2022.5.18
思いやりの心を癒すレッドチェストナット『心を癒す花のエネルギー バッチフラワーレメディのある暮らし』(連載第四十八回)

もう暗くなるのに、なかなか帰って来ない子どもが心配。
遠くに住む親の様子が気にかかって、見えないだけに不安で仕方ない。
電車が事故で遅れているが、家に残してきた愛犬のごはんの時間が迫って、気が気ではない。
大切な誰かを思うとき、いても立ってもいられない心配がどんどん大きくなって、冷静さを失っていませんか?
心配と心配し過ぎの境目は?
子どものことが心配で仕方がない。
塾は毎日同じ時間に終わるはずなのに、今日は帰りが遅過ぎる。
何か事故にでもあったのではないか、と心配で居ても立っても居られない。
いつも庭に遊びに来る猫が最近来ない。
最初は気まぐれと思っていたけれど、外は車も多いし、大きな鳥や動物も時々出るから、何かあったのではないかと心配で外が気になって、家事どころではない。
手術を終えた母親が退院したのはいいけれど、また家のことを頑張って無理をしているのではないか?
遠く離れていて、毎日電話で話しているが、実際に様子を見に行って、当分世話をした方がいいだろうか?
いや、仕事の状況でそれは難しいが、妙案も浮かばず嫌な想像ばかり湧いてくる。
心配の種は、ほんの小さなことでも、すぐに答えが出ないと、不安が募ります。
自分のことであれば割り切れることも、大事な誰かが自分から見えないところにいると、想像することしかできません。
事実を知りたい、と、例えば外に出て探したり、知り合いの家に電話をしてみたり、聞いて回ったり、手当たり次第にできることをしようとするかもしれません。
こうしたときに、それで答えが見つかることはほとんどないのですが。
周りの人から見ると、心配し過ぎと映るような行為でもあったりします。
親が子どもを心配するのは当たり前。
また、自分が大切に思う、立場が弱い人を心配して、先回りをして考えてあげなければいけないのも、当然のことです。
でも、根拠なく、不安、心配が膨れ上がり、その堂々巡りの中で、心が乱れていくのであれば、要注意です。
思いやりが過保護に変わるとき
人は、相手を思いやって手を差しのべあい、生きています。
思いやり、というものは、人と人の間に当たり前に生まれるものです。
だから、その思いやりが何かの害毒になることなど、考えもしません。
大事な人を思いやり、心配することの、どこが間違っているのでしょう?
それ自体は、正しいことですが、だからこそ、それが過剰になり、普通以上に心配をしてしまうことは、自分も、相手も、不安の想念で縛ってしまうことになります。
その人にとっては、些細なことから徐々に不安が増大しているだけなので、さほどおかしなこととは思っていませんが、周りから見ると心配のしすぎで、通常の生活にも支障をきたしたりしているように見えてくることもしばしばです。
その苦しいほどの不安の種が限りなく大きなものになったとき、心配をされる相手の思いにも影響を与え、どちらもそこから動けなくなるほどの力になってしまうことさえあります。
過保護に育てた子どもが、うちから一歩外に出たときに、導き手がいないと自分では何もできず惑うように。
こうした思いは、もともと利他的で、自分をさて置いても人のために手を差し伸べることが多い、共感性の高い人に、よく見られることでもあります。
赤く柔らかく空に向かう花
「レッドチェストナット」は、自分の大切な人に対して過剰な心配をする人のためのレメディです。
自分以外の人を心配せずにはいられない。
自分のことはさておいて、自分が好きな人のためにとても苦しみ、その人に悪いことが起きるのではないかと常に心配し続ける。
でもレッドチェストナットに手助けをしてもらえば、ただただ心配するところから脱して、自分の力の及ぶ範囲を冷静に感じ、落ち着いて必要なサポートに回ることができるようになります。
そして、相手への信頼さえ増してくるでしょう。
レッドチェストナット(ベニバナトチノキ)は、前回紹介したヨーロッパ原産のセイヨウトチノキ(ホワイトチェストナット)と、アメリカ大陸にあったアカバナトチノキとの交配から生まれた種です。
ホワイトチェストナットより高さは低く、葉は大きく開いています。
トチノキ特有のピラミッド型(ソフトクリームやシャンデリア型とも呼ばれることがあります)が形成される花房は、可憐な濃いローズピンク色で、花そのものは白い花のホワイトチェストナットよりデリケートです。
この花のレメディも、1935年春に発見され、煮沸法で作られました。
レッドチェストナットのレメディを飲むと、自分自身が安心感を持って的確に人の面倒を見ることができる、落ち着いた構えの状態にあることを感じるでしょう。
そして心配をしすぎないので、心が穏やかに保たれ、持ち前の”人への共感性”が、さらに深まるでしょう。
程よい心配は安心への近道ですが、”心配し過ぎ”は不安しか招かないのですから。
バッチ博士の言葉
自分以外の人のことを心配せずにはいられない人のためのものです。こういった人たちは、自分のことを心配しないで、そのかわり、自分の好きな人のために苦しみ、何か不幸なことが彼らの身に起こらないかと終始心配します。
『トウェルブヒーラーとその他のレメディ』エドワード・バッチ(1936)
『バッチ博士の遺産』所収(2012)バッチホリスティック研究会・訳・刊
京ヶ島弥生 のプロフィール

心身の健康のために、自分で自分のこころ、感情の状態に気づき、セルフヘルプでバランスを整えることができる「フラワーエッセンス/バッチフラワーレメディ」の活用を伝え続けている、海と空のブルーが大好きな自然療法家。
東京は下町生まれ、1998年に鎌倉・七里ガ浜に移住。
2001年から、アロマセラピー、バッチフラワーレメディ、ハーブセラピー、ホリスティックヘルスなどの自然療法分野で、講座やイベントの開催、個人から企業までのコンサルテーション、商品の販売など、東京、横浜、鎌倉で場所・ジャンルを問わず活動。
東京でのハードなビジネスマン生活20年、大学教員15年、ワーキングマザー30年、介護施設での高齢者ケア、災害ボランティアなども経験。
こうしたバックグラウンドにより、子供から大人、ご高齢の方、男性女性問わず、どなたのご相談にもお応えできるプロフェッショナルなフラワー&アロマセラピスト。
○バッチ財団登録プラクティショナー・バッチ国際教育プログラム認定講師
○IFPA(国際プロフェッショナルアロマセラピスト連盟)認定アロマセラピスト
○日本ホリスティック医学協会認定生活習慣病予防指導士・ホリスティックヘルス塾インストラクター
○
有限会社フロスヴィータ 代表取締役
ホームページ→ http://www.flosvita.co.jp
Facebook→ https://www.facebook.com/flosvita/