2022.8.17
恋愛・結婚の悩みを紐解くカギは親にあり?『私らしく生きるための東洋の智慧(連載第二十四回)』

いつも同じ悩みを抱えていませんか?
「なぜかいつも恋愛で同じパターンを繰り返してしまう」
「人生を共にするパートナーと出会いたいのに、なかなか思うように事が運ばない」
「結婚はしているけれど、うまく関係を築くことができていない気がする」
誰しもがそんな悩みを、大なり小なり持ったことがあるだろうと思います。
そして、現在進行形で壁にぶつかっている方もいらっしゃるかもしれません。
前回から『四柱推命とパートナーシップ』をテーマにお伝えしていますが、そんな私たちのパートナーシップに関する悩みを解決するキッカケになるかもしれないのが、「両親との関係性を見直すこと」です。
私たちのパートナーシップの原型
私たちが生まれて初めて認識するパートナーシップの形は、ズバリ両親です。
もちろん生まれ育った時代の社会的な男性像/女性像、ドラマや小説で描かれる恋人像や夫婦像なども影響としては大きいのですが、私たちが一番身近で見てきた親の姿に勝るものはありません。
子どもながらに両親の間で交わされるコミュニケーションやその関係性を見ながら、無意識のうちに
「母親とは/父親とは、妻とは/夫とは、女性とは/男性とは こういう役割である」
というようなイメージが、私たちの潜在意識にインプットされていきます。
例えば、昭和のように「父親が外でバリバリと働き、家事や子育てはすべて母親の仕事」という家庭で育っていれば、結婚生活のイメージはそれに近いものになるでしょうし
「両親共働きで、父親も母親同様に家事・子育てに参加していた」という家庭であれば、そのような夫婦の姿が自分の中でのスタンダードとなるでしょう。
また、男性・女性そのものに対するイメージも、両親の姿がそのまま映し出されます。
先の例ですと、前者の場合は「男性はしっかり稼いで養ってくれるのが当たり前」という理想をもったり、逆に「男性は女性が大変でも助けてくれない」と思い込んだりしてしまうことも。
そして、私たちは母親を見て女性としての在り方を学ぶので、「女性は家庭で男性のサポートをするのが望まれる姿だ」と思うのかもしれませんし、もしも一人で家事育児をこなす母親が辛そうに見えていたならば、「私は母親のようにはならない」と反面教師とするかもしれません。
そのように、私たちが望む女性としての生き方や在り方は、両親の姿が強く影響しているのです。
子供の頃、両親の関係はどう映っていたか
潜在意識に刷り込まれるのは、両親のそれぞれの働き方や家事育児に対する姿勢にとどまりません。
両親のパートナーシップそのものが、私たちの恋愛・結婚に大きな影響をもたらします。
二人がいつも仲良くコミュニケーションをとっていて、お互いに愛情や感謝の気持ちを伝え合っていた
ケンカやお互いの悪口が多く、子どもたちで間に入っていた
父親・母親のどちらか一方がいつも我慢を強いられていた
親の不倫に気がついてしまったことがある…などなど
そんな両親のパートナーシップの形は、私たちの記憶に強く残っていて、そこで感じていた幼少期の複雑な感情を大人になっても無意識に抱えている人も多いものです。
それはインナーチャイルドとしても知られています。
もしかすると、これを読んで下さっている方の中には、何らかの事情で物心がついたときにはすでに父親、または母親のみと生活していた方や、両親ではなく祖父母や親戚などに養育されていた方もいらっしゃるかもしれません。
そのような方たちは、そもそも「父親/母親」「夫/妻」というひな形が自分自身の中にないために、恋愛や結婚において、相手との距離感や関係性の育み方に悩んでしまうこともあるでしょう。
今、パートナーシップに幸せなイメージを描ける人たちはもちろん問題ありませんが、両親の不仲が原因で恋愛や結婚に一歩踏み出せない人、幸せなパートナーシップを手にしたいのに思うように上手くいかないなど人は、一度「両親のパートナーシップが自分にもたらす影響」について、ちょっと考えてみてほしいなと思います。
四柱推命でみる「私と両親」
