2021.11.27
【明晰夢で人生を豊かにする!⑧】もっとも効率的な明晰夢実践方法 と、明晰さを確認する方法

『【明晰夢で人生を豊かにする!①】「夢には人生を変える力があった 」〜 わたしの見た不思議な夢 〜』
『【明晰夢で人生を豊かにする!②】睡眠と夢の構造 〜 夢を覚えておくためには?〜』
『【明晰夢で人生を豊かにする!③】"夢"は自分1人のものではなかった!〜他者との夢の共有〜』
『【明晰夢で人生を豊かにする!④】明晰夢とは夢の中で目覚め、夢に能動的に関わること!』
『【明晰夢で人生を豊かにする!⑤】〜 明晰夢を習得して、人生を2倍生きる!〜「覚醒」と「睡眠」の間に橋を架けよう』
『【明晰夢で人生を豊かにする!⑥】"わたしは今ここにいる" 〜 昼間、意識を持ち続けることが明晰夢への第一歩!』
『【明晰夢で人生を豊かにする!⑦】あなたも明晰夢を見ることができる! 〜 様々な明晰夢習得メソッド』
前回ご紹介した、私が実践した「明晰夢を見る方法」。
その中でも、最も皆さんに実践していただきやすいのが「二度寝」を利用した方法です。その具体的な手順をご紹介します。
また、その他の明晰夢を見る方法と、明晰夢を見たときに、それが本当に明晰夢かを確かめる方法も併せてご紹介しましょう。
二度寝をして明晰夢を見る
『明晰夢で人生を豊かにする!②』では、睡眠のメカニズムを詳しくご説明しました。
この睡眠のメカニズムをよく理解した上で、普段の睡眠にひと工夫加えて、明晰夢を見ることを試みてみましょう。
人は「ノンレム睡眠」といわれる4段階の睡眠レベルを経て眠りに付き、これに加えて「REM睡眠」という夢見の状態の脳波が対を成して存在します。
「ノンレム睡眠」の第一段階から第四段階を経て「REM睡眠」の状態となるまで約90分(人によってレム睡眠に到達するまでの時間には誤差が生じます)です。
この脳波の推移を上手く活用する方法です。
二度寝というくらいですから、一度は睡眠から目覚める必要があります。
REM睡眠中に目覚ましなどで強制的に目覚めると、覚醒時に倦怠感が出たり、眠気がいつまでも残ったり、気分が滅入るなどの弊害が出てしまいます。
これはREM睡眠が記憶や思考の整理を行なっているためで、この時に強制的に目覚めるのは、その整理作業を途中で終わらせてしまうことになるのです。
夢見(REM睡眠)を阻害しない、記憶や思考の整理を途中で終わらせない起床の仕方は90分の倍数(3時間、4時間半、6時間、7時間半)を避けて起床するだといえるでしょう。
厳密には90分の周期に、REM睡眠の持続時間が加わりますし、人によって周期にも差が出るので明確な時間を算出することは不可能ですが、大まかな目安にはなります。
覚醒時間を短くした場合
このREM睡眠を阻害しないかたちで、一度目覚ましなどを使って起きます。
起きるといっても、なるべく身体を起こしたり、トイレに行ったり、テレビを付けたりなどの刺激を自分に与えず、目覚ましのアラームを消して、なるべく迅速にまた眠りに付くことが大事です。
90分周期でREM睡眠の状態となり、その持続時間は5分から40分で一定ではありません。
6時間睡眠では4回、8時間睡眠では5回のREM睡眠が訪れる計算になります。睡眠時間が経過する毎にREM睡眠の持続時間も長くなって行く傾向にあります。
このことを考え合わせると、眠りが比較的浅い段階になり、なおかつREM睡眠を阻害しない時間帯に一度目覚めて、二度寝をすることが望ましいと思われます。
人によって脳波の推移は違いますから、一様には言えませんが経験上6時間前後の睡眠であれば4時間前後経過した辺りで目覚ましをかけることが最適ではないかと思います。
◎入眠後4時間半でREM睡眠状態となると仮定をし、その30分前の入眠4時間経過後に目覚ましをセットして起床する(6時間睡眠の場合)。
◎目覚まし時計のアラームを消音したら、なるべく迅速に再び眠りにつく。
覚醒時間を長くした場合
もう一つの方法は、一定時間就寝したあとに一端起床をし、その後すぐに寝ないで1〜2時間普通の日常の生活を送るものです。
起きてトイレに行ったり、掃除洗濯などの家事をしても結構ですし、散歩をしても大丈夫です。
そうした日常の動作を行なった後、再び数時間眠ります。
