2021.10.6
柔らかな”強さ”のためのバイン『心を癒す花のエネルギー バッチフラワーレメディのある暮らし(連載第三十三回)』

強さは、生き抜く上で大事な質。
でも、過剰な強さは何ものも受け付けない”頑なさ”に転換する。
受け入れることを忘れたとき、それはただの支配になる。
自信をもって進む強さとは
常に先頭に立って、みんなを引っぱっていかなければならない・・・
重い使命を背負い、重要な判断を迫られる・・・
そんな場面に直面するとき、その人の中の”強い芯”が支えになります。
誰にも負けない、知恵、からだ、心。
何ものにも屈しない、揺るぎない信念。
それらに支えられた、固い意志。
こうした能力を持ち、その才をいかんなく発揮する人は、全ての人を率いるリーダーにふさわしいのです。
知恵に支えられた信念は力になり、意志の力が目指す方向を確かにするので、それによって成功を収めることができるでしょう。
しかし、こうした強い意志は、時として、周囲の人の気持ちを思いやることを忘れさせ、人を威圧的な方法でコントロールしたりする面も秘めています。
リーダーシップとは、その道筋を全うするために、使い方を誤ると、ともすると冷酷で過度な要求を周りの人に強いたりする方法論に走りがちなのです。
その姿は、力もあり頼れる半面、周りからは冷たく、厳しく、怖い存在であったりします。
日常生活の中の支配者
人の上に立つと、下の様子はよく見えるでしょうが、見下しがちになるかもしれません。
人の前に立つと、目前のことに夢中になって後ろを振り返ることを忘れるので、後ろに連なっている人たちを思いやることも忘れます。
こうした振る舞いは、一国のリーダーやある分野のトップの話と思うかもしれませんが、一家の中でも、家族をまとめる立場の人が、自分では気づかず、支配的になっていることがあります。
いろいろなことを知り尽くしている人は、その分野は自分が主導権を握れるので、迷ったり困ったりしている人に、解決策をすぐに示すことができます。
だからこそ、元々は自分より弱い立場の人をかばうつもりが、徐々に自分が思う通り、言う通りにしていないと感じると苛立ち、思いのままに動かそうとします。
家庭内には暴君的な父親もいれば、秩序だった家のルールに反する家族に厳しい母親もいるでしょう。
周りからは、すぐに怒るからと煙たがられ、果てはいないとほっとされたりしているかもしれません。
こうあるべき、こうなら幸せ、ということを、自分勝手に考えて、周りもそうだ、そうあるべきだ、と決めつけている態度は、日ごろ私たちが属する小さな集団の中にも、たくさん見ることがあります。
人を率い、導く立場の人が、その持てる力を特権的に利用すると、自己中心的で独善的な存在になってしまうのです。
こだわりと緊張を解き、能力を存分に発揮する
こうした支配的な態度に、「バイン」のレメディがあります。
自分では気づきにくいかもしれませんが、自信がある分野なのに自分の能力を疑ったり、周りと調和がとれないと感じたとき、バインのタイプは自分より、周りの人に対して苛立ちを感じ、それを無視しても進もうとするでしょう。
そんなとき、このバインのレメディを飲むと、わだかまり、こだわりが消えて緊張が解けるので、なぜか安心感に満たされます。
人に対するまなざしも、寛容で温かみが戻ります。
バインのレメディは、葡萄の花から作られます。
バインはイギリスでは育ちにくいので、1933年にこのレメディの必要性を感じたバッチ博士は、スイスの友人に依頼して、その花から太陽法でレメディを作ってもらいました。
5000年前にコーカサスで栽培され始めたこの植物は、ローマ帝国が遠征して他国を征服した地に植え付けてヨーロッパ全土に広がったことから、権力の象徴としてイメージされることもあります。
バインはつる性で、周囲のものに巻きつく力が非常に強く見られます。
根も地中深く張って、600年近く生きる木です。
ただ、種子にはエネルギーが少なく、発芽しにくいので、挿し木から育てられることが多いようです。
植物では、一般的に種子にエネルギーが強く集まりますが、バインはそうしたエネルギーは果肉で使い果たされます。
それを守る果皮には酵母菌があるので、すぐにアルコール化する性質もあります。今私たちが世界中で楽しむワインも、そうした性質のおかげです。
長く生き、たやすく繁茂するように思えるバインも、自分だけでは無力で、他者の支えとエネルギーの置き所がその力の発揮に欠かせないのです。
バインのレメディを飲むと、人を操ろうとしていた力が、自分を支えてくれるエネルギーと同源であったことに気づかせてくれるのでしょう。
そのおかげで、自分の中の弱さにも、気づいたり認めることができるようにもなります。
その気づきは、周囲への働きかけを寛大なものに変え、人を動かすより、自分自身を自在に動かす柔軟さを与えます。
トップに立つものだからこそ、柔らかさを持っていたい。
真の支配者が支配するべきは、人ではなく、自分自身なのですから。
バッチ博士の言葉
大変能力のある人で自分を信じ、成功することを疑いません。
余りにそれを確信しているために、自分のしていること、あるいは正しいと信じていることを他の人にも押しつけ、それがその人のためになると考えています。病気の時でさえも、指示しようとします。このタイプの人は、緊急の時には本当に頼りになります。
『トウェルブヒーラーとその他のレメディ』エドワード・バッチ(1936)
『バッチ博士の遺産』所収(2012)バッチホリスティック研究会・訳・刊
京ヶ島弥生 のプロフィール

心身の健康のために、自分で自分のこころ、感情の状態に気づき、セルフヘルプでバランスを整えることができる「フラワーエッセンス/バッチフラワーレメディ」の活用を伝え続けている、海と空のブルーが大好きな自然療法家。
東京は下町生まれ、1998年に鎌倉・七里ガ浜に移住。
2001年から、アロマセラピー、バッチフラワーレメディ、ハーブセラピー、ホリスティックヘルスなどの自然療法分野で、講座やイベントの開催、個人から企業までのコンサルテーション、商品の販売など、東京、横浜、鎌倉で場所・ジャンルを問わず活動。
東京でのハードなビジネスマン生活20年、大学教員15年、ワーキングマザー30年、介護施設での高齢者ケア、災害ボランティアなども経験。
こうしたバックグラウンドにより、子供から大人、ご高齢の方、男性女性問わず、どなたのご相談にもお応えできるプロフェッショナルなフラワー&アロマセラピスト。
○バッチ財団登録プラクティショナー・バッチ国際教育プログラム認定講師
○IFPA(国際プロフェッショナルアロマセラピスト連盟)認定アロマセラピスト
○日本ホリスティック医学協会認定生活習慣病予防指導士・ホリスティックヘルス塾インストラクター
○
有限会社フロスヴィータ 代表取締役
ホームページ→ http://www.flosvita.co.jp
Facebook→ https://www.facebook.com/flosvita/