ここまで綴ってきたことは、心理学的な観点でよくいわれることですが、四柱推命の鑑定でも同じように診ることができます。
私たちがもって生まれた基本命には、人生の身近な登場人物がそこに描かれています。
自分の目に両親はどんな父親/母親に映っていたのか、どんな人柄・性格だったのか。
そして、私自身と両親の関係性はどうだったかも命式からわかります。
理想的なのは、自分の両親を表す十干が最もシンプルな形で命式中に存在することです。
命式の中から両親を見つける方法は今回は省略しますが、実はこの理想的な形をもっている人が大多数かというと、そうでもないのですよね。
パートナーシップの課題が両親との関係にある方の命式として、以下のような例があります。
◎父親/母親の象徴となる十干が命式の中にない
- → 実際に父親/母親が不在だった、または仕事などであまり家にいなかった可能性。
- 両親が一緒にいるところを見る機会が少なかった場合、パートナーシップのイメージが自分の中で育っていないので、恋愛や結婚から遠ざかってしまいがち。
◎父親/母親の象徴となる十干が命式の中に3つ以上ある
- → 父親/母親との縁が薄いが、影響力は大きい。
- 心の距離がありながらも父親/母親への執着があったり、逆に親から執着されたりしやすい。いわゆる毒親である可能性も。
◎天干がすべて同じ五行
→ 父親との関係性にゆがみや問題がある。
◎地支がすべて同じ五行
→ 母親との関係性にゆがみや問題がある。
◎女性の場合、命式の中に偏財が3つ以上ある
- → 父親の期待に応えられるよう努力を続けてきた、社会的に成功している女性に多い。
- 父親が大好きで尊敬しているので、まわりの男性が頼りなく見えてしまうパターン。
- 年上の尊敬できる男性を求めて不倫に走る人も。いわゆるファザーコンプレックス。
◎女性の場合、パートナーの位置である座下(=日支)の中に母親の象徴となる十干がある
- → 母親との距離が近く、母親がパートナーの代わりになってしまう。
- 夫ではなく母親に先に何でも相談するなど、夫が頼りなく見える、または実際に頼りない人をパートナーに選んでしまいがち。
これらを読んでみて、もしかしたら「これは自分に当てはまっているかも…」と感じた方もいらっしゃるかもしれません。
もしそうだったからといって、「こういう人はパートナーシップが絶対に上手くいかない」という理由にはなりませんし、親との関係性に悩んでいた方がそこから精神的に自立して、今では幸せな結婚生活を歩まれている事例はたくさんあります。
まったく悲観することはありません。
ひとつ言えるとするならば、こうして四柱推命を通してパートナーシップの悩みの根っこを見つける目的は、「過去のパターンから抜け出して、幸せを選択していくため」です。
人生を悲観するために、運勢の良い/悪いをジャッジするためではなく、誰しもがより良い人生を送るために四柱推命はあります。
「知ることは癒し」です。
自分の手足を縛っているものの正体を知ったとき、そこからするりと抜け出す方法を初めて知ることができるのです。
星川亜輝子 のプロフィール

会社員時代、セルフケアのために学んだアロマテラピーの奥深い世界に魅了され、本格的にアロマセラピストの道へ進むことを決意。
2008年から約5年間、福岡市内のリラクゼーションサロンにてリフレクソロジーや整体、ロミロミなどを通し、のべ7,000人以上のお客様のボディケアを担当。
その後、自分の今後を悩み始めたタイミングで、イギリス発祥のオーラソーマ®と再会。サロンの店長として日々奮闘する傍ら、オーラソーマの探求をスタートする。
より自分らしい生き方へとシフトさせてくれたオーラソーマの魅力、そして、体だけでなく心をケアすることの大切さをもっと伝えていきたいと、2013年5月【Kwan-Yin クワンイン】をオープン。
5周年を迎えた2018年5月、結婚という転機を迎えて自宅サロンとして再出発。
「心身両面、そして魂からの歓びと幸せをサポートする」という想いは変わらず、新たに四柱推命や陰陽五行を取り入れたメニューを提供中。
ホームページ→ https://www.kwan-yin.jp