2022.11.30
自分の前の高い壁を乗り越えるための8つのレメディ『心を癒す花のエネルギー バッチフラワーレメディのある暮らし(連載第六十二回)』

「失意と絶望」というレメディのカテゴリーがあります。
そのレメディは8つあります。
あまりに気持ちが落ちて、希望が見いだせないようなとき。真っ暗闇に一人いるようで、出口が見えないとき。
それでも、これらのレメディを思い出すことができたら、一筋の光がきっとその先に見えてきます。
ラーチとエルムとオーク
自分に自信が持てないことは、数限りなく思い当たります。
ただ、それを乗り越えるために、私たちはみな努力をしたり、辛抱して自信をもって臨めるように構えていきます。
できなさそうなことにぶち当たった時、それはもう無理なこと、と最初からやらなければ、ダメージは小さいかもしれません。
やってみたけれど「やっぱりできなかった」というネガティブな思いを抱かないで済むからです。
でも、それは「やってみたことがないから、できるかできないかは、どちらも分からないことだ」とも言えるのではないでしょうか?
やらないでいることは、できないことを作るだけのことかもしれません。
ラーチのレメディは、「できるかどうか分からないけれど、やってみよう」という勇気を与えてくれるレメディです。
その気持ちが、まず自分の自信への第一歩なのです。
これまでいろいろなことに挑戦して、難しいことも乗り越えてきたけれど、今回ばかりはどうにも乗り越えられそうにもない。一時的な自信喪失感は、世のため人のために尽くしている人にも、時として襲い掛かります。
そんな時には、エルムのレメディがあります。
恐らく周りの人からは、この有能な人は今回もこの困難を乗り越えるだろう、と見えているにも関わらず、本人だけが目の前のハードルを上げ過ぎて、その先に行くことを躊躇しているようです。
エルムのレメディを飲むと、目の前にそびえる高い壁は、実は近づいてみるとさほどでもなく、気がつけば難なくその先に進んでいる自分を感じることができるでしょう。
逆に、困難にあっても、とにかく前へ進むことをやめず、限界を突破することに力を注ぐこともあるかもしれません。
特に、多くの人を従えて責任ある立場に立つと、自分の状況は脇に置き、とにかくやり続けることが最善だと思い、倒れるまで前進し続ける人がいます。
時として、倒れても、そんな自分を許さず、限界を突破することが使命とばかりにもがき頑張り続けるでしょう。
オークはどっしりと根を張り、その周りに集まる動植物を守る、頼れる大木です。
でもその木も、土から水と栄養を摂り、十分すぎる太陽の光を浴びてこそ、上へ上へと伸び続けることができます。
オークのレメディは、環境と調和してこそ、自分と周囲との頑張りが希望に近づくことを教えてくれます。
この3つのレメディは、自分の限界の置き所を、最も安定する場所に整えてくれます。
パインとウィロー
自分で自分自身を認めることができない、一番弱くダメな立場にあるように思う時。
「パイン」は、罪の意識が強すぎて、何に対しても、うまく行かないのは自分のせいだと思い込んでしまう時のためのレメディです。
世の中で起こる物事について回る責任は、誰か一人ではなく、いろいろな人が関わり合うことから生じます。
責任感は社会生活の中で持つべき大事な特質ですが、時として自分の責任の範囲を超えて背負いすぎると、自分自身を無くしてしまうことにつながります。
パインのレメディは、自他の責任の境界を、自然のままに受け入れる柔らかさをもたらしてくれます。
一方で、自分の立場が明らかに不当に扱われているように感じるとき。
はたから見ると被害者意識が強すぎるようにも見えますが、自分にとっては、先に立つ疑いの気持ちや不信感に翻弄されて、どうにも自分の居場所を肯定的に捉えることができなくなります。
「ウィロー」のレメディを飲むと、まずネガティブなこだわりが解け、自分の気持ちの自由度が高まってくることで、自分以外の人に対する硬直した気持ちを和らげてくれます。
自分と他者とを隔てる緊張を緩め、自在なものに戻したいとき、この2つのレメディが役に立ちます。
スイートチェストナットとスターオブベツレヘム
失意のどん底、絶望の極み、というと、誰も想像がつかないほど暗く辛い時間を思います。
「スイートチェストナット」は、絶望の果てに、希望を見出すことがもはやできず、前にも後にも動くことさえできない暗澹たる状況の時に使うレメディです。
そのような状態は、日常の中にあると、全く想像もつかないことでしょう。
