2021.11.3
春まだ遠い空の下、チェリープラムに癒される『心を癒す花のエネルギー バッチフラワーレメディのある暮らし(連載第三十五回)』

自分で自分を見失う。
どこからともなく襲ってきた、湧きあがる衝動を抑えきれないかもしれない。
人にも言えないように思うけれど、ふとこうした気持ちが湧きあがって来るとき。
それでも、そんな自分のためのレメディもあるのです。
なぜなら、そうした気持ちになることは、誰にでもありうることで、”あってはならないこと”ではないから。
”チェリープラム”を知っておくと、思いがけない自分に出会っても、怖がることはありません。
木の花との出会い
チェリープラムは、和名はベニハスモモという植物。
白い花弁が5枚、5本の雄しべが、きれいに揃う、桜や梅に似た、3m以上の高さにもなる木の花です。
サクランボ状の果実ができて実は食べることができますが、その種の核を食べると、最初は消化を活性化し、呼吸が深まり、快感を感じますが、その後中毒症状が現れ、めまい、高熱を発し中枢神経がブロックされ、呼吸ができなくなるので注意が必要です。
バッチ博士が、19種の花を発見し、『トウェルブヒーラーと7ヘルパーズ』という著作を出版し19のレメディを紹介したのは、1934年7月のことでした。このタイミングで自分の仕事が一度完結したと考えたようです。
しかし、それでも、まだ網羅されていない感情、心理状態があることを感じ、まだそれらに対応するレメディを見つける必要があると、遠からず考えるようになりました。
そんな1935年3月、バッチ博士は、ひどい前頭洞炎を患い、激しい頭痛に正気を失いそうになったのですが、野の花から苦しみを癒す薬を発見したいと力を振り絞り外に出ました。
その時に出会ったのが、このチェリープラムの白い花の生垣です。
このチェリ―プラムに始まる19の新たなフラワーレメディの発見は、バッチ博士が38種でレメディを完成させるための折り返し点であったように思えます。
煮沸法<ボイリング・メソッド>の発見
チェリープラムとの出会いは、1935年3月、それはイギリスの気候では、まだ日照時間が短く、日差しが弱い春分の頃でした。
花を水に浮かべたボウルを雲一つない晴天に晒すことができず、それまでの19のレメディを作った「太陽法」が使えなかったので、博士は見つけたチェリープラムの花を、枝と共に、1時間ほど鍋に入れて火にかけて抽出しました。
そしてできあがったそれを数滴飲んでみたところ、心の痛みとともに、からだの痛みも消えていったのです。
夏の太陽の光ではなく、”火”の力使ってレメディを作る「煮沸法」が完成され、その後のレメディの発見、製法に役立つところとなりました。
樹木は、花を咲かせ実を作るまで、長い年月、太陽に当たっています。その樹木に咲く花に蓄積されたエネルギーを取り出すには、太陽の力だけでは弱すぎて、”火”の力を借りなければならなかったのです。
自分でも抑えきれない衝動を乗り越えて
時折、自分が恐ろしいことをしてしまいそうだったり、そうしたことを考えるだけでも怖い気持ちになることがあるかもしれません。
日頃は、理性が強く働いているので、少しのネガティブな考えをたやすく打ち消したり、考えないでいられるのに、突然内面からの強い衝動によって、自分自身をコントロールできないように感じることがあります。
無意識に何かに突き動かされて、嫌な考えが頭をよぎったり、残酷な想念に襲われて、自傷的な行為に向かってしまうようなことかもしれません。
自分に対してでも、周りの誰かに対してでも、破壊的な強い力を行使しようという思いは、特にそれを押さえつけようとすればするほど、大きくなります。
こうした衝動は、自分でも信じられないもので、他の誰かに話すことさえできないように感じますが、それは頭の中だけのことで、普通に存在していることではありません。
だから、そんな思いが頭をもたげてしまうと、自分を許せない気持ちでいっぱいになり、さらにその思いが募ってしまうことでしょう。
チェリープラムは、このように、自分で自分を抑えきれないような衝動があり、それを恐れる気持ちに対するレメディです。
チェリープラムのレメディを飲むと、自分の意識に対して、顕在的なものでも潜在的なものでも、勇気と明るさを持って対処ができるようになるでしょう。
衝動が込み上げて自分の感情がとめどなく噴き出してしまう前に、チェリープラムの柔らかな花びらに救われて、いつもの冷静さを思い出せますように。
バッチ博士の言葉
過度の緊張や、理性を失って、恐ろしいことや怖いことをするのではないかという不安にかれられる時、また望んでもいないし悪いことだと知っていて、そうすることを考え、そうしたい衝動に駆られる恐怖のためのレメディです。
『トウェルブヒーラーとその他のレメディ』エドワード・バッチ(1936)
『バッチ博士の遺産』所収(2012)バッチホリスティック研究会・訳・刊
京ヶ島弥生 のプロフィール

心身の健康のために、自分で自分のこころ、感情の状態に気づき、セルフヘルプでバランスを整えることができる「フラワーエッセンス/バッチフラワーレメディ」の活用を伝え続けている、海と空のブルーが大好きな自然療法家。
東京は下町生まれ、1998年に鎌倉・七里ガ浜に移住。
2001年から、アロマセラピー、バッチフラワーレメディ、ハーブセラピー、ホリスティックヘルスなどの自然療法分野で、講座やイベントの開催、個人から企業までのコンサルテーション、商品の販売など、東京、横浜、鎌倉で場所・ジャンルを問わず活動。
東京でのハードなビジネスマン生活20年、大学教員15年、ワーキングマザー30年、介護施設での高齢者ケア、災害ボランティアなども経験。
こうしたバックグラウンドにより、子供から大人、ご高齢の方、男性女性問わず、どなたのご相談にもお応えできるプロフェッショナルなフラワー&アロマセラピスト。
○バッチ財団登録プラクティショナー・バッチ国際教育プログラム認定講師
○IFPA(国際プロフェッショナルアロマセラピスト連盟)認定アロマセラピスト
○日本ホリスティック医学協会認定生活習慣病予防指導士・ホリスティックヘルス塾インストラクター
○
有限会社フロスヴィータ 代表取締役
ホームページ→ http://www.flosvita.co.jp
Facebook→ https://www.facebook.com/flosvita/