2022.3.9
ビーチは多様性を受け入れるために『心を癒す花のエネルギー バッチフラワーレメディのある暮らし(連載第四十三回)』

間違ったことをしている人を見ると腹立たしい。
正しくないことがまかり通ることが不思議でならない。
できていない人には批判的になるし、正義が通用しないと思うとイライラが募る。
自分は悪くないのに、こんな気持ちになるなんて。
人の間違いが許せない
ある時の職場。
ある人の振る舞い、言葉の一つ一つが気に障る。
あんな間違ったことの繰り返しをしていて良いのか、と思う。
あの人のダメなところが気になって、自分の仕事もミスしてしまいそう。
見たくなくても目に入るので、嫌な気持ちが増す。
職場に限らず、近い友人関係でも、家族の中でも、困った人がいる、嫌いな人がいる、そのことで日々嫌な気分だ、このようなご相談は数多くあります。
確かに原因の多くはその相手の問題だから改善のしようもなく、そんな人に気持ちを乱されることに困り果てるのでしょう。
さらに、自分は間違っていないから、それができない人や、やろうとしない人が批判されるのは当たり前。
こうした思いは、ある意味、日常的によく起こる感情です。
ただ、こうした感情が高じると、それが気になって、そこしか見えなくなってくるかもしれません。
「あの人は最低。いいところなんて、ひとつもない!」
「どこか見えないところに行ってほしい!」
でもそんなことはできないし、そうするには、自分がその場を去らなければならない、と知ると、嫌悪感はさらに増してしまうでしょう。
批判的な見方のその先は
人はみな、自分を取り巻くものは、正しいこと、もっと良いもの、もっと美しいもので満たされていて欲しいと願うものです。
でも物事が進む道のりは、まっすぐではありません。また自分以外の人や事物の動きは、表面的な部分しか理解できないことだらけです。
どこかに到達しようという過程では、多くのことが間違っているように見えることもあるかもしれませんが、実のところそれは良いことの芽が育っているときでもあるのではないでしょうか。
植物なら、生長する先に障害となるものがあったら、そこから進路を変えて曲がって進んでいくことを選択して、その先を目指すものが多くあります。
私たちは、明るい道を、迷いもなく進んでいるとき、自分の周りもキラキラ輝いて感じることがあります。逆に、ネガティブな感覚の中では、さらに暗く、悪いことが続く感覚にも捕らわれがちです。
そんなネガティブなバッドスパイラルが、自分ではない、自分以外の人からもたらされたものであると、もはや張本人であるその人の悪いところしか見えなくしてしまうでしょう。
自分の心がそのことに引きずられネガティブに傾いていくと、「あの人にいいところなんてひとつもない!」という結論に至ることは簡単なことなのです。
寛容にすべてを受け入れるために
「ビーチ」は、他人のしていることに対して批判的で、常に悪いところばかり探し出しては、さらに自分の心が穏やかでなくなってしまう人のためのレメディです。
また、人の良くない部分にばかり目がいくため、自分の善なる内面に目を向けることもできなくなってしまうと感じたときにも、助けになります。
ビーチのレメディを飲むと、寛容な気持ちになり、他の人の多少のミスや欠点も気にならなくなるので、自分のやるべきことに集中しやすくなるでしょう。
自分は悪くないのに、相手ではなく自分が飲んで変わるなんて?と思わないで、とにかく飲んでみましょう。
自分がどうでもいいような嫌なことに煩わされなくなったと感じたり、目前の問題も忘れて、まずは気持ちが清々したと感じる方も多いレメディです。
ビーチ(ヨーロッパブナ)は、落葉する広葉樹で、雨が多く湿り気のある場所を好み、若木は日照が少ないところで育ちます。
30m以上に大きく育ち、その葉が太陽の光を遮るので、下に他の植物が花を咲かせることはほとんどありません。
バッチ博士は1935年の春にビーチの雄花と雌花から煮沸法でレメディを作りました。
ビーチが、あたかも他を受け入れないで林を形成しているように見えるその姿に、自分の狭い価値観を振りかざして、相手の状況や都合を無視して批判する人の感情の状態と重ね合わせたのでしょう。
ビーチのある湿気の多いその地には、そうした土壌を好むキノコや動植物が集まっています。ビーチの林は決してビーチだけで生きている場所なのではないのです。
嫌な人に出くわしてしまったとき、ビーチのレメディは、相手を変えるのではなく、自分の見方を、点から線に、事象からプロセスに目を向けるように変えてくれる助けになります。
ビーチ自身が大きくなるためのポジティブな質は、私たちにも思考や感情に真の寛容さをもたらし、他に共感し理解する力を育ててくれるのです。
バッチ博士の言葉
自分の周りのすべてのものがもっと良く、もっと美しくならなければならないと感じる人のためのものです。たくさんのことが間違っているように見えても、その中で何か良いことが育っているのを見つけ出す能力を身につけるためのものです。
それによって、それぞれの個人が、そしてすべてのことが、それぞれ異なった仕方で最終的な完全さに向かって進んでいることをもっと理解し、寛大で、情け深くなることができるからです。
『トウェルブヒーラーとその他のレメディ』エドワード・バッチ(1936)
『バッチ博士の遺産』所収(2012)バッチホリスティック研究会・訳・刊
京ヶ島弥生 のプロフィール

心身の健康のために、自分で自分のこころ、感情の状態に気づき、セルフヘルプでバランスを整えることができる「フラワーエッセンス/バッチフラワーレメディ」の活用を伝え続けている、海と空のブルーが大好きな自然療法家。
東京は下町生まれ、1998年に鎌倉・七里ガ浜に移住。
2001年から、アロマセラピー、バッチフラワーレメディ、ハーブセラピー、ホリスティックヘルスなどの自然療法分野で、講座やイベントの開催、個人から企業までのコンサルテーション、商品の販売など、東京、横浜、鎌倉で場所・ジャンルを問わず活動。
東京でのハードなビジネスマン生活20年、大学教員15年、ワーキングマザー30年、介護施設での高齢者ケア、災害ボランティアなども経験。
こうしたバックグラウンドにより、子供から大人、ご高齢の方、男性女性問わず、どなたのご相談にもお応えできるプロフェッショナルなフラワー&アロマセラピスト。
○バッチ財団登録プラクティショナー・バッチ国際教育プログラム認定講師
○IFPA(国際プロフェッショナルアロマセラピスト連盟)認定アロマセラピスト
○日本ホリスティック医学協会認定生活習慣病予防指導士・ホリスティックヘルス塾インストラクター
○
有限会社フロスヴィータ 代表取締役
ホームページ→ http://www.flosvita.co.jp
Facebook→ https://www.facebook.com/flosvita/