【明晰夢で人生を豊かにする!⑨】明晰夢は新しい生き方のための実験室!!

2021.11.29

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久保多渓心 ( ライター・占術家 )

墨が織り成す一子相伝の占術 “篁霊祥命(こうれいしょうめい)” を主な鑑定手法とする占術家。他にも文筆家やイベント・オーガナイザーとしての顔も持つ。また引きこもり支援相談活動なども行なっている。

『【明晰夢で人生を豊かにする!①】「夢には人生を変える力があった 」〜 わたしの見た不思議な夢 〜』

『【明晰夢で人生を豊かにする!②】睡眠と夢の構造 〜 夢を覚えておくためには?〜』

『【明晰夢で人生を豊かにする!③】"夢"は自分1人のものではなかった!〜他者との夢の共有〜』

『【明晰夢で人生を豊かにする!④】明晰夢とは夢の中で目覚め、夢に能動的に関わること!』

『【明晰夢で人生を豊かにする!⑤】〜 明晰夢を習得して、人生を2倍生きる!〜「覚醒」と「睡眠」の間に橋を架けよう』

『【明晰夢で人生を豊かにする!⑥】"わたしは今ここにいる" 〜 昼間、意識を持ち続けることが明晰夢への第一歩!』

『【明晰夢で人生を豊かにする!⑦】あなたも明晰夢を見ることができる! 〜 様々な明晰夢習得メソッド』

『【明晰夢で人生を豊かにする!⑧】もっとも効率的な明晰夢実践方法 と、明晰さを確認する方法』

 

明晰夢の効果

明晰夢の体験者の話しです。

ある日、夢を見ているといつものように悪魔のような存在が自分に手招きしながら近づいてくる。

おぞましい存在で、恐ろしくて後ずさりするばかり。

今までも悪夢を見たらただ恐怖におののいて怖がるばかりだったけど、思い切ってその時だけは悪魔へ近づいて抱き締めてみることにした。

すると辺りの雰囲気は一変し、心地よい安らぎに包まれ、悪魔だと思っていた対象が愛する存在、温かく慈悲深くどこまでも優しい存在に変わった、その日から僕の人生はその夢の様に、安らぎのあるものに変わっていったんだ。

つまり、今までは怖くて悪魔から目を逸らして逃げる一方だったのだけど、その時だけは自分の意志でその悪魔を抱き締めた。

すると悪夢が一転、心地良い安らぎに包まれた素晴らしい夢に変わった。

それだけでなく、その夢を見てからというもの、周囲に存在するもの全てが愛おしくなり、自分の選択する言葉の質も、そして表情や雰囲気さえも変わって、それに反応して現実も楽しい出来事がたくさん起こる様になった、というのです。

このように自分が不幸だ、と烙印を押してしまいがちな受け入れ難い現実というものは、常に私たちに何かを気付かせようとしたり、誰かに出会わせようとしたり、どこかに辿り着かせようと巧妙に私たちの人生の脚本を書いて、それらを足下に散りばめて行きます。

必ず、それがなければ出会えない人々、辿り着けない場所があるはずです。

欲しいと思っていたものが手に入れられなくても、常に自分に必要なものは手に入っているのだという自覚も必要でしょう。

通常の夢しか見ない人であれば、近付いて来る悪魔は依然として悪魔であり続けるでしょうし、恐れや不安の対象から目を逸らし続け、膝を抱えてその場で丸くなってしまうだけかもしれません。

しかし明晰夢を見ることによって、自分に近寄って来るものが悪魔などではないことがしっかりと理解出来るようになっていきます。

恐れや不安こそが、抱きしめるべきもの、向かい合うべきものなのだと知るのです。

 

完全な自由を手に入れる

【明晰夢で人生を豊かにする!⑤】では、以下のような明晰夢の効果を挙げました。

「人格的成長」
「自己啓発の推進」
「自信を深めること」
「心身の健康の増進」
「創造的に問題を解決する能力の推進」
「自己統制への道を進む」
「願望実現」

 

