2021.7.14
心を温め鎮めるロックローズ『心を癒す花のエネルギー バッチフラワーレメディのある暮らし(連載第二十七回)』

ロックローズは、バッチ博士が12番目にシリーズに加えた花です。
凍り付くような恐怖心、無意識の中からでも起こりうる深い恐れの気持ちは、自分が今どんな状態にあるのかさえ、わからなくします。
自分自身で怖さを認識しているなら、それに対して選べるレメディはたくさんあります。
でも、怯え切って、意識が飛んでしまうと、自分を見失ってしまっているので、原因や状況など伝えることができません。
恐怖の只中にいる人を救う、それがロックローズのレメディです。
恐れはどこから来るのか
突然の出来事が、一瞬にして景色を一変させることがあります。
自然の脅威による災害も、人為的な攻撃や傷害も、衝撃を受ける人にとっては、どちらも同じことで、瞬時に見えるものが変わるので、そこには恐怖心しか残りません。
また、そのような外的な要因だけでなく、自分でもどこから起こったのかもわからない、突然パニック的にこみ上げるものに打ちのめされることもあるかもしれません。
そうなると、原因や発端がどうあれ、意識は失われ、文字通り我を忘れるでしょう。
この状態では、周りの人が手を差し伸べて助けることもできず、さらにその人たちにも恐ろしい気持ちが伝わるので、その場は極限の恐怖状態となるかもしれません。
いわゆる”パニック”は、原因があろうとなかろうと、突然に襲ってきて、その本人も、それを取り巻くその場の空気も凍てつかせます。
それは心の中のことでありながら、過呼吸になったり、大きく震えたり、立っていられなくなったり、動悸が酷くなったり、また汗をかくか、逆に手足が驚くほど冷たくなるなど、からだが表現して訴えることもあります。
パニックの原因は探ることができない
人はみな、物事がうまく行かなかったり思い通りにならないと、その原因を確かめて、それに対応することでそれを克服しようとします。
でも、こうした突然襲う恐怖や戦慄は、思い出すことも恐ろしく、苦しみを伴うから、解決策を講じる作業など、できるはずもありません。
もしかすると、小さな芽から広がった恐怖かもしれませんが、私たちはそこから目を背けることで自分を取り戻すことができることを無意識に感じて、目を閉じたままこわごわ元の世界に戻っていくしかないのです。
正気に戻ると、次にはそうならないように原因を探りたいと思うかもしれませんが、それよりは、そんな時間があったことを忘れることの方が、心の安定には早かったりします。
だから、自分でも予知できない恐怖や戦慄は、突然のように訪れるものなのです。
小さくても力のある花が運ぶもの
そんな恐れを鎮め、安心をもたらす「ロックローズ」、和名はハンニチバナ。
その名が表すように、花が開いても、日が陰ったり、その日の夕方には散ってしまいます。
高さ30㎝くらいで地面に近いところに低く咲く直径2-3cmの小さな花は、色はくっきりと黄色く、属名であるハンニチバナ属のHelianthemumは太陽神ヘリオスの花、すなわち”太陽の花”、種小名のnummulariumは”コインのような”という意味を持っています。
花が咲いていないと気付かず通り過ぎてしまいますが、花が開くと、離れたところからでも、落ちている金貨がきらきらしているように、見つけることができます。
この植物は見た目の儚さにもかかわらず、荒れた土地でも育つ力を持ち、咲く場所を選ばない強さがあります。
そんなところが、恐怖のどん底に落ちて冷え切った心に、太陽の熱を伝えてくれる役割を果たすようです。
バッチ博士は、このレメディを、救急の状態の患者とそれを取り巻く人々に、まず安心を与えるために作りました。バッチ博士が多くの患者をその力で癒したように、誰もがそれを使って癒しの端緒につけるようにと願ったのです。
ロックローズのレメディを2滴飲むと、状況は何ら変わらないのに、不思議に穏やかで落ち着いた気持ちになります。
パニックを経験し、その再発を恐れる人のお守りにもなることでしょう。
不安の種を探すのではなく、安心の光をロックローズの中に見出してください。
バッチ博士の言葉
レスキューレメディ(緊急時のレメディ)です。一見希望が持てないように見える場合に使えるレメディです。事故や急病、または、患者さんがとても怖がっているか、恐ろしがっている時、そして周りの人に恐怖感を与えるほど事態が深刻な時に使われます。患者さんの意識がない場合、レメディで唇を湿らせてあげることもあります。
もし、意識を深く失い、眠っているような状態であれば、クレマチスを、激しい苦痛があるようならアグリモニーをというように、他のレメディを併用して使うこともあります。
『トウェルブヒーラーとその他のレメディ』エドワード・バッチ(1936)
『バッチ博士の遺産』所収(2012)バッチホリスティック研究会・訳・刊
京ヶ島弥生 のプロフィール

心身の健康のために、自分で自分のこころ、感情の状態に気づき、セルフヘルプでバランスを整えることができる「フラワーエッセンス/バッチフラワーレメディ」の活用を伝え続けている、海と空のブルーが大好きな自然療法家。
東京は下町生まれ、1998年に鎌倉・七里ガ浜に移住。
2001年から、アロマセラピー、バッチフラワーレメディ、ハーブセラピー、ホリスティックヘルスなどの自然療法分野で、講座やイベントの開催、個人から企業までのコンサルテーション、商品の販売など、東京、横浜、鎌倉で場所・ジャンルを問わず活動。
東京でのハードなビジネスマン生活20年、大学教員15年、ワーキングマザー30年、介護施設での高齢者ケア、災害ボランティアなども経験。
こうしたバックグラウンドにより、子供から大人、ご高齢の方、男性女性問わず、どなたのご相談にもお応えできるプロフェッショナルなフラワー&アロマセラピスト。
○バッチ財団登録プラクティショナー・バッチ国際教育プログラム認定講師
○IFPA(国際プロフェッショナルアロマセラピスト連盟)認定アロマセラピスト
○日本ホリスティック医学協会認定生活習慣病予防指導士・ホリスティックヘルス塾インストラクター
○
有限会社フロスヴィータ 代表取締役
ホームページ→ http://www.flosvita.co.jp
Facebook→ https://www.facebook.com/flosvita/