2023.3.8
眠れない人にオリーブとホワイトチェストナットと、その他のレメディ『心を癒す花のエネルギー バッチフラワーレメディのある暮らし(連載第六十七回)』

「春眠不覚暁」という漢詩がありましたね。
明るくなったら目覚め、暗くなったらゆっくりして眠りに入る。
春の穏やかな気候は、夜が明けるのも気がつかない、というこの詩には、この当時は豊かな眠りの時間が楽しめていた様子を知る思いです。
でも、この現代はなんと”不眠”を訴える方の多いことか。
気がつけば私のところにも、「眠れないんです」「眠りにいいものありませんか?」と、ご相談される方が多くなってきているように思います。
"不眠"という言葉が日常用語になると、気にしなくていい状態まで気にする方が多くなっているようにも思います。
いずれにしても、眠れないお悩みは人それぞれ。
であれば、「不眠にこれ!」という特効薬より、ひとりひとりの感情、感覚に対して選ぶバッチフラワーレメディは、こうした時に間違いなく頼りになるものだといえるでしょう。
今回はそんなお悩みに応えるレメディをご紹介します。
眠れない、といっても人それぞれ
睡眠の質を改善する乳酸菌飲料が、2022年のヒット商品になりました。
私の周りでも、実際に買って飲んで、これまで何をしても眠れなかったのに、これは効果てきめんだった、という人は、一人ではなくかなりの人数いました。
それ以外にも、各社からそうした飲料がたくさん発売されていること、飲んでいる人がとても多かったことからも、この現代社会、いわゆる「不眠」を感じている方が多いことを改めて知りました。
でも、「眠れないんです」という一言にも、その方によって、どういう状態を言っているのか、千差万別です。そのため、ご相談を受けるときは毎回、その方がおっしゃっているのは実際どういう状況なのか、個別にお聞きすることになります。
眠りが浅くて何度も目が覚めるのか(中途覚醒の問題)
早く目が覚めてしまうのか(早期覚醒の問題)
そして、医療的には厳密にいうと、不眠なのか、睡眠障害なのか、も違いがあり、それぞれに合った治療があります。
でも、病院に行くまでではないと思うけれど、ちょっと心配。
私のところでのバッチフラワーのご相談は、そうした方たちがほとんどです。
そんな時、フラワーレメディを選ぶより前にお勧めするのは、”眠れないことを気にしない!”ということです。
人間の体は、眠りが十分でない状態が続くと疲れてきて、眠らざるを得ないものです。
まずはご自分の生活を見直して、気がつかないうちに身体的な疲れがたまっていないか、精神的に心配事が重なってきていないか、を点検してみること。
そして、朝起きて夜横になる、という当たり前のリズムに乗ることがまず大切です。眠れない、という心配を抱えて横にならないこと、不安感を持ち過ぎないようにしましょう。
寝ても疲れが取れないときにオリーブ
数日うまく眠れないだけであれば、リズムを見直してみればよいのですが、眠れてないことに気がつくポイントは、朝起きたときにしっかり寝た感覚が薄い、ということが大きいようです。
寝ても疲れが取れない。
頭がぼんやりして気力が湧かない。
なんとか起き上がって支度をしても、動作も思考も鈍く感じる。
このような時には、オリーブをお勧めしています。
オリーブは「心身ともに疲労困憊の時」に使うレメディですが、睡眠の質の改善にもとても役立ちます。
日中の仕事の捗り方が変わり、疲れに気付くのは仕事が終わった時になるという方もいます。
オリーブが良いところは、寝てはいけない時にはしっかり頑張れて、眠りが必要なら眠る態勢にしてくれるところです。
オリーブに限らず、バッチフラワーレメディは、その人それぞれの体調や精神的な状態に個別に作用します。
だからオリーブを飲むと、思考の力で体に無理を強いることなく、体の赴くままに導いてくれるのです。
頑張り時にはエネルギーを与えてくれ、眠る時間がくれば眠りに誘いますので、自然に眠りにつき、短時間しか寝ていなくても、目覚めた時のスッキリ感があるという方が多いです。
心配事が頭から離れないときにホワイトチェストナット
心配事、悩みがあると、特に夜暗くなって一人の時間に、そのことが頭を占めてしまいます。
その時の考えは、きっといい方に導かれることなく、かえって悪い方、暗い方へ、バッドスパイラルに入ることが多いのではないでしょうか?
