめてわがやの秋のみごとさを 風のたよりにでもごらんください)」という和歌とともに、秋の花と紅葉を贈りました。

その争いの結末も、また雅。

紫の上は春になり、宴を開いた際、金の瓶に山吹の花、銀の瓶に桜の花を用意して、それぞれ蝶と小鳥に扮した子どもたちと一緒に船に乗せて、宴に参加できなかった秋好中宮に贈ります。

春の桜も華やか、燃え立つような秋の紅葉も艶やかで美しい・・・

春と秋には、普段見慣れた景色を一変させる特別な力がありますね。

 

 

参考文献

 『お家で楽しむ デイリーおみくじ「福を呼ぶ 四季みくじ」』
三浦奈々依(文)、観瀾斎(絵)、栗原周玉(書):プレスアート(発行)『二十四節気と七十二候の季節手帖』山下景子(著)成美堂出版

三浦奈々依 のプロフィール

三浦奈々依

フリーアナウンサー・神社仏閣ライター・カラーセラピスト。

ラジオ番組にて20年以上にわたり、音楽番組を担当。

東日本大震災後、雑誌Kappoにて約7年にわたり「神様散歩」の連載を執筆。心の復興をテーマに、神社仏閣を取材。

全国の神社仏閣の歴史を紹介しながら、日本の文化、祈りの心を伝えている。

被災した神社仏閣再建の一助となる、四季の言の葉集「福を呼ぶ 四季みくじ」執筆。


http://ameblo.jp/otahukuhukuhuku/
アマゾン、全国の書店、世界遺産・京都東寺等で販売。


カラーセラピストとしても全国で活動中。
旅人のような暮らしの中で、さまざまな神社仏閣を訪ね、祈り、地元の人々と触れ合い、ワインを楽しむ。

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