2021.12.13
【明晰夢で人生を豊かにする!⑩】「睡眠の質」の向上こそが、明晰夢への近道

『【明晰夢で人生を豊かにする!①】「夢には人生を変える力があった 」〜 わたしの見た不思議な夢 〜』
『【明晰夢で人生を豊かにする!②】睡眠と夢の構造 〜 夢を覚えておくためには?〜』
『【明晰夢で人生を豊かにする!③】"夢"は自分1人のものではなかった!〜他者との夢の共有〜』
『【明晰夢で人生を豊かにする!④】明晰夢とは夢の中で目覚め、夢に能動的に関わること!』
『【明晰夢で人生を豊かにする!⑤】〜 明晰夢を習得して、人生を2倍生きる!〜「覚醒」と「睡眠」の間に橋を架けよう』
『【明晰夢で人生を豊かにする!⑥】"わたしは今ここにいる" 〜 昼間、意識を持ち続けることが明晰夢への第一歩!』
『【明晰夢で人生を豊かにする!⑦】あなたも明晰夢を見ることができる! 〜 様々な明晰夢習得メソッド』
『【明晰夢で人生を豊かにする!⑧】もっとも効率的な明晰夢実践方法 と、明晰さを確認する方法』
『【明晰夢で人生を豊かにする!⑨】明晰夢は新しい生き方のための実験室!!』
これまで9回に渡って「明晰夢」の世界と、その可能性についてお話をして来ました。
「"夢"に対する関心が深まった」「"明晰夢"を見てみたいと思った」というご感想をお持ちになった方も多いのではないでしょうか。
しかし「その日に見た夢をどうしても覚えていられない」という方もきっといらっしゃるはずです。
今回は、その日に見た「夢」を覚えている為にはどうしたらいいのか、に的を絞ってお話を進めてみたいと思います。
「夢を覚えている」ために、または「見たい夢を見ようとする」ためには、まず「睡眠の質」を向上させなければなりません。
睡眠時の脳波について
「夢を覚えておく」ために必要な「睡眠の質」が如何に阻害されるのかというお話をする前に、もう一度、睡眠時の脳波について復習をしておきたいと思います。
この脳波の推移が夢見や睡眠を考える上での、基本になります。
「明晰夢で人生を変える①(前編)~睡眠と夢~」 でもご説明したように私達は普段、4段階の睡眠レベル(ノンレム睡眠)を経て、レム睡眠(夢見の睡眠)に到達します。
第一段階:入眠期といわれるウトウトした状態。α波が減少し、4〜8Hzのθ(シータ)波が現れます。
第二段階:入眠時で意識がなくなった時を示します。脳波は睡眠紡錘波(Sleep Spindles)と呼ばれる12〜14Hzの律動や、K複合波(K-complexs)と呼ばれる振幅の大きい徐波が現れます。
第三段階:深い睡眠に入った段階であり、強い刺激でなければ知覚出来ない状態です。脳波は4Hz以下のδ(デルタ)波が20〜50%を占めます。
第四段階:δ(デルタ)波が50%以上を占めた更に深い睡眠レベルです。第三段階と第四段階を合わせて「デルタ睡眠」とも呼ばれます。
また薬物などによって「夢睡眠」を取り除くことによって、うつ病を改善させる効果もあります。抗鬱薬とされる薬物は、レム睡眠抑制作用を持っています。
この90分周期の一連の睡眠レベルの移行によるレム睡眠への到達が6時間睡眠では4回、8時間睡眠では5回訪れることになります(人によって睡眠レベルの到達周期には誤差が生じます)。
就寝前のスマホの操作が夢見と健康を奪う
「夢を覚えていられない」ことと「睡眠の質」にはどのような関係性があるのでしょうか。
「睡眠の質」を阻害する最も顕著な要因は「就寝前のスマホの操作」です。
携帯電話会社が自ら研究機関に依頼した調査結果では、寝る前にスマホなどの携帯電話を操作すると第1段階から第4段階に達するまでのノンレム睡眠の移行が遅くなり、深い睡眠の時間が阻害されて短くなることが分かったのです。
レム睡眠は脳を創る睡眠(記憶の整理や固定化を行ないます)、ノンレム睡眠は脳を休める睡眠といわれます。
ノンレム睡眠時は、脳代謝量が低下しますが、深い睡眠である「デルタ睡眠」に至ると成長ホルモンが分泌され、組織の増殖や損傷に対する修復を図ります。
つまり深い睡眠レベルが短くなるということは、免疫機能やホルモン機能が低下し、翌日の思考能力が鈍くなったり、倦怠感を覚えたり、眠気を助長させます。
また、スマホの画面から出る光のスペクトルは、セロトニンの分泌に遅れを生じさせ、量も減少するといいます。このことによって、睡眠障害やうつ病などの病気につながってしまうことも多いのです。

