2023.4.19
動物たちに使えるバッチフラワーレメディ『心を癒す花のエネルギー バッチフラワーレメディのある暮らし(連載第七十回)』

バッチフラワーレメディは、”感情に対して選ぶ”ものなので、人間だけに使うと思っている方も多いのですが、もちろん、動物にも使うことができます。
動物でも、特に人間の社会と接点を持って暮らすペットや家畜などは、共に暮らす人の感情を受け止めないことはあり得ないので、彼らの感情もそれに添って変化しています。
そこに注目してレメディを選ぶことは、動物たちにとっても、彼らと暮らす私たちにとっても、とても大事なことだといえるでしょう。
今回は動物に対するバッチフラワーレメディの選び方や使い方の一端をご紹介します。
馬術・障害競走の馬に対するレメディ
私は、あるご家族のご相談を受けているときに、その方のご紹介で、動物にも使えると聞いたので、馬のことで困っている知人の相談に乗って欲しい、とご依頼いただきました。
馬?
と思いましたが、お話を聞いてみると、馬術競技に出る非常に訓練された馬とその騎手の方、とのこと。
その子(ジュピター号、とここでは仮名で呼びます)と騎手Aさんは非常に順調な競技人生を送っていましたが、年齢に達したのでジュピター号に去勢手術をしたところ、彼はその手術で大きな変化を遂げることとなってしまいます。
その後すぐから、厩舎の奥に引っ込み、これまで馴染んできた厩舎の担当の人にも、騎手であるAさんにも、近寄らないどころか怯える、あるいは襲いかかってくる、など、性格が一変したようになりました。
もちろん、餌を食べるのも今までとは違った様子で、前に出てくることはなく、食も細り、周囲の人間たちは、ほとほと困ってしまっていたそうです。
プラクティショナーである私は、まず騎手の方が今どう思っているか、特に、その騎乗馬と会うときにどんな思いかを尋ねました。
また、厩舎の方達がどう思い、どう接しているか、も、わかる限りで教えていただきました。
みなさん、なんとかしたい、とは思いながら、困り果てて、投げ出した人、投げ出しそうな人、怒りを感じている人、悲しみを感じている人、様々な人たちがジュピター号を取り巻いていることがわかりました。
また、馬自身の思いを考えるために、馬の去勢手術についても調べ、情報を得ました。
これらから、ジュピター号に必要と思われるレメディ、極限の恐怖感に対するロックローズ、人間に対する不信感、怒りのホリー、自分の置かれた弱く辛い立場を嘆くウィロー、絶望のどん底にある時のスイートチェストナット、
合わせて、騎手の方に、自分を責めすぎる時のためのパイン、愛馬への心配で前後がわからないほどの気持ちにレッドチェストナットを選びました。
馬には、飲むべき決まった滴数、回数など指示できませんので、日々日常的に厩舎で面倒を見てくださる方に飲み方をお伝えして、与えてもらいました。
その後2回のセッションを経る頃、ジュピター号は、前に出て餌を食べ、厩舎や騎手の方と、以前のようなコミュニケーションをできるところまで戻りました。
その後、レースにも復帰し、その時はレースに臨む前の武者震い、不安、気負いに対するレメディを選べるまでになりました。
これは、ジュピター号を取り巻く人間たちが、もともとジュピター号の振る舞い、感情を、しっかり見ていたこと。そしてそれを、このいざというタイミングに、自分の思いと重ねて、特に重要な部分を思い起こすことができたこと。
こうした情報が、物言わぬ、でも感情を表す、動物を代弁してくれて、最適解に近づくことができたのではないか、と思います。
ペットの問題行動、と思えること
私たち人間でも、自分の思いや行動を、言葉にして伝えることに難しさを感じることは多いと思います。
ましてや言葉を持たない動物たちは、自分が感じたことを行動で表すことしか、伝える術がありません。
日々共に暮らし、長い時間を一緒にいる、愛するペットのことは、飼い主であるあなたが、一番よく知っているのは間違いありません。
でも、それは本当にそうなのでしょうか?
