本当は怖い!?「ハロウィン」〜それは「考えること」を放棄してしまった民の祝祭なのか?

2019.10.21

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久保多渓心 ( ライター・占術家 )

墨が織り成す一子相伝の占術 “篁霊祥命(こうれいしょうめい)” を主な鑑定手法とする占術家。他にも文筆家やイベント・オーガナイザーとしての顔も持つ。また引きこもり支援相談活動なども行なっている。

ハロウィン狂奏曲

いつの頃からでしょうか、日本でも盛大に「ハロウィン(Halloween)」が催されるようになりました。

昨年、渋谷では暴徒化した若者たちが軽トラックを横転させる事件も起こり、ゴミの放置や火災、泥酔、痴漢行為なども問題になっています。

現代に生きる我々日本人は、匿名性を以って残酷になれる非常に悍ましい一面を持っています。SNSの世界では本名を名乗らず、顔も伏せた上で、汚い言葉で人を平気で罵り、吊るし上げ、人格を貶めていきます。

「ハロウィン」では仮装をすることである程度の匿名性が担保された気になってしまうのでしょうか、躊躇いなく暴力的な行為、モラルを欠いた行為に至ってしまう。そこには「群集心理」という単純な説明以上のものを感じてしまうのです。

「ハロウィン」というと私の世代、そして私のようなロックファンは真っ先にドイツのメタルバンドを思い起こしてしまいます。

または映画『E.T』の中で描かれた「ハロウィン」が思い起こされるでしょうか。

劇中、エリオットとガーティとマイケルがE.Tに白い布を被せて森に連れ出すのですが、このとき町は「ハロウィン」の真っ最中で子供たちが仮装をして辺りを行き交っています。そんな中の1人にヨーダの仮装をしている子供がいて、E.Tはそれを仲間だと思い近付いていくというシーンがありました。

公開当時、映画館で観ましたが「ハロウィン」というものに触れた一番最初がこの「E.T」かもしれません。公開から37年後の日本ではすっかり「ハロウィン」が定着したようです。

しかし、暴徒化した渋谷の若者たちを報道で見るにつけ、そして「ハロウィン」というものが日本人の日常に植え付けられていくのを見るにつけ、非常に危うさを感じてしまうのです。

 

ハロウィンの起源

2人のドルイド

まず「ハロウィン」の歴史的な背景を見てみたいと思います。

「ハロウィン」は、古代ケルト人ドルイドと呼ばれる祭司の間で始まった儀式に端を発します。

「ハロウィン」は、古代ケルト人の収穫を祝う祭り「サウィン祭(Samhain)」が起源であり、「サウィン」とは「夏の終わり」を意味します。

古代ケルト人にとって「夏の終わり」は10月31日であり、この日が「サウィン祭」の前夜祭となります。一方、冬の始まりは11月1日にあたり、この日が「サウィン祭」の本番です。

古代ケルト人にとって「夏」は「光」を意味し、「冬」は「闇」を意味しました。と同時に「夏」は「現世」であり、「冬」は「死者の世界(冥界)」を表しています。

子供たちによるトリック・オア・トリート

「サウィン祭」が行われる時期は「現世」と「死者の世界」を隔てる境界に降ろされていた幕が上がり、死者や悪魔達が「現世」へと迷い込んでしまうと考えられ、彼らが自分の家にやってきた時に食べ物などを供することで、災いを避けようとしていたのです。これが「トリック・オア・トリート」の起源です。また幽霊や悪魔などの仮装をすることで、彼らの中に紛れて自分の身を守ろうとしました。

こうした風習は後年もアイルランド文化に根付き、移民達によってアメリカに伝えられ、現在の形に定着していきます。

古代ケルト人とドルイド達にとって「サウィン祭」と対をなす一大行事が5月1日に開かれる「ベルテーン祭」です。

この前夜の4月30日の夜は前夜祭でありヴァルプルギスの夜ともいわれ、サバト(魔女の集会、悪魔崇拝者の集会)が行われるとも言われます。現在でもスコットランドのエディンバラで夏の到来を告げる祭典として「ベルテーン・ファイヤー・フェスティバル」の名で行われています。

「ベルテーン(Beltane)」の「Bel」とは「太陽神ベレノス(Belenos)」であり、「豊穣の神」または「暗黒世界の王(つまり悪魔)」でもある「バアル(Baal)」を指します。

「テーン」は「火」を意味するため「ベルテーン」では「ベルの火」という意味になります。「ベルテーン祭」はその名の通り「火祭り」であり、豊穣を祈願する祭りなのです。

クロム・クロアハの像を破壊する聖パトリック

「サウィン祭」に「現世」へと迷い込む死者や悪魔達の頂点に君臨する存在が「クロム・クルアハ(Crom Cruach)」です。

アイルランドでは古くから信仰された神でもありますが、一方で「サウィン祭」ではこの神に生き血を捧げるために子供たちが殺されたという言い伝えがあります。

ジャック・オー・ランタン

つまり「生贄」です。因みに「ジャック・オー・ランタン」のカボチャを切り抜いて作られた顔(ヨーロッパではカブ)は「クロム・クルアハ」の顔です(諸説あり)。

*「ハロウィン」の起源である「サウィン祭」が子供を生贄にした行事であったことに触れた記事が「ナショナル・ジオグラフィック」1977年5月号の625~626ページに掲載されています。また「ベルテーン祭」の「ベル」=「バアル」も生贄を求める神としてよく知られる存在です。