スマホから発せられるブルーライトは網膜まで到達し、様々な悪影響を心身に与える
ノンレム睡眠の移行が遅くなると(第一段階から第四段階まで到達する時間が長くなると)、当然通常90分周期で訪れるレム睡眠の回数も減ってしまいます。
90分周期で訪れるレム睡眠は、1回目よりも2回目、2回目よりも3回目の時間が長くなる傾向にあり、6時間睡眠の場合では、4回目に訪れたレム睡眠の時間は、おおよそ30分程になります。
1回の睡眠でレム睡眠の回数が減ると、トータルの夢睡眠の時間も減りことになります。
6時間睡眠ではトータル70〜80分は夢睡眠ですが、寝る直前のスマホ操作で、この夢睡眠の時間はグッと少なくなるのです。
すなわち、これが「夢を覚えていない」という原因に直結することになります。同時に心身の健康にも重大な影響を与えかねません。
睡眠の質を上げるためには寝室にスマホを持ち込まない
「夢を覚えていたい」、また「睡眠の質を上げたい」のであれば、スマホを寝室に持ち込まないことが一番ベターだといえるでしょう。
しかし目覚ましに使っていたり、寝室で少しスマホで調べものをしたい、友人や家族とメールで話したいという人は多いでしょう。
そうであれば、スマホの使用時間を短くするか、眠ってしまう直前まで使用しないことです。
ベッドでスマホを使用した後、本を読んだり(難解な本や刺激の強い本は逆効果です)、軽くストレッチをしたり(長時間や激しい運動も逆効果です)、他の行動を一旦挟んだ後、ベッドで目を閉じて、ウトウトする時間、完全に眠りに入る時間を楽しむことです。
決してスマホを触っていたら、いつの間にか寝てしまっていた、ということは避けたいものです。睡眠レベルでいう、α波からθ波への移行をなるべく感じる工夫をすることが求められます。
夢を覚えていられるようになったら『【明晰夢で人生を豊かにする!⑦】あなたも明晰夢を見ることができる! 〜 様々な明晰夢習得メソッド』、『【明晰夢で人生を豊かにする!⑧】もっとも効率的な明晰夢実践方法 と、明晰さを確認する方法』で解説した方法で「明晰夢」にトライしてみて下さい。
参考文献
「明晰夢 夢見の技法」スティーヴン・ラバージ(著)春秋社
「みたい夢をみる 明晰夢の技術」チャールズ・マックフィー(著)講談社
「ドリーム・テレパシー」M・ウルマン+S・クリップナー+A・ボーン(著)工作舎
「夢を操る - マレー・セノイ族に会いに行く」大泉実成(著)講談社
「臨死体験」立花隆(著)文藝春秋
「SLEEP 最高の脳と身体をつくる睡眠の技術」ショーン・スティーブンソン(著)ダイヤモンド社
「スマホ脳」アンデシュ・ハンセン(著)新潮新書
「The Lucidity Institute」Website
「Dream Doctor - Making sence of your dreams」Website
久保多渓心 のプロフィール

画家の父、歌人の母のもと、福岡市博多区で生まれる。
バンド活動を経て、DJ、オーガナイザーとしてアート系イベント、音楽イベントなどを多数手掛ける傍ら、フリーライターとしても活動。
音楽雑誌でのアーティスト・インタビュー記事、書籍、フリーペーパー、WEBなどの媒体で政治、社会問題から、サブカルチャー、オカルトまで幅広いジャンルでコラムを執筆。
引きこもり、不登校、心の病など自身の経験を活かし「ピアカウンセリング」を主軸にしたコミュニティを立ち上げる。後にひきこもり支援相談士として当事者やその家族のサポート、相談活動にあたる。
現在は亡き父から継承した一子相伝の墨を用いた特殊な占術『篁霊祥命』や、独自のリーディングによって鑑定活動を行っている。2021年で鑑定活動は16年目を迎える。
月参り、寺社への参拝による開運術の指導なども行う。
『AGLA(アグラ)』スーパーバイザーを務める。
2020年10月より活動名をマーク・ケイより、久保多渓心に改名。