【川の鳥居・渓谷の鳥居・滝の鳥居!】行ってみたくなる、変わりダネ鳥居⑤

2021.3.31

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久保多渓心 ( ライター・占術家 )

墨が織り成す一子相伝の占術 “篁霊祥命(こうれいしょうめい)” を主な鑑定手法とする占術家。他にも文筆家やイベント・オーガナイザーとしての顔も持つ。また引きこもり支援相談活動なども行なっている。

今回ご紹介するのは、すべて「水」に関連する鳥居です。

 

川の中の鳥居

栃木県大田原市を流れる岩川には、川の中に入らなければくぐれない鳥居があります。

この鳥居、「天台宗・光丸山法輪寺」の奥之院へ参拝する順路に建てられた3基のうちの「一の鳥居」にあたります。昔はこの川で沐浴潔斎(身を清めること)をしてから、鳥居を一つずつくぐって奥之院へ参拝したのだそうです。

第三代天台座主・慈覚大師円仁によって貞観2年(860年)に開山された古刹、光丸山法輪寺。お寺なのに鳥居をくぐって参拝するように、神仏混淆の色合いが強く残されています。

初院、中の院、奥の院、大日堂からなり、大日堂に隣接する天狗堂には大天狗面()が納められています。この大天狗面、高さ2.14m、幅1.5m、鼻の高さ1.3m、重さは1tもあり、木製の天狗面では大きさ日本一を誇ります。

毎年11月3日に行われる、光丸山大縁日の本祭では神輿の渡御が、天狗の面をつけた人々とともに佐良土の町を練り歩きます。

光丸山奥之院一の鳥居(
〒324-0404 栃木県大田原市佐良土

 

渓谷の鳥居

深谷龍鎮渓谷(龍鎮の滝)龍鎮神社

龍鎮神社の鳥居と祠

深谷川

室生赤目青山国定公園に指定される室生湖に注ぐ清流「深谷川」は、自然豊かな美しい景観で知られる渓谷です。

室生ダム沿いから続く道路を南東に進んでいくと、赤い小さな龍鎮橋が見えてきます。この袂に遊歩道が整備されており、その先にエメラルドグリーンの澄み渡った水の流れが美しい「深谷龍鎮渓谷」と「龍鎮神社」があります。

神社といっても立派な社殿があるわけではありません。渓流の向こうには鳥居と小さな祠があり、手前には祠を拝むための拝殿が設置されています。

龍鎮神社は、「海神社」の境外摂社にあたり、水神、雨乞いの神である「高龗神(タカオカミノカミ)」を祀ります。

海神社は「室生龍穴神社」から、善如龍王という龍神を勧請して創建された社です(その他、本殿には九頭龍大明神、牛頭天皇、少那彦名命、天照大御神荒魂、豊玉姫命を祀る)。

室生には龍神に関する言い伝えも多く、龍鎮神社一体は特に龍神の息吹を感じられるパワースポットです。

*龍鎮神社のご祭神、高龗神の「龗(おかみ)」という漢字は「龍」を意味します。

龍鎮神社の拝殿

龍鎮神社の鳥居

朝霧の室生湖

深谷龍鎮渓谷(龍鎮の滝) 龍鎮神社
〒633-0211 奈良県宇陀市榛原荷阪

海神社
〒633-0315 奈良県宇陀市室生大野1655

室生龍穴神社
〒633-0421 奈良県宇陀市室生1297

 

瓜割の滝

爪も割れるほどの冷たい水が流れる滝、という故事から名付けられた「爪割の滝」。水温は年間を通して11度ほどで、夏でもその水は冷たく、避暑地として観光客に親しまれています。

名水百選ほか、水をめぐる歴史文化と、水環境に優れ、水を活かした町づくりに成果をあげている地域が選ばれる「水の郷百選」にも認定されている瓜割の滝は、「天徳寺」境内奥の森の中にあります。

天徳寺は、泰澄大師によって開基された、高野山真言宗に属する寺院です。

元々、この周辺では「水の森」と呼ばれる修験者たちの修行の聖地でした。この地の水は「霊水」としており、それを護る守護尊は「不動明王」です。つまり、この地の水神は龍神ではないのです。

