2021.7.5
四柱推命×アロマテラピーで心と身体のセルフケア『私らしく生きるための東洋の智慧(連載第十三回)』

アロマテラピーで五行バランスを調えよう
今回のコラムからは、私たちの心と身体に現れやすい不調を陰陽五行の視点で読み解き、それらを改善するためのアロマテラピーを用いたセルフケア法をお伝えしていきます。
以前こちらの記事で、「心と身体、そして運気はつながっている」ということ、また「四柱推命を使って体質を知り、心身を調えて運気を上げることができる」というお話をさせていただきました。
★内なる陰陽五行を調える方法(連載第六回)★
東洋思想から生まれた、陰陽五行や四柱推命。
そして、西洋生まれのアロマテラピー。
なんとなく相容れない感じがするかもしれませんが、どちらも紀元前より私たちの心身や運気を調えるための道具として、何千年ものあいだ重宝されてきたという共通点があります。
西洋で植物の薬効が初めて書物としてまとめられたのは、なんと紀元前50~70年頃。
薬理学と薬草学の父と呼ばれるディオスコリゲスによって著されたこの本は、現在でも「完全な本草書」といわれているそうです。
東洋医学においても、漢方薬として植物が古来より使用されていますし、植物が私たちに与えてくれる恵みは東洋も西洋も同じなのだと感じます。
アロマテラピーは五行でいうと【木】。
五行の中で唯一の有機物である「木」は、バイブレーション(波動)と関連します。
自然で育った植物からとれた精油は、香り成分そのものの効能だけでなく、私たちが個々にもっている波動と共鳴して、心身を健やかな状態に導いてくれる働きをもっています。
日常に取り入れやすいアロマテラピーを使って、ぜひ植物のエネルギーを味方につけながら五行バランスを調えてくださいね
今回は第一回目、木のバランスを調えるための精油をお伝えします。
自律神経系との関連が深い木
前回までの【五行タイプ論】でお伝えしたように、木タイプの人たち(日干が甲または乙の人/春生まれの人など、基本命に木が多い人)は、「成長したい」という想いが強く、嘘がつけない性格で頑張り屋さんが多いのが特徴です。
また、気(波動・バイブレーション)に敏感で空気を読む力に長けており、まわりの人たちの心の動きを汲み取る力をもっています。
心と身体が元気なときはその特性をプラスの方向に使い、目標に向かってひたむきに努力したり、周囲への自然な気配りができたりと、芯の強さと思いやりを真っ直ぐに表現することができます。
木タイプに限らず、木のバランスが調っている人たちは、この「努力できる力」「空気を読む力」をスムーズに発揮できる人が多いです。
そんな木タイプの人たちは、実は五行の中で一番 自律神経を崩しやすい傾向が。
まわりの人たちに配慮できるということは、それだけ常に気を張っているということでもあります。
そして、木が担当している季節は春であり、樹木が空に向かって伸びていくように、春は誰もが気が上がりやすいといわれています。
これと同様に、木の気が過剰になっている人たちは、頭に気が集まってしまい、常に考え事をしてしまう傾向にあるのです。
頭の中がいつも考え事でグルグルしていると、「今ここ」に集中することができずに、不安や心配事が膨らんで感情も大きく揺れ動きます。
そんな不安定な状態が続くと自律神経が乱れ、イライラしたり溜め込んだ感情を身近な人に爆発させてしまったりと、不本意な問題を起こしてしまうのです。
木のバランスを崩しやすい人にとって、緊張状態から解き放たれてリラックスできる時間と場所はとても大切です。
「人生の目的」を宇宙から受け取る力
五行は精神活動を表す【五神(ごしん)】にそれぞれ区分されます。
五神には「魂(こん)・神(しん)・意・魄(ぱく)・志」があり、木はその中でも「魂」と関係しています。
魂とは、私たちの自我(小宇宙)と大宇宙とを繋げてくれるものであり、大宇宙から人生の目的や方向性を受け取っています。
直感やビジョン、更には夢もこの魂の担当するところ。
夢は潜在意識や宇宙からのメッセージだといわれますが、これらをキャッチする力も魂の役割なのです。
ですので、木のバランスが崩れて魂の力が弱まってしまうと、人生の目標を見失ってしまったり、必要な情報をキャッチできなくなったりということが起こります。
このように、自律神経系の乱れや、それによるメンタルの不調は木と深く関係しています。
それらのアンバランスが身体に出ると、以下のような症状として現れやすくなります。
◎不眠
◎エネルギー不足