その他にも、「明晰夢」を見る人のほとんどは感情的に満たされるという顕著な特徴があるそうです。

覚醒している状態の世界、つまり私達が日頃生きている社会では、見えないバリアーや、なかなか変えることの出来ない厳しい現実の数々があります。

それらに翻弄され、傷付けられ、苦しめられながら生きている側面もあるでしょう。

内から沸き上がって来る衝動があっても、それを抑えなければなりません。

しかし「明晰夢」を見ている時はどうでしょう。

このような覚醒時の縛りは一切消え去ります

私達は完全な自由を手に入れ、その世界で衝動を実行に移すことが出来るのです。

空を飛ぶことだって、会いたかった人に会いに行くことだって可能なのです。

 

免疫機能が高まる

明晰夢を見ている間は、脳の「報酬中枢(快楽中枢)」が刺激されるともいわれます。

これが何を意味するのかといえば、人の免疫機能を高めることが可能だということです。

夢の中で自由を手にし、願望を実現させることが、覚醒時の行動にも影響を与え、自信に繋がる。

それによって夢の中ではなく、現実の世界で願望が実現し易い環境を整える、そして心身の健康にも繋がって行くのです。

また明晰夢の体験者で顕著なのは、明晰夢を見ることで得られた喜びや、感動や、至福や、恍惚感などの肯定的な感情が、覚醒時の意識に持ち越され、それが1週間以上、人によってはもっと長く維持されるという事実です。

悪夢を見た時、貴方はその日一日をどのように過ごすでしょうか。

どんな気分がするでしょうか。

全く気にしない人もいるかもしれませんが、悪夢の置き土産は大抵、否定的感情です。

勿論、目覚めも悪く感じ、何となく疲労感が残っているものです。

日常生活の中でも、ふと昨晩の悪夢のことが思い出され、それが何かの悪いメッセージではないかと気になり、夢診断の本やネットを開いて調べてしまうかもしれません。

そして時にはその悪夢のせいで、自分を責めたり、周囲の景色が曇って見えることもあるでしょう。

これが明晰夢だとしたらどうでしょう。

覚醒後も、その感動を引き続き味わえるとしたら。

悪夢の置き土産が否定的感情であるとしたら、明晰夢の置き土産は肯定的感情です。

このことで気分は高揚し、自分を否定する材料は見当たりません。

自信と活力が漲り、表情もイキイキとするはずです。

 

明晰夢では誰も傷つくことがない

日頃、自分を責めてしまい易い人、自分の人生を悲観的に捉えがちな人は、心の中でいつも自分が傷付くことのリハーサルをしてしまい、あらゆる行動を躊躇しがちではないでしょうか。

そして、人を傷付けてしまうのではないかという恐れや不安もあることでしょう。

しかし明晰夢では、人も自分も決して傷付くことがありません。

制約も一切なく自由なのです。

そこで得た喜びや感動は、覚醒後の意識に持ち越され、長く維持出来ます。

しかし、その感動の記憶が、人を癒したり、元気づけるのではなく、「明晰夢」の中で取った行動が、自分も人も傷付けないものだったと知ることで、覚醒後の生き方に変化を生じさせることに繋がって行くのです。

いわば明晰夢は「新しい生き方のための実験室」だといえるのです。

 

「無意識」から「意識」へ

人は日常をほとんど「無意識的」に過ごしている生き物です。

マインドフルネスも呼吸することを意識し、今ここに在ることを意識し、自分の心の中に意識を向けることで、日々のストレスを解消し、創造性を高め、心身の健康を促すという効果があります。

明晰夢も「無意識でいること」から「意識すること」へと心の在り方を転換させるものです。

 