ストーンヘンジ

イギリスの有名な遺跡「ストーン・ヘンジ」はドルイド達が人身供儀に用いていたとする説もあります。考古学者の発掘作業では4000人以上にものぼる人骨が発見されています。

バアルと同一視されるモレク神

これらの話は、キリスト教側が異教徒であるケルト人の一風変わった祝祭の様子を見て、誇張した部分もあったかと思われます。

これにはカトリック教会側の布教を理由にした巧妙な意図があったようなのです。つまり異教徒の祝日や慣習を彼らから取り上げたり、排除するのではなく、自分達キリスト教信者が積極的に取り入れることで、そのものの本質を変えてしまえばいい、言うなればキリスト教化してしまえばいいという策です。

カトリック教会の祝日の一つに「万聖節・諸聖人の日(All Saints Day、All Hallows Day)」がありますが、この前夜をキリスト教が普及する以前からアイルランドでは「諸聖人の前夜(All Hallows’Eve)」と呼ぶ習慣がありました。

まさにケルトの民の祭り「サウィン祭」と同じ日だったカトリック教会の祝日「万聖節・諸聖人の日」。その前夜のアイルランドの習慣「Hallows’Eve」。19世紀の移民達がアイルランドからアメリカに持ち込んだこの「Hallows’Eve」が次第に訛って「Halloween」となったのでした。

 

誘導装置としてのハロウィン

これまで書いてきたような歴史的背景を持つ「ハロウィン」ですから、悪魔崇拝や洗脳などに巧みに利用される側面を持っています。多くの人々が習慣として自然に生活の中に取り込んでいくイベントを利用し、ターゲットを一定の思想や行動に誘導したりすることは容易いことです。

「ハロウィン」を祝う習慣が日本に根付き、渋谷のスクランブル交差点やその周辺で若者達が騒乱を繰り広げる光景が報道され始めた時期と重なるのは、「秘密保護法(2014年12月施行)」や「安保関連法(2016年3月施行)」「共謀罪(2017年7月施行)」といった私たちの生活の根幹を揺るがしかねないこれら法案の危険性が盛んに叫ばれ、デモや集会が数多く行われた時期です。

これらの法案は、私たち国民を監視したり、戦地へ送ったり、権力者へ逆らえないようにする「戦争をするための法律(...だと私は思っています)」です。

2014年10月31日の「ハロウィン」は金曜日というタイミングもあり、SNSを中心にして一気に広がりを見せました。「秘密保護法」はこの年の12月10日に施行されます。

これらの法案が国会を通過するためには、日本人の多数が「考える行為を放棄」することが一番です。強い政治意識を持っていたり、権力側と相反する思想や主義主張を持っている者は厄介な存在でしかありません。1人でも多くの国民が「集団」に流され、「自発的に」物事を考えることをしない、それが求められます。

それはまさに「ハロウィン」に集まった若者達の姿。縮図であるような気がします。

日本にとっての「ハロウィン」とは「考えること」を放棄してしまった民の祝祭です。

「集団」側にいれば、圧政にさらされることもなく、糾弾されることもない。しかし、それは非常に恐ろしいことです。「ハロウィン」という一大イベントが、そうした心理操作の装置としての機能を持っていたり、または民意を図る物差しのように使われていたとしたら、どうでしょう。

「ハロウィン」の歴史や起源を考え合わせると、少し恐ろしいとは思いませんか?

人に流されず、マスコミに誘導されず、自分の頭で考えること。

これが自分や愛する家族を守る一番の方法なのです。

 

久保多渓心 のプロフィール

久保多渓心

画家の父、歌人の母のもと、福岡市博多区で生まれる。

バンド活動を経て、DJ、オーガナイザーとしてアート系イベント、音楽イベントなどを多数手掛ける傍ら、フリーライターとしても活動。

音楽雑誌でのアーティスト・インタビュー記事、書籍、フリーペーパー、WEBなどの媒体で政治、社会問題から、サブカルチャー、オカルトまで幅広いジャンルでコラムを執筆。

引きこもり、不登校、心の病など自身の経験を活かし「ピアカウンセリング」を主軸にしたコミュニティを立ち上げる。後にひきこもり支援相談士として当事者やその家族のサポート、相談活動にあたる。

現在は亡き父から継承した一子相伝の墨を用いた特殊な占術『篁霊祥命』や、独自のリーディングによって鑑定活動を行っている。2021年で鑑定活動は16年目を迎える。

月参り、寺社への参拝による開運術の指導なども行う。

『AGLA(アグラ)』スーパーバイザーを務める。

2020年10月より活動名をマーク・ケイより、久保多渓心に改名。

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うらなってMe

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