2021.10.25
アロマでエネルギーを循環させて 自分らしさを取り戻す『私らしく生きるための東洋の智慧(連載第十六回)』

私たちの身体と心の健康、そして運気は陰陽五行のバランスによって成り立っています。
そして、人の気質や体質も五行で診ていくことができ、大まかに【木・火・土・金・水】五つのタイプに分けることができます。
それぞれのタイプの人が抱えやすい身体と心の悩み、それらをケアしていくためにオススメのアロマを紹介し、お届けしているシリーズ。
今回は金タイプの人たちにスポットを当てましょう。
金タイプの人たちの特徴などは、こちらをご覧ください。
★自分を磨いて道を切り開いていく~金タイプの特徴(第十一回)★
古いものを手放し循環させる力
正義感が強く、求められる役割に全力で答えようとする金タイプの人たち(日干庚または辛の人/秋生まれの人、命式に金が多い人など)。
ストイックに努力していく凛とした姿は、誰かにとっての憧れなのではないでしょうか。
五行の金に該当する臓腑は【大腸】と【肺】。
どちらも身体の中の要らないものを外へと排出していく器官です。
そのように、金は「弁別性」という質をもっています。
弁別性とは文字通り、何かと何かを切り分けること。例えば善悪や白黒をハッキリさせたり、敵か味方かを判断したりすることをいいます。
ですので、金タイプの人は自分と他者を切り分けて考えられる力があり、古いものにしがみつかずに、より良い方向に舵を切っていくことができるのです。
更に、それが組織など誰かのためになることであれば、俄然 持ち前の勇気と行動力を発揮します。
物事の判断も早いので、切れ味のよさとスピード感を活かして仕事などに取り組まれている人も多いのではないでしょうか。
古い慣習や仕組みを改革していくのも得意分野です。
そんな金タイプの人たち、身体と心のストレスは先述の肺や大腸系に表れます。
金は東洋医学でいうところの「気」と関係があり、私たちは息を吸うことで気(エネルギー)を身体の中に取り込み、そして要らなくなったものを呼気と一緒に吐き出しています。
しかし、身体・心ともに緊張状態が続くと呼吸が浅くなってしまうので、このエネルギー交換が難しくなり、身体の中の気が不足したり滞ったりしてしまうのです。
気の不足や滞りによって、肩こりや筋肉痛、気管支系の不調やお腹の冷えが起きやすくなります。
また、活気がなくなって憂鬱な気持ちが続くほか、上手く気持ちの発散ができずに持ち前の行動力を発揮できなくなることも。
ため息が増えた、行動する気力が湧かない、判断力が鈍った…と感じる金タイプの人は、まずは深呼吸を意識することを心掛けましょう。
現代は金の質をもったもの、つまり金属で作られたものが身の回りに溢れかえっています。
現代病と呼ばれるアレルギー疾患も、金の気が増えすぎて起こる不調のひとつ。
金の人たちはその影響を受けやすいので、お休みの日などは自然の中で過ごせる時間を積極的にとってみてください。
「今ここ」に意識を当てる
東洋思想には【五神】という考え方でいうと、五行の金は「魄(はく)」を担当しています。
私たちの精神を作っているのは木が担当する「魂(こん)」ですが、対して肉体を作っているのがこの「魄」。視覚、聴覚などの五感は魄が支えています。
また、金は皮膚とも関連しています。
皮膚は外界と自分の肉体との境界線。
その皮膚の外側には電磁場やエーテル体といったオーラ領域があるのですが、それを司っているのも同じく魄です。
この領域が健康な状態であれば、本能的に外界の影響から自分自身を守ることができます。
魄は肉体を作っているので、私たちを「今ここ」にしっかりとグラウンディングさせる力にもなります。
私たちが「今ここ」にいるとき、この瞬間瞬間にフォーカスするので、五感は鋭くなり今ある幸せを感じる能力もアップします。
しかし、このバランスが崩れると、過去に縛られてしまって不要なものを手放していくことも難しくなってしまうのです。
またストレス過多によって自分に対しても人に対してもジャッジが強くなり、制限を掛け過ぎてしまうことも。
気づかないうちに心が疲弊してしまう前に、ぜひセルフケアを。
金のバランスが崩れてしまうと、以下のような不調として現れます。
◎呼吸器系の不調(咳や痰・喘息など)
◎肩こり・筋肉痛
◎頭痛
◎めまい
◎目の疲れ
◎アレルギー性の不調(湿疹・花粉症など)
◎肌の乾燥
◎孤独感
◎憂鬱な気分
◎慢性疲労
金のバランスを調えてくれる精油たち
