伏見稲荷大社 〜神々が行き交う神秘空間とお山巡り〜

2019.9.18

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久保多渓心 ( ライター・占術家 )

墨が織り成す一子相伝の占術 “篁霊祥命(こうれいしょうめい)” を主な鑑定手法とする占術家。他にも文筆家やイベント・オーガナイザーとしての顔も持つ。また引きこもり支援相談活動なども行なっている。

楼門から奥社奉拝所

楼門

楼門をくぐり、出発です!

伏見稲荷大社・本殿

本殿に参拝してまずは「奥社奉拝所」を目指します。

神馬舎

本殿を過ぎて右側、すぐに目に入ってくるのが「神馬舎(しんめしゃ)」です。

古来より神社と馬の関係性は深く、馬は神様の乗り物だとされ神聖視されてきました。現在では神の乗り物、移動手段といえば人々が担ぐ神輿がそれにあたりますが、それ以前は馬だったのです。かの怨霊伝説でも有名な崇徳天皇の頃より馬を神事に奉納する様になり、これが現在の絵馬の起源となっています。

こちらの「神馬舎」には賽銭箱の上に、多くの人参が捧げられています。「お稲荷さんと霊能者」(内藤憲吾 著/洋泉社)にはこの様な話が書かれています。

オダイである砂澤たまゑさんはお山をする(稲荷山へ参詣すること)時に必ず信者を連れてこの神馬舎に立ち寄り、人参を供えて拝んでいました。

ある日、拝んでいる途中で突然背後に並んで一緒に拝んでいる信者の方を向き「この中に、以前人参を供えるのを忘れたので次に持参すると言ったがまだ持ってきていない人はいませんか?」と言いました。

すると信者の1人が「しまった、ワシや。また持って来るのを忘れた!」と大声を上げたそうです。信者一同は爆笑。微笑ましい話ですが、ここで大事なことは、こちらにいらっしゃる神馬が参拝者の持って来る人参を楽しみにしていたり、オダイと会話をしているという事実です。

一般の方は神社には神様がいらっしゃるとは分かっていながらも、どこか信じきれていない部分がある。だからこそ、神社内で無作法を働いてしまったりもする訳ですが、こうやって神社内に鎮座されている神馬が意思を持って参拝者一人一人を見ていると知れば、神社や神様に対する思いも改まるのではないかと思います。

こちらの神馬舎は岡崎佐吉という和服の裁縫師が奉納したものだそうです。この様な立派な神馬舎が建つ前に神馬に向かって「私が50人を雇う様な身分になれば必ず小舎を建てる」と約束をし、後にそれが現実のものとなります。

今でも、稲荷の信者さん以外にも、こうしたお話をご存知の方が熱心に参拝なさっています。神馬舎の中には大量の名刺が投げ込まれていて、神馬のご神徳に預かろうという方が訪れているのです。

さあ、そろそろ千本鳥居に入って行きます。

千本鳥居は観光客の絶好の撮影スポット。

多くの方が立ち止まって写真撮影をされています。

奥社奉拝所

奥社奉拝所」にたどり着きました。

おもかる石

こちらには「おもかる石」などがあり多くの観光客が足を止める場所でもあります。

願いごとを心の中に思い浮かべながら、この「おもかる石」を両手で持ち上げます。持ち上げた時に「軽い」と感じれば、その願いは近く叶い、「重い」と感じれば、その願いが叶うには時間を要すると云われます。

皆さんも、一度お試しを!

稲荷山三ヶ峰遥拝所

奥社奉拝所の一番奥には稲荷山三ヶ峰の遥拝所があります。

頂上まで行けない方はこちらで稲荷山の神々に参拝します。

 

奥社奉拝所から四ツ辻


奥社奉拝所」の喧騒をかいくぐって先を急いでいた時に、ふと目に留まったのは何と黒猫。

やはりあのご住職の話は本当だったようです。ただし、山頂まで先導して案内をしてくれることはありませんでしたが、可愛い鳴き声をあげながら私の足にすり寄ってきてくれました。その黒猫の鳴き声が私にはこのように聞こえたんです。

先ほどは、私たちの仲間の亡骸を見つけてくれてありがとう。ここへ着くなり、あの様な役目を負わせて申し訳なかった。気をつけてお山なさい」と。

何だか報われた様な気がして心が温かくなりました。さて、白猫には会えるでしょうか。

根上りの松

次に見えて来るのは「奇妙大明神」という名がついた「根上りの松(膝松さん)」です。

この松は根っこが地上に露出しており、人が潜れる様になっています。足腰の病気を治してくれる神様として有名で、木に触れてから露出した部分を潜ると肩、腰、足に効くといわれています。