◎目の疲れ
◎首・肩の痛み
◎月経トラブル・生理痛
◎神経に関するトラブル(感覚の異常など)
◎皮膚の不調(乾燥、かゆみなど)
◎のどや気管支の不調
木のバランスを調えてくれる精油たち
木タイプの人たち、またこれらの傾向をもっている人たちにおすすめしたい精油は、ペパーミント・カモミールローマン・カモミールジャーマン・オレンジ・メリッサ・ユーカリなどです。
ペパーミント
考え過ぎてしまう人、心配や不安で気持ちが不安定になりやすい人に。
神経性・過敏性の胃腸トラブルのあるときに特におすすめ。
ペパーミントを染み込ませた濡れタオルを瞼に乗せると目や肩がスッキリします。
カモミール(ローマン/ジャーマン)
張りつめた心をリラックスさせてくれます。イライラや人に期待しすぎてしまうときに。
目の疲れによる肩・首の不調にも。月経トラブルにはローマンがおすすめ。
寝室に香らせると眠りをサポートしてくれます。
オレンジ
リラックス効果とリフレッシュ効果をあわせもつこの香り。
緊張をゆるめて、ポジティブな気持ちや大らかさを与えてくれます。
お腹が張っているときや、神経的な疲れによる食欲不振にも。
メリッサ
希少ですが甘さと爽やかさのバランスがとても魅力的な精油。
繊細さから感情を抑圧し、我慢してしまいがちな人の心をケアしてくれます。
若返りの妙薬ともいわれ、月経トラブルのサポートにもなります。
ユーカリ
木が弱っているときに出やすいのどの痛みや気管支の不調に。
スッキリとした香りが憂鬱な気持ちを取り払い、浄化してくれます。
広い視野を与えてくれるので、人生の目的や目標を見失ってしまったときにも。
各精油には禁忌や注意事項があります。
精油を使用する際にはそれらをきちんと調べて生活に取り入れてくださいね。
また、合成香料の入ったアロマオイルも出回っていますので、必ず100%天然のものを使った精油(エッセンシャルオイル)を使用してください。
揺れやすい自分を許してあげよう
木は色でいうと、グリーンやオリーブグリーンと関係しています。
オーラソーマの色彩言語でもグリーンは感情と関係していますし、それらは植物の色でもあるので「揺れる」というキーワードをもっています。
加えて、「決断」という意味と、その対義語である「迷い」という意味も。
五行の木は五臓六腑でいうと、肝と胆を担当しています。
東洋医学でいう肝・胆は、西洋医学よりも広い意味で使われるので、肝臓と胆嚢を直接指しているという訳ではなく、そこに関連している機能やエネルギー全体をいいます。
私たちは「肝(胆)が据わっている」とよく言いますが、肝・胆は行動するエネルギーや決断をする力、物事を続ける力と関係しています。
ですので、木のバランスが崩れてしまうと、決断力を失ったり飽きっぽくなったりすることも。
木タイプの人たちが揺れ動きやすいのは、決して短所ではなく、ひとつの特性だといえます。
まわりの気を感じとりやすいことで疲れやすくもありますが、それは気配り上手でやさしさと思いやりに溢れた木の人たちの才能なのです。
心が揺れ動くことを止めようとするのではなく、ただそれを許して自由にさせてあげること。
揺れ動きやすいからこそ、自分自身の心にもちゃんと目を向けて、そこをケアしてあげること。
木が持ち前の繊細さをプラスに発揮できるように、そして、芯の通った強さでたゆまず成長していけるように、どうぞ自分への思いやりを忘れずに日々を過ごしていただけたらと思います。
星川亜輝子 のプロフィール

会社員時代、セルフケアのために学んだアロマテラピーの奥深い世界に魅了され、本格的にアロマセラピストの道へ進むことを決意。
2008年から約5年間、福岡市内のリラクゼーションサロンにてリフレクソロジーや整体、ロミロミなどを通し、のべ7,000人以上のお客様のボディケアを担当。
その後、自分の今後を悩み始めたタイミングで、イギリス発祥のオーラソーマ®と再会。サロンの店長として日々奮闘する傍ら、オーラソーマの探求をスタートする。
より自分らしい生き方へとシフトさせてくれたオーラソーマの魅力、そして、体だけでなく心をケアすることの大切さをもっと伝えていきたいと、2013年5月【Kwan-Yin クワンイン】をオープン。
5周年を迎えた2018年5月、結婚という転機を迎えて自宅サロンとして再出発。
「心身両面、そして魂からの歓びと幸せをサポートする」という想いは変わらず、新たに四柱推命や陰陽五行を取り入れたメニューを提供中。
ホームページ→ https://www.kwan-yin.jp