2022.9.30
【続】言葉に宿る深遠な力「言霊」で幸せをつかむ方法 ③ 大国主神の御神徳を仰ぐ幽冥神語

日本人は古から言葉には霊力が宿り、「良い言葉は吉事を招き、悪い言葉は凶事を招く」と信じて来ました。
言葉の「言」とは「事」であり、言葉として発すれば全てそれが現実に起こると考えたのです。
こうした言葉による働きを「言霊(ことだま)」と呼んでいました。
神威を発動させ、罪や穢れを祓う神秘的な呪言「神咒(かじり)」の数々をご紹介して来た、『言葉に宿る深遠な力「言霊」で幸せをつかむ方法』。
ご好評につき、『【続】言葉に宿る深遠な力「言霊」で幸せをつかむ方法』として、これまで掲載しきれなかった神咒を、ご紹介してまいります。
幽冥神語
幽冥神語の「神語(しんご)」とは、「幸魂(さきみたま)奇魂(くしみたま)守給幸給(まもりたまえさきはえたまえ)」の唱詞(となえことば)を指します。
それでは、「幸魂奇魂」とは何でしょうか。
神道において、神様の御霊(直毘神・なおびのかみ)は、「荒魂(あらたま・あらみたま)」と「和魂(にぎたま・にぎみたま)」の二つの側面に分けられます。
「荒魂」は、「荒ぶる神」と形容されることもあるように、神様の荒々しく、活発的な側面を表しています。「和魂」は、柔和で平和的、調和的な側面を表しています。
同一の神様でも、荒魂と和魂の両面をもち、神社で祀られる場合も、それぞれ異なる神名がつけられていたり、別々に祀られている場合もあります。
豊受大神宮(伊勢神宮・外宮)御祭神:豊受大御神(トヨウケノオオミカミ)
豊受大神宮・境内別宮 多賀宮 御祭神:豊受大御神荒魂(トヨウケノオオミカミノアラミタマ)
和魂は、さらに「幸魂」と「奇魂」とに分けられます。
「幸魂」は、人々に幸せをもたらす働きであり、「奇魂」は、奇瑞、奇跡を起こして人々を救済する働きです。前者は、運による働き、後者はより直接的な奇跡と捉えることも出来るでしょう。
江戸時代末期から明治期の神道家である本田親徳(ほんだちかあつ)が提唱する霊魂観では、人の魂は、荒魂と和魂、幸魂と奇魂の4つの魂から成り立っており、それらは直霊(なおひ)と呼ばれる天と繋がる霊と一体であるとする「一霊四魂(いちれいしこん)」という考え方も存在しています。
『日本書紀』では、大己貴神(オオナムチノミコト・大国主神)が自らの中に潜む、幸魂と奇魂の存在を知って、三輪山に鎮まり、縁結びの神となった経緯が記されています。
では、次に「幽冥」です。
「幽冥(ゆうめい)」とは、仏教でいうところの「冥土(めいど)」。つまり、死後の世界、あの世のことを意味します。
ここでご紹介する、「幽冥神語」の冒頭に出てくる「幽世(かくりよ)」という言葉も、同じ意味をもちます。
ここでいう「幽世の大神」とは、前述の「大国主神」のことを指しています。
通常は、葬儀や慰霊祭において唱えられますが、大国主神の御神徳を仰ぐことが出来る神語として、困ったことが起こったとき、救いを求めたいときなどに唱えると、効果絶大といわれています。
神咒・祝詞集
【地震の被害を避ける】
【人の善悪を知る秘言】
【開運・邪気払いの10の神咒】
久保多渓心 のプロフィール

画家の父、歌人の母のもと、福岡市博多区で生まれる。
バンド活動を経て、DJ、オーガナイザーとしてアート系イベント、音楽イベントなどを多数手掛ける傍ら、フリーライターとしても活動。
音楽雑誌でのアーティスト・インタビュー記事、書籍、フリーペーパー、WEBなどの媒体で政治、社会問題から、サブカルチャー、オカルトまで幅広いジャンルでコラムを執筆。
引きこもり、不登校、心の病など自身の経験を活かし「ピアカウンセリング」を主軸にしたコミュニティを立ち上げる。後にひきこもり支援相談士として当事者やその家族のサポート、相談活動にあたる。
現在は亡き父から継承した一子相伝の墨を用いた特殊な占術『篁霊祥命』や、独自のリーディングによって鑑定活動を行っている。2021年で鑑定活動は16年目を迎える。
月参り、寺社への参拝による開運術の指導なども行う。
『AGLA(アグラ)』スーパーバイザーを務める。
2020年10月より活動名をマーク・ケイより、久保多渓心に改名。