ある日、砂澤たまゑさんがこの「根上りの松」に祝詞をあげていると、それを中断して樹皮に耳をつけて、ウンウンと頷き始めました。信者がどうしたのかと聞いてみると「神様が(参拝者が触れるので)肌がボロボロになって痛いと仰っています。長年、雨風に晒されているので辛いと仰っています。そこで簡単な覆いを作ってあげたいと思います」と言うのです。

神様の願いを聞き入れた砂澤さんは大社の関係者に働きかけてお金を集め、現在のような覆いと鳥居が建てられ、松の上部が切断され立ち入り禁止となっているのです。

このお話からも、樹木には神様が宿るということが分かります。神様が宿った木をみだりに切ったり、不遜な扱いをして家系が絶えたり、病気になったりという話を聞くことがありますが、それがそこに宿った神様からのメッセージであることは疑いようのない事実でしょう。

熊鷹社

熊鷹社」に到着しました。

新池(谺ヶ池)と熊鷹社

この社殿の向こうには新池という池があります。別名は谺ケ池(こだまがいけ)

行方が分からなくなった人を探す時に、ここを訪れて池に向かって手を打つ。こだまが返って来た方角を探せば行方が分からなくなった人の手掛かりが掴めるという言い伝えがあります。

熊鷹社から四ツ辻へ

四ツ辻から京都市街地を望む

四ツ辻」からは京都市街地が一望できます。

稲荷駅にたどり着いた時は空を雲が覆っていましたが、少しずつ晴れ間が広がり気温も上昇。

休憩を取りたいところですが、先を急ぎます。四ツ辻から右回りと左回りに登拝する方法がありますが、その判断は人それぞれ。左回りの方が若干頂上までの道のりは傾斜が緩く楽です。私は最後に御膳谷奉拝所に立ち寄りたいので、左回りで頂上へ向かいます。

四ツ辻から一ノ峰を経て薬力社

「四ツ辻」を過ぎると、観光客の姿がまばらになります。

ここから先は神聖で静謐な雰囲気が味わえます。実はこの辺りで白猫に出会いました!やはり頂上近くにいるのは白猫だったんですね!この白猫も人懐っこく、自分から鳴き声をあげながらすり寄って来ました。何と黒猫同様、白猫も写真を撮るのを忘れてしまっていました...

三ノ峰(白菊大神)

間ノ峰(荷田社・伊勢大神)

二ノ峰(中社・青木大神)

三ノ峰(下之社神蹟・白菊大神)」、「間ノ峰(荷田社神蹟・伊勢大神)」を経て、二ノ峰(中之社神蹟・青木大神)」に参拝。

一ノ峰(上之社神蹟・末広大神)

稲荷山の頂上(標高233m)である「一ノ峰(上之社神蹟・末広大神)」にたどり着きました。四ツ辻で撮影した空よりも晴れ渡って来ました。

ここからは下りです。

春繁社

春繁社

長者社

長者社

薬力社」と「薬力の滝」への入り口

薬力社

「薬力社」は無病息災の御神徳があり、製薬会社、薬局などから厚く信仰されています。奉納されている鳥居にも大手製薬会社の名前が多数見受けられます。

この「薬力社」に隣接して咳の神様「おせき大明神」が祀られています。通称「おせきさん」といい「喉(のど)の神様」です。何でも「京都市伏見稲荷おせきさん」の宛名でこちらにちゃんと郵便物が届くそうで、咳や喘息の発作で苦しんでいる全国の方々から日々「咳を止めて欲しい」というハガキが届いているのです。ひどい喘息に苦しんでいる方が発作を起こしながらも必死の思いでこちらに参拝したところ、到着した途端に発作が治まったという話もあります。

久保多渓心 のプロフィール

久保多渓心

画家の父、歌人の母のもと、福岡市博多区で生まれる。

バンド活動を経て、DJ、オーガナイザーとしてアート系イベント、音楽イベントなどを多数手掛ける傍ら、フリーライターとしても活動。

音楽雑誌でのアーティスト・インタビュー記事、書籍、フリーペーパー、WEBなどの媒体で政治、社会問題から、サブカルチャー、オカルトまで幅広いジャンルでコラムを執筆。

引きこもり、不登校、心の病など自身の経験を活かし「ピアカウンセリング」を主軸にしたコミュニティを立ち上げる。後にひきこもり支援相談士として当事者やその家族のサポート、相談活動にあたる。

現在は亡き父から継承した一子相伝の墨を用いた特殊な占術『篁霊祥命』や、独自のリーディングによって鑑定活動を行っている。2021年で鑑定活動は16年目を迎える。

月参り、寺社への参拝による開運術の指導なども行う。

『AGLA(アグラ)』スーパーバイザーを務める。

2020年10月より活動名をマーク・ケイより、久保多渓心に改名。

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