動物たちが、いつもと違う行動をとったとき、それは何かの“サイン“なのです。
怒り
悲しみ
飼い主に襲いかかる脅威に対する、心配
または大きな身体的苦痛や病原
こうしたことは、飼い主から見たら、性格が変わった、何かおかしくなった、と見えるかもしれませんが、訳もなくそうなっているわけではない、と思って、もう一度しっかり訴えていることを聞いてあげましょう。
飼い主が穏やかであれば、その違いに気付いて心配やケアができるでしょう。
そして、まずは病院で診てもらうなど、専門家に意見を求めるべきです。
でも、こちらが忙しさから、疲れから、見過ごしたり、あるいは、「どうしたの?おかしいわ!」と思った瞬間、それは飼い主にとって「困った」問題になってしまうかもしれません。
だからといって、それを安易に、バッチフラワーレメディでなんとかなる、と思わないでください。
バッチフラワーレメディ発祥のイギリスでは、バッチフラワーレメディを使う時、まずは獣医師の診察を受け、必要と認められてから、バッチフラワーのプラクティショナーにリファーされます。
バッチフラワーレメディやその他の補完代替療法に理解のあるイギリスでも、それほど厳格なルールがあります。
日本で犬や猫を初めとするペットへの愛情の深さは、他の国でも見られないほどのことではありますが、そこに頼って、本来動物たちが訴えていることを見過ごさないようにしたいものです。
動物にバッチフラワーレメディを使うこと
バッチ博士は犬を、助手のノラ・ウィークスは猫を、それぞれ複数飼っており、自然に、あるいは当然のように、その子たちにもレメディを与えていたそうです。
つまり動物にレメディを使うためには、特別な知識や技術は必要ありません。
レメディを飲むこと、使うことは、とてもシンプルでたやすいことです。
難しいとか心配したりするより、まずはご自身が飲み、そして一緒に動物たちにも選び飲ませることが、効果を知る第一歩です。
ただ、近しいところにいればいるほど、私たちは自分の周りの動物が自分で感じていることを、正しく見極められないかもしれません。
また、その陰に隠れている病気の発見を遅らすことにもなるので、医療との連携も不可欠です。
そのことのために、バッチセンターのあるイギリスでは、動物にバッチフラワーレメディを与える場合、「アニマルプラクティショナー」という、専門の資格を持つ人がいます。
日本には、今6名のみですが、専門の教育を受けた人、獣医師など動物の行動療法など、必要な情報へのアクセスが十分できる人が、“アニマルプラクティショナー“として、英国のバッチセンターに認定、登録されています。
日本では法律的な縛りがないことから、アニマルではなく通常の「プラクティショナー」でも、ペットのご相談を受けています。
最初のケースのように、私も一般的なプラクティショナー資格しかもっていませんが、ご相談に応じることはこれまでも多数あり、今後も可能です。
ただ、とても心配なケース、精緻に問題を検討したい、という時には、ぜひアニマルプラクティショナーにご相談ください。
こちらのリストのJapan をご参照ください。
そして、そんな専門家でなくても、私たちは、共に暮らす中で実は彼らの感情を理解することができます。
物言わぬ動物だけに、私たちがいかに彼らが感じていることを、同じように感じ取ることができるか。
私たちが動物界と接し、より良いお付き合いをしていくために、最も大事なことではないでしょうか?
バッチ博士の言葉
私はこんないい方ができるくらいに簡単にしたいーお腹がすいたから、庭にあるレタスをとってきて食べよう。恐怖心から病気になったので、ミムラス(筆者注・不安と恐れのレメディ)を飲もう。
ノラ・ウィークス『心を癒す花の療法』(1994)中央アート出版社
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京ヶ島弥生 のプロフィール

心身の健康のために、自分で自分のこころ、感情の状態に気づき、セルフヘルプでバランスを整えることができる「フラワーエッセンス/バッチフラワーレメディ」の活用を伝え続けている、海と空のブルーが大好きな自然療法家。
東京は下町生まれ、1998年に鎌倉・七里ガ浜に移住。
2001年から、アロマセラピー、バッチフラワーレメディ、ハーブセラピー、ホリスティックヘルスなどの自然療法分野で、講座やイベントの開催、個人から企業までのコンサルテーション、商品の販売など、東京、横浜、鎌倉で場所・ジャンルを問わず活動。
東京でのハードなビジネスマン生活20年、大学教員15年、ワーキングマザー30年、介護施設での高齢者ケア、災害ボランティアなども経験。
こうしたバックグラウンドにより、子供から大人、ご高齢の方、男性女性問わず、どなたのご相談にもお応えできるプロフェッショナルなフラワー&アロマセラピスト。
○バッチ財団登録プラクティショナー・バッチ国際教育プログラム認定講師
○IFPA(国際プロフェッショナルアロマセラピスト連盟)認定アロマセラピスト
○日本ホリスティック医学協会認定生活習慣病予防指導士・ホリスティックヘルス塾インストラクター
○
有限会社フロスヴィータ 代表取締役
ホームページ→ http://www.flosvita.co.jp
Facebook→ https://www.facebook.com/flosvita/