【埋没鳥居のバリエーション】行ってみたくなる、変わりダネ鳥居⑮

2021.5.31

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久保多渓心 ( ライター・占術家 )

墨が織り成す一子相伝の占術 “篁霊祥命(こうれいしょうめい)” を主な鑑定手法とする占術家。他にも文筆家やイベント・オーガナイザーとしての顔も持つ。また引きこもり支援相談活動なども行なっている。

埋没鳥居

今回は「行ってみたくなる、変わりダネ鳥居」の第一回でご紹介した「埋没鳥居」の、その他のバリエーションを見てまいりましょう。

(*埋没鳥居については以下をご参照下さい)

 

小椋神社

小椋神社の初代一ノ鳥居

滋賀県大津市仰木に鎮座する古社「小椋神社」。

一見すると土の中に埋まっているように見えるこちらの鳥居。鎮座1150年を記念し、平成18年に新しい鳥居が建立されたため、境内社の若宮神社横に移築された初代の一ノ鳥居。

後水尾(ごみずのお)天皇皇女である賀子内親王(1632〜1696)の寄進による由緒ある鳥居(石橋などと合わせて寄進されている)ということもあり、こうして今も大事に安置されています。

小椋神社・社殿

小椋神社
住所:〒520-0247 滋賀県大津市仰木4丁目38−55
HP:http://ogurajinja.org/

 

牛根麓稲荷神社

牛根麓稲荷神社の埋没鳥居

第一回でご紹介した「黒神埋没鳥居」同様、「牛根麓稲荷(うしねふもといなり)神社」の鳥居も大正3年(1914年)に発生した桜島の大噴火による降灰で埋没しました。

牛根麓の地は大噴火当時、降石灰が約90〜120cm堆積する大変な状況でした。この鳥居は歴史的にも貴重な資料となっており、現在は地表1.45mまで掘り出されて保存されています。

平成24年2月には、垂水市指定天然記念物に指定されました。

牛根麓稲荷神社
住所:〒899-4632 鹿児島県垂水市牛根麓675−1

恵美須神社

現代アートと自然が見事に融合し、年間40万人の観光客で賑わう、アートの島「直島」。コロナ禍にあって観光客数は7割減、土産物の売上も8割減と苦境に立たされているという報道もありました。

そんな直島の、琴弾地(ごたんじ)海水浴場にある「恵美須神社」の鳥居。

こちらの鳥居は、沿岸流により押された砂が鳥居の柱周辺に堆積して埋もれたもの。鳥居といえば見上げるほど高いものですが、この鳥居は人の背丈ほどの高さ。

この鳥居に石を乗せると願いが叶うといわれています。子供のころ、鳥居に石を投げて乗せる遊びをしていたのを思い出しますが、この鳥居は簡単に乗せられますね。ただ、たくさんの人が石を乗せているので、落とさず乗せるのは難しいかも。

小さな砂に埋もれた鳥居が、瀬戸内海のバックによく映えています。この鳥居の西側には、あの草間彌生さんの「南瓜」のオブジェも!

恵美須神社鳥居
〒761-3110 香川県香川郡直島町積浦

 

 

参考文献

『鳥居 百説百話』川口謙二、池田孝、池田政弘著 東京美術
『鳥居』谷田博幸著 河出書房新社

久保多渓心 のプロフィール

久保多渓心

画家の父、歌人の母のもと、福岡市博多区で生まれる。

バンド活動を経て、DJ、オーガナイザーとしてアート系イベント、音楽イベントなどを多数手掛ける傍ら、フリーライターとしても活動。

音楽雑誌でのアーティスト・インタビュー記事、書籍、フリーペーパー、WEBなどの媒体で政治、社会問題から、サブカルチャー、オカルトまで幅広いジャンルでコラムを執筆。

引きこもり、不登校、心の病など自身の経験を活かし「ピアカウンセリング」を主軸にしたコミュニティを立ち上げる。後にひきこもり支援相談士として当事者やその家族のサポート、相談活動にあたる。

現在は亡き父から継承した一子相伝の墨を用いた特殊な占術『篁霊祥命』や、独自のリーディングによって鑑定活動を行っている。2021年で鑑定活動は16年目を迎える。

月参り、寺社への参拝による開運術の指導なども行う。

『AGLA(アグラ)』スーパーバイザーを務める。

2020年10月より活動名をマーク・ケイより、久保多渓心に改名。

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