一回目の睡眠で長く寝過ぎると、二回目の睡眠が出来なくなるので、一端先ほどと同じように4時間程して目覚ましなどで起きた方が良いでしょう。
自然に4時間程で目覚めてしまったら、そのまま起きて1〜2時間日常の行動を取りましょう。二度目の睡眠は2時間から4時間がベターです。
この睡眠パターンでも、非常に鮮明な夢を見る傾向にあります。
また人間は本来、大昔から二度寝をすることが習慣となっており、人間の身体や心にとって最も望ましい睡眠の在り方であるという研究成果もあります(精神科医 トーマス・ベーアによる)。
The Myth Of The Eight-Hour Sleep <BBC>
◎入眠後4時間半でREM睡眠状態となると仮定をし、その30分前の入眠4時間経過後に目覚ましをセットして起床する(6時間睡眠の場合)。
◎トイレに行く、掃除洗濯などの家事をするなど、日常の動作を2時間程度行ったあと、再び就寝します。
夢らしい特徴を知る
大多数の人にとって遥かに簡単に、夢の中で明晰になれる方法があると、ラバージ教授は書いています。
「夢らしい特徴を知る」ということは、私も実感しています。
私が明晰夢を見る時は、ベッドに入って目を閉じ、眠りに入るまで「自分の夢によく出て来そうな情景をありありと思い浮かべる」からです。
例えば私はレトロでノスタルジックな田舎町、セピア色の似合う少し古びた、寂れたような風情ある通りが好きです。夢の中にもそのような場所がよく登場します。
これが私の「夢らしい特徴」です。
この特徴を眠りにつく時に瞼の裏のスクリーンに投影するのです。
そうすると、自分が想像している町の中に、自分が立っていることに気付くことがあります。
つまり目を閉じて、これから眠りにつこうとして目を閉じる。
目を閉じて自分が最も心地良い、好きな場所や情景をより具体的にイメージをする、自分が夢で見ることが多い、典型的で、特徴的な情景をありありと思い浮かべる。
すると、その情景の中に自分が主観を持って存在していることに気付くのです。
想像の世界から、夢の世界へと明晰さを保ったまま移行出来たことになります。
(ここから先、自分の思うように夢の中で行動するには、まだ次なる段階を経る必要がありますが...)。
明晰さを確認する方法
その他に、夢見の状態に既に入っている時に、自分の明晰さを確認する方法についても、いくつか語られています。
◎空を飛んでみること。飛ぼうとして飛べたら明晰な状態。
◎何か書かれたものを見つけて一度それを読み、そして目を逸らしてから、もう一度それを読んで、それが同じままかどうか確かめる。同じならば明晰な状態。
◎目覚めている時に、目覚めているかどうか疑うことは決してないのと同じで、夢の中で、見ている夢の異常さに気付いたとしたら、それは既に明晰な状態。
参考文献
「明晰夢 夢見の技法」スティーヴン・ラバージ(著)春秋社
「みたい夢をみる 明晰夢の技術」チャールズ・マックフィー(著)講談社
「ドリーム・テレパシー」M・ウルマン+S・クリップナー+A・ボーン(著)工作舎
「夢を操る - マレー・セノイ族に会いに行く」大泉実成(著)講談社
「臨死体験」立花隆(著)文藝春秋
「The Lucidity Institute」Website
「Dream Doctor - Making sence of your dreams」Website
久保多渓心 のプロフィール

画家の父、歌人の母のもと、福岡市博多区で生まれる。
バンド活動を経て、DJ、オーガナイザーとしてアート系イベント、音楽イベントなどを多数手掛ける傍ら、フリーライターとしても活動。
音楽雑誌でのアーティスト・インタビュー記事、書籍、フリーペーパー、WEBなどの媒体で政治、社会問題から、サブカルチャー、オカルトまで幅広いジャンルでコラムを執筆。
引きこもり、不登校、心の病など自身の経験を活かし「ピアカウンセリング」を主軸にしたコミュニティを立ち上げる。後にひきこもり支援相談士として当事者やその家族のサポート、相談活動にあたる。
現在は亡き父から継承した一子相伝の墨を用いた特殊な占術『篁霊祥命』や、独自のリーディングによって鑑定活動を行っている。2021年で鑑定活動は16年目を迎える。
月参り、寺社への参拝による開運術の指導なども行う。
『AGLA(アグラ)』スーパーバイザーを務める。
2020年10月より活動名をマーク・ケイより、久保多渓心に改名。