金タイプの人をはじめ、これらの不調を感じやすい人たちにおすすめの精油は
「ティートリー」
「フランキンセンス」
「サンダルウッド」
「パイン」
「クラリセージ」
です。
ティートリー
「気」を高めて自分自身の境界線を強化し、外界から身体を守る働きをもつハーブ。
古代から感染症や細菌・真菌性の症状を予防するために活用されてきました。
被害者意識から私たちを救い出し、前を向いて進めるように力づけてくれます。
フランキンセンス
聖書にも多く登場する神聖なこの香りは、瞑想や集中したいときにピッタリ。
呼吸を深くする作用があり、緊張した心をゆるめて穏やかな時間を与えてくれます。
免疫力アップや肌への作用も高く、これからの乾燥する季節に心強い味方です。
サンダルウッド
日本では白檀として知られ、オリエンタルなその香りはお香の成分としても有名。
過剰なエゴや批判精神を手放して、いつも「今ここ」に心を落ち着かせてくれる精油です。
呼吸器系の不調には芳香浴、また乾燥肌や肌荒れには化粧水やボディオイルとしても。
パイン
殺菌作用や炎症を和らげる作用をもっており、風邪の症状や呼吸器系の不調におすすめ。
憂鬱な気分を取り除いて、自信を取り戻すお手伝いをしてくれます。
自分自身をジャッジして責めがちな人、ありのままの自分を受け容れたい人に。
クラリセージ
「明晰な」という意味のラテン語に由来していて、目の疲れを癒してくれます。
また不安や落ち込みを解消して、現状をしっかりと見つめる力を与えてくれる働きも。
呼吸器の不調を楽にしてくれるので、ぜひお風呂に入れて香りを楽しんでください。
各精油には禁忌や注意事項がありますので、使用する際にはそれらを調べてから、安全にセルフケアに取り入れてください。
また、合成香料の入ったアロマオイルも出回っていますので、必ず100%天然のものを使った精油(エッセンシャルオイル)を使用しましょう。
感情を大事にケアしてあげよう
真実を見極める目をもち、鋭い分析力や判断力がきらりと光る金タイプの人。
自分の力を発揮できているとき、金の人たちはまわりに流されることなく行動し、更にはお互いに違いを認め合ったうえで、対話しながら刺激を受けたり与えたりすることもできます。
それは金の人たちの大きな才能です。
しかし、金の「分ける」エネルギーが過剰になると、人に対して攻撃的になって孤立してしまい、ますます批判的で悲観的なものの見方をするようになる可能性が。
理論的に物事を考える金の人たちにとって、自分の感情を敏感に感じ取ることは実はちょっと苦手分野。
悲しみや孤独感を心の隅に置き去りにしているうちに、それがいつの間にか大きく膨れ上がり、無気力やうつ状態を生み出すこともあるかもしれません。
金は色でいうと「白」ですが、水晶のようなクリアもそれにあたります。
カラーセラピーであるオーラソーマには上下クリアのボトルがあり、クリアの色の意味として「流せなかった涙の井戸」というものがあります。
意識していなかった悲しみに光を当て、自分自身をケアすること。
それは過去を手放して「今ここ」を生きる力となるでしょう。
テキパキと判断し行動していく金タイプのみなさんにとって、立ち止まって自分の感情と向き合うことは、ちょっと勇気のいることかもしれません。
ですが、そんな時間がありのままの自分を受け容れ、また他者を受け容れる器を育んでくれるのだと思います。
星川亜輝子 のプロフィール

会社員時代、セルフケアのために学んだアロマテラピーの奥深い世界に魅了され、本格的にアロマセラピストの道へ進むことを決意。
2008年から約5年間、福岡市内のリラクゼーションサロンにてリフレクソロジーや整体、ロミロミなどを通し、のべ7,000人以上のお客様のボディケアを担当。
その後、自分の今後を悩み始めたタイミングで、イギリス発祥のオーラソーマ®と再会。サロンの店長として日々奮闘する傍ら、オーラソーマの探求をスタートする。
より自分らしい生き方へとシフトさせてくれたオーラソーマの魅力、そして、体だけでなく心をケアすることの大切さをもっと伝えていきたいと、2013年5月【Kwan-Yin クワンイン】をオープン。
5周年を迎えた2018年5月、結婚という転機を迎えて自宅サロンとして再出発。
「心身両面、そして魂からの歓びと幸せをサポートする」という想いは変わらず、新たに四柱推命や陰陽五行を取り入れたメニューを提供中。
ホームページ→ https://www.kwan-yin.jp