最後に、ある記事の「明晰夢」に関する言葉をスティーヴン・ラバージ教授の著作から引用します。

想像を絶するほどのパワーへの鍵が地球上のすべての人の手の届くところにある。

人類の次なる飛躍は物理学的な科学技術工場からではなく、創造的な夢見る人の夜間飛行から始まると私は確信する。

可能性について考えよう。想像出来る限り望ましい女性との、かつてないほどエロティックな遭遇。知恵ある原住民が歌で日々の問題を解消してくれるパラダイス島への訪問。

ある晩には、アリストテレスと哲学的な思索をしたり、WC・フィールズと冗談を交わしたり、JP・モーガンと投資の話しをしたり、そしてナディア・コマネチと段違い平行棒の練習をしたり、・・・等などが出来るのだ。

例え、かすかな可能性でしかないとしても、夢をコントロールするというアイデアは追求してみる価値が充分にある。

官能的な喜び、内なる叡智、情緒的安定、超感覚的知覚、あるいはベルモント七番街のホットチップ(信頼出来る情報)でも、探し求めるのが何であろうと、その答えが眠りの境界のすぐ向こうで貴方を待っているかもしれないのだ。

Rhinegold, H., "Tapping into Your Dream Power," Oui Magazine (1981) 80-125

 

【ワンポイント】明晰夢は危険?

ネットで「明晰夢」を検索すると、「明晰夢は危険である」と書かれているものがあります。

読み進んでみると、基本的な知識の誤りがあることが分かります。

そこにはこんな風に書かれています。

「熟睡している時が "REM睡眠"、浅い眠りが"ノンレム睡眠"、夢を見る時は"ノンレム睡眠"であるから"夢を覚えている"="熟睡出来ていないのだ」 

だから「明晰夢を見ている状態の時は、睡眠の質を大幅に下げてしまう、それで危険なのだ!」と・・・

以前の記事を読んで頂いてお分かりになると思いますが、「ノンレム睡眠」の第四段階が最も深い眠りであり、熟睡しているのはこの時です。

「REM睡眠」は最も浅い眠りです。身体は完全に弛緩した状態であっても、脳は覚醒状態にあります。

この時に「夢」を見るのです。ですから「明晰夢」を見ている時は、睡眠の質を下げているというのは間違いだということが分かります。

 

 

参考文献

「明晰夢 夢見の技法」スティーヴン・ラバージ(著)春秋社
「みたい夢をみる 明晰夢の技術」チャールズ・マックフィー(著)講談社
「ドリーム・テレパシー」M・ウルマン+S・クリップナー+A・ボーン(著)工作舎
「夢を操る - マレー・セノイ族に会いに行く」大泉実成(著)講談社
「臨死体験」立花隆(著)文藝春秋
「The Lucidity Institute」Website
「Dream Doctor - Making sence of your dreams」Website

久保多渓心 のプロフィール

久保多渓心

画家の父、歌人の母のもと、福岡市博多区で生まれる。

バンド活動を経て、DJ、オーガナイザーとしてアート系イベント、音楽イベントなどを多数手掛ける傍ら、フリーライターとしても活動。

音楽雑誌でのアーティスト・インタビュー記事、書籍、フリーペーパー、WEBなどの媒体で政治、社会問題から、サブカルチャー、オカルトまで幅広いジャンルでコラムを執筆。

引きこもり、不登校、心の病など自身の経験を活かし「ピアカウンセリング」を主軸にしたコミュニティを立ち上げる。後にひきこもり支援相談士として当事者やその家族のサポート、相談活動にあたる。

現在は亡き父から継承した一子相伝の墨を用いた特殊な占術『篁霊祥命』や、独自のリーディングによって鑑定活動を行っている。2021年で鑑定活動は16年目を迎える。

月参り、寺社への参拝による開運術の指導なども行う。

『AGLA(アグラ)』スーパーバイザーを務める。

2020年10月より活動名をマーク・ケイより、久保多渓心に改名。

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