しかもそういう状況に陥った時は、むしろ感覚が麻痺したかのようになって、その状態にあるとさえ感じられないほどの、絶望のどん底といえるでしょう。
このレメディは、自分で選ぶことは難しいでしょう。
また周りの人も、その辛い状況の人にはこのスイートチェストナットのレメディを勧めることさえ憚られるかもしれません。
それでも、スイートチェストナットがあれば、真っ暗闇の中にも、一筋の光を差しこむことができるのです。このレメディを、記憶の片隅にぜひ置いておいてほしいと思います。
「スターオブベツレヘム」は、38のレメディの中で、一つだけ、今の感情ではなく、過去の思いにフォーカスして使うことができるレメディです。
多くの辛い出来事は、できるだけ忘れたい、なかったことにしたい、と思うものです。
だから、年を経てすっかり忘れたと思っていても、ある日その辛さが甦ったり、今のこの辛い状況はその時の出来事によってもたらされたと気づいたりしたとき、大変な痛みを伴って思い出されます。
それを人はトラウマと言ったり、心の古傷と考えます。
スターオブベツレヘムは、遠く隔たった今この時に、その昔の傷を癒し、先に進む力を与えてくれます。
究極の癒しのレメディと呼ばれる所以はここにあるのです。
クラブアップル
潔癖であること、整っていることを大事にすること、小さなこともゆるがせにしないこと。
きれいな状態を保つことは、物理的にも、精神的にも重要なことです。
でもそれが行き過ぎてしまったら?
それは強迫観念となり、自分自身を縛る、足かせになります。
きれいでいること、きれいに保つこと、細かなことに目を配れること。
無理なく穏やかな思いの中で自然に整った状態を望むのであれば、クラブアップルのレメディで、まずは自分を縛る思いを緩めてみてはどうでしょうか?
浄化のレメディと呼ばれるクラブアップルは、多少の傷や汚れも受け入れることのできる心の隙間を作ってくれるでしょう。
限界は、越えてからこそ、その先に進んだことを知る
失意は、自分の思いの中から生まれてきます。
失意があるから、前へ進めなくなってしまうのです。
でも、それを見る角度を変えると、実は難なく乗り越えられるものでしかないことに気づくことがあります。
「失意と絶望」の8つのレメディは、そのポジティブな面に気付かされたとき、自分の前に限界などはない、ということを重ねて示してくれているようです。
バッチ博士の言葉
「真理」を知ることによって、どんな悲劇的に見えることがこの世で起こっても、それは人間の進化の一時的な段階であるに過ぎず、病気でさえも、それ自体は恩恵なのであって、そのなかには、最終的な善を生み出し、完全性に向かわせるための圧力となるよう意図されたある法則が働いているのだという安心が与えられます。この知識を身につけた人たちは、他の人たちにとっては大変な重荷になるような出来事でも、それで心が傷ついたり、憂鬱になったり、うろたえたりすることはあり得ません。あらゆる不確かさや、恐怖や、絶望は、永久に去ってゆきます。
『なんじ自身を癒せ(Heal Thyself)』エドワード・バッチ(1930)
『バッチ博士の遺産』所収(2012)バッチホリスティック研究会・訳・刊
京ヶ島弥生 のプロフィール

心身の健康のために、自分で自分のこころ、感情の状態に気づき、セルフヘルプでバランスを整えることができる「フラワーエッセンス/バッチフラワーレメディ」の活用を伝え続けている、海と空のブルーが大好きな自然療法家。
東京は下町生まれ、1998年に鎌倉・七里ガ浜に移住。
2001年から、アロマセラピー、バッチフラワーレメディ、ハーブセラピー、ホリスティックヘルスなどの自然療法分野で、講座やイベントの開催、個人から企業までのコンサルテーション、商品の販売など、東京、横浜、鎌倉で場所・ジャンルを問わず活動。
東京でのハードなビジネスマン生活20年、大学教員15年、ワーキングマザー30年、介護施設での高齢者ケア、災害ボランティアなども経験。
こうしたバックグラウンドにより、子供から大人、ご高齢の方、男性女性問わず、どなたのご相談にもお応えできるプロフェッショナルなフラワー&アロマセラピスト。
○バッチ財団登録プラクティショナー・バッチ国際教育プログラム認定講師
○IFPA(国際プロフェッショナルアロマセラピスト連盟)認定アロマセラピスト
○日本ホリスティック医学協会認定生活習慣病予防指導士・ホリスティックヘルス塾インストラクター
○
有限会社フロスヴィータ 代表取締役
ホームページ→ http://www.flosvita.co.jp
Facebook→ https://www.facebook.com/flosvita/