2022.7.13
スターオブベツレヘムの癒しは時空を超えて『心を癒す花のエネルギー バッチフラワーレメディのある暮らし』(連載第五十二回)

大きな不幸が招く、長く続く深い心の傷み。
一瞬にして、そこにある小さな幸せさえ吹き飛ばす、ショックな報せ。
そして、トラウマにもなるような自分が受けた深い傷は、どうしたら癒えるのか。
白く汚れのない純白のスターオブベツレヘムの花は、とっくに過去のこととなったと思う傷さえ、癒す力があります。
その痛みは、いつどこから来たのだろうか?
多くのフラワーレメディは、そのとき感じた感情に対して使われます。
その感情の元となった辛い原因やネガティブな考えを無理やり掘り返す必要はありません。
今感じていることに対してレメディを飲むうちに、時間をかけて自然に本質的な問題とも向き合うことができるようにしてくれるからです。
でも、このスターオブベツレヘムだけは、忘れてしまったような遠い過去の辛い記憶でも、受けた傷みに気づいたとき、時間を経ても使えるレメディです。
辛い出来事や傷を負った経験は、思い出すことさえ苦しくて、”忘れる”ことがそれを癒す早道だと、多くの人が考えます。
実際、辛い状況は、それを抜け出したときには、過去のこととなって、忘却の彼方に行ってくれるので、問題の原因が何であったかも忘れるものです。
でも、深く自分の奥底にしまわれた、忘れたい思い出は、それと似た状況に置かれたとき、ある日突然のように蘇ってくることがあります。
こうした、いわゆるフラッシュバックを伴うトラウマは、自分でも忘れているかもしれませんが、心に、魂に、深く刻まれて、ふとしたときに襲ってくるのです。
他の人にはわからない、自分だけが受けるショックに
ショック、そしてトラウマ、というと、考えられないような体験や深くて治らない傷のことを思う方が多いかもしれません。
自分では当たり前のように受け止めたと思って、その時は苦しいと感じなかったことでも、深い傷となって残っていることもあるのではないでしょうか。
いつもなら、そのようなことを気にしないでスルーできる自分を知っています。ですから、その場はやりすごすことができても、なぜか小さな棘がいつまでも取れないような感覚があり、それが後々、どうにも癒せない傷として残ることがあるからです。
大事な人から言われた心ない一言。
ふとしたすれ違いから起きた、親友との大ゲンカ。
特に納得できないまま、その場から遠ざかってしまうと、傷を治さないまま放置したのと同じような状況が精神面にも残ります。
痛みは感じなくなったけれど、傷跡が心に残っている。
目につかないところにあったとしても、あるとき一度その存在に気がついたら、痛みも共に思い出すでしょう。
これは、身体的な古傷でも、精神面に負っていた傷でも、どちらにも言えることです。
白い花の再来を心待ちにする春
「スターオブベツレヘム」は、地中海の原産の植物が、徐々に北行し、ヨーロッパでも、今は日本でも、5月くらいにたくさん見ることができます。日本ではオオアマナという和名で呼ばれます。
小さな球根から生まれて、20cm程度にしかならず土に近く低く咲くこの植物は、1935年初夏、バッチ博士によって発見され、煮沸法でレメディ化されました。
星のような形の花は、外側にグリーンのラインがある白い花弁と、先に黄色い花粉を持つ雄しべが、それぞれ6つずつでできていて、ガクは持たず、陽が陰ると閉じる、繊細な質を持ちます。
スターオブベツレヘムは花の時期を過ぎると、葉も茎もすべて地上から姿を消すのですが、また翌年同じ辺りから綺麗な花を咲かせ、そこにずっといたことを知らせてくれます。
突然現れるように感じるその愛らしい花の訪れは、それでもトラウマとは正反対の”喜び”をもたらすものでしかありません。
スターオブベツレヘムは、問題が深いか重いかは、その人が感じるそのままに、そして遠い過去のことなのか、今目前であったことなのかも問うことはありません。
ただただ、身体的、精神的傷みに苦しむすべての人に、心の平安をもたらすレメディなのです。
バッチ博士は、このレメディを「痛みと悲しみを和らげ慰めるもの」と呼びました。
”究極の癒しの素”がここにあるのですから、身体的にも、精神的にも傷を負ったと思ったら、傷が大きく深くなる前に、スターオブベツレヘムを使っていただきたいのです。
心を癒すことに目を向けることさえ頑なに拒んでいるかもしれない。
そんなときも、このレメディはぽっかりと穴の空いた心を、静かに密かに満たしてくれることでしょう。
バッチ博士の言葉
一時的に大変な不幸せを生み出すような状況の下でとても苦しんでいる人のためのものです。重大な知らせにショックを受けたり、大切な人を亡くしたり、事故後に恐怖感におそわれたりした時などがそうです。慰められることさえ一時的に拒否しているような人に、このレメディは慰めをもたらします。
『トウェルブヒーラーとその他のレメディ』エドワード・バッチ(1936)
『バッチ博士の遺産』所収(2012)バッチホリスティック研究会・訳・刊
京ヶ島弥生 のプロフィール

心身の健康のために、自分で自分のこころ、感情の状態に気づき、セルフヘルプでバランスを整えることができる「フラワーエッセンス/バッチフラワーレメディ」の活用を伝え続けている、海と空のブルーが大好きな自然療法家。
東京は下町生まれ、1998年に鎌倉・七里ガ浜に移住。
2001年から、アロマセラピー、バッチフラワーレメディ、ハーブセラピー、ホリスティックヘルスなどの自然療法分野で、講座やイベントの開催、個人から企業までのコンサルテーション、商品の販売など、東京、横浜、鎌倉で場所・ジャンルを問わず活動。
東京でのハードなビジネスマン生活20年、大学教員15年、ワーキングマザー30年、介護施設での高齢者ケア、災害ボランティアなども経験。
こうしたバックグラウンドにより、子供から大人、ご高齢の方、男性女性問わず、どなたのご相談にもお応えできるプロフェッショナルなフラワー&アロマセラピスト。
○バッチ財団登録プラクティショナー・バッチ国際教育プログラム認定講師
○IFPA(国際プロフェッショナルアロマセラピスト連盟)認定アロマセラピスト
○日本ホリスティック医学協会認定生活習慣病予防指導士・ホリスティックヘルス塾インストラクター
○
有限会社フロスヴィータ 代表取締役
ホームページ→ http://www.flosvita.co.jp
Facebook→ https://www.facebook.com/flosvita/