考えが頭の中をぐるぐると回って、それを消そうにも消せないとき、ホワイトチェストナットが役に立ちます。
ホワイトチェストナットは同じ考えが頭の中でいっぱいになって、本来他に考えなければならないことがあっても、考えたくない嫌な思いだけが繰り返し巡るとき、それを断ち切ってくれるレメディです。
問題が起きたらその解決のために、方策を考える必要があります。
でも結論がでないとき、良いアイディアが浮かばないとき、他に優先しなければならないことがあるとき。
一旦その問題を脇に置いて、十分対処できる余裕があるときに解決をする方が、ずっと楽に良い考えにたどり着けることを、私たちは知っています。
どうしようもなく不安な事案であればあるほど、ホワイトチェストナットで多少の良質な睡眠の時間を確保して、目覚めてからすっきりした頭で考えてみてはどうでしょうか。ホワイトチェストナットは、そのサポートに適しています。
またそんな心配事には、不安がつきもの。
問題があって、心配がつきないときにはミムラス。
何という原因もないのに、漠然とした不安があるときはアスペン。
これらはどちらか一つではなく、両方を飲んでみても良いでしょう。
そして、“今夜も眠れないかもしれない”という不安感や湧き上がる思いに対しても、これらホワイトチェストナット、ミムラス、アスペンは助けになるのではないかと思います。
不眠が長く続いてつらい状況の方に
ここまで書いてきたようなファーストエイドが間に合わず、慢性的に睡眠に問題が出てきたときには、もちろん医師の診断やカウンセリングなどを受けていただくことが必要です。
でも、そんな時でも、気持ちを楽に保つために、バッチフラワーレメディを併用することができます。
睡眠の問題には、例えばそれによって昼夜逆転生活を送ることになる方もいるでしょう。
疲れに対してのオリーブはもちろん、不安定な感覚にスクレランサス、改善したいと思う良くない習慣にチェストナットバッド、なども役に立ちます。
あるいは浅い眠りから、嫌な夢を繰り返し見て苦しいとき、不安のレメディ、ミムラス、アスペン、ロックローズを用意して、寝る前だけでなく、日中でも思い返してしまった時などにも、飲んでみましょう。
または、嫌な夢は自分の悪い行いのせいと思い自分を責める気持ちにパイン、自分が憐れに思えているときにはウィローなどがあります。
また、せっかく治療中なのに、処方された薬への依存や副作用に不安を抱えてしまったら、上に挙げた不安のレメディも役立ちますし、パイン、ウィローも考えられます。
一度回復したと思っても、またぶり返したように思えるとき、あるいは来る日も来る日も同じ繰り返しをしているように感じるときには、チェストナットバッドが役に立ちます。少しずつの変化や原因の一端に気づきやすくなります。
腸内環境と睡眠とバッチフラワー
バッチ博士は、バッチフラワーレメディを発見する前に、医師をする傍ら、腸内細菌の研究者でもありました。
人の腸に存在している多数の細菌群は、人によって存在する比率が違っていて、それぞれにその人の性格的特徴や罹りやすい病気に違いがあるとする仮説を持ち、それを研究していたのです。
最近注目されている睡眠の質を改善するという飲料も、腸内環境を整えることに注目しているものが多くあります。
腸内環境は、遺伝も一定の影響がありますが、生活の中で受ける刺激や不安定な生活習慣によっても日々変化をしています。
つまりストレスや環境変化などに、敏感に反応するものでもあります。
だから腸内環境を整えることで、睡眠の質が上がるのですが、それであれば、ストレス、環境変化にうまく対応できるようにしておきたいものです。
そしてそれはバッチフラワーレメディが働く、最も得意領域といえます。
不眠、睡眠障害など、病的な状態が疑われるほどになったら、医師に相談されることをお勧めしています。その裏には、それ以外の病気が隠れていることもあるかもしれませんので、安易に自己流の処置は危険です。
バッチフラワーレメディは、治療中でも、治療前でも、どんな”不眠”に悩む方たちにとっても、日中の生活の支えになることでしょう。
辛い状態になる前に、是非ご相談ください。
バッチ博士の言葉
睡眠はとりすぎないようにすべきです。私たちの多くは、眠り込んでいるときより、目覚めている間の方が自分を統御しやすいからです。「寝返りを打つ時は起きる時」という古い格言は、いつ起きるべきかについてのすばらしい基準です。
衣類は暖かさが保てる限り軽いものにするべきです。空気が体に届く通気性の良いものにし、できるだけ多くの機会に、日光や自然な空気が皮膚に触れるようにするべきです。水や太陽の光を浴びると、健康と活力が大いに増進されます。
すべてにおいて、楽しい気持ちでいるように努めるべきです。私たちは疑いや憂鬱で心が押さえつけられるのを拒否しなければなりません。そういうのは、私たち自身から出たものではないことを憶えておいてください。私たちの「魂」は喜びと幸せしか知らないからです。
『なんじ自身を癒せ(Heal Thyself)』エドワード・バッチ(1930)
『バッチ博士の遺産』所収(2012)バッチホリスティック研究会・訳・刊
京ヶ島弥生 のプロフィール

心身の健康のために、自分で自分のこころ、感情の状態に気づき、セルフヘルプでバランスを整えることができる「フラワーエッセンス/バッチフラワーレメディ」の活用を伝え続けている、海と空のブルーが大好きな自然療法家。
東京は下町生まれ、1998年に鎌倉・七里ガ浜に移住。
2001年から、アロマセラピー、バッチフラワーレメディ、ハーブセラピー、ホリスティックヘルスなどの自然療法分野で、講座やイベントの開催、個人から企業までのコンサルテーション、商品の販売など、東京、横浜、鎌倉で場所・ジャンルを問わず活動。
東京でのハードなビジネスマン生活20年、大学教員15年、ワーキングマザー30年、介護施設での高齢者ケア、災害ボランティアなども経験。
こうしたバックグラウンドにより、子供から大人、ご高齢の方、男性女性問わず、どなたのご相談にもお応えできるプロフェッショナルなフラワー&アロマセラピスト。
○バッチ財団登録プラクティショナー・バッチ国際教育プログラム認定講師
○IFPA(国際プロフェッショナルアロマセラピスト連盟)認定アロマセラピスト
○日本ホリスティック医学協会認定生活習慣病予防指導士・ホリスティックヘルス塾インストラクター
○
有限会社フロスヴィータ 代表取締役
ホームページ→ http://www.flosvita.co.jp
Facebook→ https://www.facebook.com/flosvita/