この鳥居のある一帯は、雨乞いのための祈祷所であったそうで、かつて陰陽師である安倍晴明もこの地で、雨乞いの祈願をしたという言い伝えが残されています。

天徳寺

爪割の滝
〒919-1543 福井県三方上中郡若狭町天徳寺

 

 

滝の鳥居

原尻の滝

二宮神社一ノ鳥居

原尻の滝

大分県豊後大野市緒方町には、一宮八幡社、二宮八幡社、三宮八幡社からなる「緒方三社」が鎮座しています。一宮には父である仲哀天皇が、二宮には母である神功皇后が、三宮にはその子である応神天皇が祀られています。

緒方川を挟んで北側には三宮神社が、南側には二宮神社と一宮神社があります。この緒方川にあるのが日本の滝百選にも選ばれている「原尻の滝」。そのダイナミックな滝の流れから、東洋のナイアガラの異名をもちます。

この原尻の滝の、上流すぐの川中に建っているのが二宮神社の一ノ鳥居です。滝を見上げると、鳥居が見えるという不思議な光景です。上の画像、滝の上を走る道路を左に進めば二ノ鳥居が建っています。

この鳥居には面白い謂れがあります。

この地域の領主であった緒方惟栄(おがたこれよし)が、三社の元宮にあたる社から3本の矢を放ち、1本目の矢が落ちたところに一宮社、2本目の矢が落ちたところに二宮社、3本目の矢が落ちたところに三宮社が建てられたと言い伝えられています。

緒方三社では毎年旧暦の10月14日、15日に近い土曜、日曜日に「緒方三社川越し祭り」が開かれます。一宮社の仲哀天皇、三宮社の応神天皇が、氏子の担いだ神輿に乗り、二宮社に集い、年に一度だけ親子三人水入らずで過ごすのです。

原尻の滝

二宮八幡社

二宮八幡社一ノ鳥居
〒879-6631 大分県豊後大野市緒方町原尻

 

 

最上川・不動堂神社

こちらも、日本の滝百選に選ばれている、山形県最上郡にある「白糸の滝」。

最上川にある48もの滝の中で最大の、落差120メートルを誇る名瀑です。草薙温泉の対岸にあり、温泉から望む滝は格別です。

この白糸の滝の真下にあるのが、不動堂神社。雪で覆われる季節になると、朱の鳥居が際立ち、神秘的な存在感を放ちます。

瓜割の滝でもそうだったように、こちらの滝を護るのも不動明王。滝は古くから修験者たちの「垢離(こり)」、いわゆる滝行に使われてきました。

滝行は様々な面で危険を伴う行なので、それらから身を守ってくれるのが不動明王だったんですね。滝の側に不動明王が祀られていることが多いのは、そうした理由があります。

この不動堂は滝壺にあるため、対岸から船で渡るしか行く方法がありません。最上川の舟下りを利用して上陸、散策することも可能ですが、対岸から眺める鳥居の方が美しいですね。

不動堂神社
〒999-6401 山形県最上郡戸沢村古口 3066

 

参考文献

『鳥居 百説百話』川口謙二、池田孝、池田政弘著 東京美術
『鳥居』谷田博幸著 河出書房新社

久保多渓心 のプロフィール

久保多渓心

画家の父、歌人の母のもと、福岡市博多区で生まれる。

バンド活動を経て、DJ、オーガナイザーとしてアート系イベント、音楽イベントなどを多数手掛ける傍ら、フリーライターとしても活動。

音楽雑誌でのアーティスト・インタビュー記事、書籍、フリーペーパー、WEBなどの媒体で政治、社会問題から、サブカルチャー、オカルトまで幅広いジャンルでコラムを執筆。

引きこもり、不登校、心の病など自身の経験を活かし「ピアカウンセリング」を主軸にしたコミュニティを立ち上げる。後にひきこもり支援相談士として当事者やその家族のサポート、相談活動にあたる。

現在は亡き父から継承した一子相伝の墨を用いた特殊な占術『篁霊祥命』や、独自のリーディングによって鑑定活動を行っている。2021年で鑑定活動は16年目を迎える。

月参り、寺社への参拝による開運術の指導なども行う。

『AGLA(アグラ)』スーパーバイザーを務める。

2020年10月より活動名をマーク・ケイより、久保多渓心に改名。

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うらなってMe

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