2022.7.27
マスタードは目前の霧を晴らし先の道を照らす『心を癒す花のエネルギー バッチフラワーレメディのある暮らし』(連載第五十三回)

ふと気持ちが上がらないことがある。
理由なく、気分がふさぐ。
突然のように自分を取り巻いたこの憂うつ感は、どこから来たのだろう?
そんなとき、原因を突き詰める必要はありません。
「マスタード」のレメディを飲むだけで、目の前にかかっていた靄はスーッと晴れていきます。
バッチフラワーレメディの38種のシリーズで最後に作られたマスタードの花の雫は、落ち込みの最初のときを柔らかに癒し、明るい方向へと導きます。
憂うつ、落ち込みの一歩目で引き返すために
落ち込む必要もないのに、なんだか気分がふさぐ。まるで黒い雲が垂れ込めたり、霧に目の前をふさがれたよう。
憂うべきこともないはずなのに、とっても憂うつな気分でモヤモヤしている。
ちょっとした落ち込みならよいですが、理由もなく訪れる絶望的な気持ちもあります。
人といて明るく振舞うことさえ難しいとさえ思うかもしれません。
ここで困るのは、その原因となるようなことが思い当たらなかったりすること。
子供の頃、待ちに待った遠足の日、天気もいいし、お弁当も楽しみなのに、玄関を出るとき、なぜかちょっと悲しい気持ちに襲われたことはありませんか?
そんなことにも近い、なんとなく、気分が晴れないような、漠然とした落ち込みには、マスタードのレメディがあります。
感情にはすべて具体的な原因があるわけでもなく、わけもなく移ろってしまうことも、ままあるのです。
ともすると、原因を探ろうと理由を深堀しているうちに、その憂うつな気分に浸ってしまうことさえあるので、そんなときは、考える間もなく、まずは一旦吹き飛ばすのがよいでしょう。
PMSやマタニティーブルーにも
PMSやマタニティーブルーは、辛い方にとっては、それこそ、その状態でないときでも、憂うつな気分をもたらすことと思います。
生理前や生理中、妊娠中、出産後は、女性ホルモンが大きく変化をしますので、それが感情の振れ幅を大きくしてしまいます。
こうした漠然と襲ってくる落ち込みは、原因を自分の内面に求めすぎると、さらにその落ち込みがその先の大きな落ち込みを呼び出してしまうことになります。
自分を責めすぎたり、自分を哀れんだり、何かを恨んだり、感情が爆発したり。
そうしたことに対するレメディもありますが、事の発端はすべて無意識に訪れる落ち込みの気分なのです。
そのような経験がある方は特に、マスタードをお手元に置いて、少しの心の陰りであっても、とりあえず2滴飲んでみるとよいでしょう。
暗い思いの原因を自分に求めすぎなければ、感情の起伏を小幅に留められるので、そのことだけでも体や心を自由に動きやすくしてくれるでしょう。
バッチ博士は、マスタードの花に「憂鬱のような魂の深い無力感が、重い肉体的な障害になる前に、未然に防げることを発見」しました。
「はっきりした原因がなく、無意識から浮かび上がる無力感が、憂鬱な心情と悲哀を伴うときに、精神的領域で作用する」とも言っています。
漠然としていながら、深く横たわる苦しみを表面に押し上げてくるかのような、突然の憂うつ感のために、マスタードはあるのです。
黄色い十字の花がもたらす心の平安
その実をピリッとした香辛料として世界中で使われるマスタードは、和名はノハラガラシと呼ばれ、菜の花などと同じアブラナ科の植物です。
バッチ博士は、その花を1935年の初夏、バッチフラワーレメディの完成間際に見つけました。
60cmくらいの高さになる1年草で、葉もたくさん広がります。
房のようにつく花はどんどん伸びて、ミツバチに蜜を供給し、実をつけてからも、その種子は40%がオイル成分で、太陽光から熱をたくさん受け止めることができる生命力あふれる植物です。
寒い時期に成長し、春一番に芽を出し、根を張り、たくさんの花を咲かせます。
レメディになる鮮やかな黄色の花は、スプーンのような花弁が4枚ついて十字の形を表します。雄しべは6本ですが、4本が長く2本が短い特殊な形態です。
多産で、種は1個体あたり数千個作られますが、発芽には時間がかかることもあります。
バッチフラワーレメディにするマスタードは、学名がSinapis arvensisのものです。
他のマスタードは肉体的状況の改善に使用されてきましたが、バッチ博士はこの種のみ、精神的領域に役立つと考えました。
漠然とした憂うつ、悲しみ、暗さなどの困った感覚を感じたとき、最初に頼るべき花マスタードは、憂いを退け、気持ちの奥底から再び生命の輝きを取り出してくれることでしょう。
バッチ博士の言葉
憂うつな気分や、時には絶望的な気分さえが、まるで冷たい暗い雲のように覆い被さり、人生の光や喜びを隠してしまうように感じる人のためのものです。何故、ふさぎ込むのかその理由がわからず、説明をする事ができないこともあります。このような状況下では、幸せそうに振舞ったり、楽しそうにする事はほどんと不可能です。
『トウェルブヒーラーとその他のレメディ』エドワード・バッチ(1936)
『バッチ博士の遺産』所収(2012)バッチホリスティック研究会・訳・刊
京ヶ島弥生 のプロフィール

心身の健康のために、自分で自分のこころ、感情の状態に気づき、セルフヘルプでバランスを整えることができる「フラワーエッセンス/バッチフラワーレメディ」の活用を伝え続けている、海と空のブルーが大好きな自然療法家。
東京は下町生まれ、1998年に鎌倉・七里ガ浜に移住。
2001年から、アロマセラピー、バッチフラワーレメディ、ハーブセラピー、ホリスティックヘルスなどの自然療法分野で、講座やイベントの開催、個人から企業までのコンサルテーション、商品の販売など、東京、横浜、鎌倉で場所・ジャンルを問わず活動。
東京でのハードなビジネスマン生活20年、大学教員15年、ワーキングマザー30年、介護施設での高齢者ケア、災害ボランティアなども経験。
こうしたバックグラウンドにより、子供から大人、ご高齢の方、男性女性問わず、どなたのご相談にもお応えできるプロフェッショナルなフラワー&アロマセラピスト。
○バッチ財団登録プラクティショナー・バッチ国際教育プログラム認定講師
○IFPA(国際プロフェッショナルアロマセラピスト連盟)認定アロマセラピスト
○日本ホリスティック医学協会認定生活習慣病予防指導士・ホリスティックヘルス塾インストラクター
○
有限会社フロスヴィータ 代表取締役
ホームページ→ http://www.flosvita.co.jp
Facebook→ https://www.facebook.com/flosvita/