2021.11.13
【明晰夢で人生を豊かにする!⑤】〜 明晰夢を習得して、人生を2倍生きる!〜「覚醒」と「睡眠」の間に橋を架けよう

『【明晰夢で人生を豊かにする!①】「夢には人生を変える力があった 」〜 わたしの見た不思議な夢 〜』
『【明晰夢で人生を豊かにする!②】睡眠と夢の構造 〜 夢を覚えておくためには?〜』
『【明晰夢で人生を豊かにする!③】"夢"は自分1人のものではなかった!〜他者との夢の共有〜』
『【明晰夢で人生を豊かにする!④】明晰夢とは夢の中で目覚め、夢に能動的に関わること!』
前回は、「明晰夢」とはいったい何なのかという基本の部分について、解説致しました。
今回は、「明晰夢」が私たちにもたらすもの、そして幼少期の私たちがどう「夢」というものを理解していったのかというお話をしたいと思います。
明晰夢は習得可能
スティーヴン・ラバージ教授は「明晰夢」は誰もが習得可能であり、この技術を習得すれば、もっと素晴らしい「見返り」があると主張します。
それは、どんな見返りなのでしょうか?
例えば・・・
「自己啓発の推進」
「自信を深めること」
「心身の健康の増進」
「創造的に問題を解決する能力の推進」
「自己統制への道を進む」
「願望実現」
などといったことが実現可能だというのです。
前回お話をした「セノイ族」も、見た夢を深く想起し、家族で語り合い、共有することで、さらに明晰夢を見易い状況になり、現実の世界にもその効果を反映させて行くという流れがあったことを思い出します。
大事なことは「覚醒時の生活」と「睡眠中の生活」の相互作用に尽きます。
「明晰夢」を見ている時に得た知識、見聞などは、覚醒時の生活にも活かされ、また覚醒時の生活で学んだこと、培ったこと、体験したことは、「明晰夢」を見ている時にも忘れることはなく、有意義な形で活かすことが出来ます。
「明晰夢」ではない、通常の夢しか見ていない人は、「覚醒時の生活」と「睡眠中の生活」との繋がりを欠いている状態であり、それぞれで見ている景色、世界は曇ったメガネをかけているように映るでしょう。
夢を思い出すことも困難であり、思い出しても断片的であったり、ぼんやり歪んだものでしかないはずです。
スティーヴン・ラバージ教授は、これは2つの人生を生きるか、1つの人生を生きるかに等しいと言います。
「明晰夢」を見ることが出来るようになった人々は、これまで見ていた通常の夢の状態を「人がまだ子供であるようなレベル」であると言い「私はこれまで目覚めたことがなかったのだ」とも言います。
「明晰夢」を見ることで、私達の人生は倍に拡大し、起きていても、寝ていても、明晰さを保つことができ、クリアーに世の中や、自分自身を見渡せるということなのです。
「夢」という概念の把握
私たちは成長の過程で、どのように「夢」という概念を習得しているのでしょうか。
発達心理学者のジャン・ピアジェによれば、子供は3つの段階を経て夢を理解するのだそうです。
年齢によって、3つの段階にその習得過程を分けることが出来ます。
まだ、夢と現実の区別がつきません。
前回の記事でも書いていますが、夢の中で怪物に襲われたとしたら、目が覚めても夢の中に現れた怪物が子供部屋のどこかに潜んでいて、自分のことを見ているのだと信じています。
つまり夢が自分の日常のその他の体験と同じ(外部の)世界で起こるものだと理解しています。

散々親から、怪物は夢の中にだけ存在するもので、現実にはいないのだと言い聞かせられていますから、子供はそういった親の教えに基づいて夢への考え方を改めて行きます。
怪物が現実にはいないことは理解出来ていますが、「夢」についての理解は希薄です。
この時期は夢を一部分では外的なもの、一部分を内的なものであるかのように扱い、理解しています。
夢はどこから来るのかと聞かれたら「自分の頭」と答え、夢はどこで起こっているのかと聞かれたら「自分の部屋だ」と答えるでしょう。

夢が完全に内的なもの、つまり自分の頭の中で起こっていること、心的な体験だと理解し始めます。
「明晰夢」を見るには、夢が心的体験であるという理解が必要です。
よって5歳から8歳になる頃には「明晰夢」を見ることが出来るといえます。
参考文献
「明晰夢 夢見の技法」スティーヴン・ラバージ(著)春秋社
「みたい夢をみる 明晰夢の技術」チャールズ・マックフィー(著)講談社
「ドリーム・テレパシー」M・ウルマン+S・クリップナー+A・ボーン(著)工作舎
「夢を操る - マレー・セノイ族に会いに行く」大泉実成(著)講談社
「臨死体験」立花隆(著)文藝春秋
「The Lucidity Institute」Website
「Dream Doctor - Making sence of your dreams」Website
久保多渓心 のプロフィール

画家の父、歌人の母のもと、福岡市博多区で生まれる。
バンド活動を経て、DJ、オーガナイザーとしてアート系イベント、音楽イベントなどを多数手掛ける傍ら、フリーライターとしても活動。
音楽雑誌でのアーティスト・インタビュー記事、書籍、フリーペーパー、WEBなどの媒体で政治、社会問題から、サブカルチャー、オカルトまで幅広いジャンルでコラムを執筆。
引きこもり、不登校、心の病など自身の経験を活かし「ピアカウンセリング」を主軸にしたコミュニティを立ち上げる。後にひきこもり支援相談士として当事者やその家族のサポート、相談活動にあたる。
現在は亡き父から継承した一子相伝の墨を用いた特殊な占術『篁霊祥命』や、独自のリーディングによって鑑定活動を行っている。2021年で鑑定活動は16年目を迎える。
月参り、寺社への参拝による開運術の指導なども行う。
『AGLA(アグラ)』スーパーバイザーを務める。
2020年10月より活動名をマーク・ケイより、久保多渓心に改名。