心のクセを手放して望む人生を送るために『私らしく生きるための東洋の智慧(連載第三十回)』

2023.4.28

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星川亜輝子 ( Kwan-Yin クワンイン オーナーセラピスト )

リラクゼーションサロンでリフレクソロジー、整体、ロミロミなどのべ7,000人以上のボディケアを担当。またオーラソーマの探求をスタートし「Kwan-Yin クワンイン」をオープン。現在は新たに四柱推命や陰陽五行を取り入れたメニューを提供中。

命式でわかる人生の初期設定

四柱推命で何を知ることができるのか?」というお話をこちらのコラムで書かせていただいたことがありますが、それが以下の二つだといわれています。

◎人生の初期設定

◎人生のタイムスケジュール


人生のタイムスケジュールというのは、「いつ、どうやって自分の質を活かすのか?」ということ。

四柱推命をはじめとした様々な占いでご相談の多い、「いつ起業するのがいいですか?」「いつパートナーとの出会いがありますか?」などの答えにあたるものです。

 

そして、私が四柱推命のカウンセリングで最も大事にしているものが【人生の初期設定】。

これはつまり「私の魂はどんな本質をもっていますか?」という問いに対するアンサーで、「どんな刺激に対して、どんな反応をしやすいのか?」という傾向が命式に表れます。

 

違う言い方をすれば、外側で何かが起きたときや誰かに何かを言われたときなど、どのような思考や感情になりやすいのか、そしてどのような言動として表されるのか、ということですね。

 

それらの傾向を作り出しているのは、一人ひとりが生まれながらにしてもっている質だったり、家系や遺伝的に受け継がれてきたいわゆるカルマのようなものだったり、幼少期の家庭環境や過ごしてきた世界に影響されたものだったりします。

 

私たちが寛いで生きるためには、ありのままの自分で生きていくこと、四柱推命的にいえば「命式の自然さを生きていくこと」が何よりも大切です。

生まれもった質を生きることは、私らしさを生きるはじまりなのですから。

 

その一方で、生まれもった命式に表れている生き方が、望む人生を送ることへの足枷になる場合もあるのです。

 

 

刺激と反応の間にあるもの

第二次世界大戦中にナチスの強制収容所に収監された記録と気づきを綴った『夜と霧』の著者であり、精神科医・心理学者であったヴィクトール・フランクルが残した名言があります。

 

刺激と反応の間にはスペースが存在する。

そのスペースには私たちが反応を選択する力がある。

私たちの成長と自由は、私たちが選択する反応に関わっている。

 

ビジネス書の名著である『7つの習慣』の中で、著者のスティーブン・R・コヴィーが主体的であることの大切さを語る際にも、フランクルのこの言葉について触れました。

 

私たちの開運のエッセンスは、ひと言でいうと「どういう選択をするのか?」にあります。

 

日々身の回りで起こることや、他人の言動を根本的にコントロールすることは私たちにはできません。

唯一コントロールできることといえば、上記に書いたように【刺激と反応の間にある私たちの選択】だけなのです。

 

私が四柱推命とともに学び続け、セッションとしてサロンで提供しているオーラソーマの学長 マイク・ブース氏もこのようなことを話しています。

 

世界からの呼びかけ、つまり外側で起きた出来事に対して自分がreaction(リアクション=反応)するのではなく、response(レスポンス=応答)することが大切だ、と。

 

≪reaction≫とは「本人の意思に関わらず起きる反応」です。

つまり、本能的/感情的/反射的なものであるということですね。

 

対して≪response≫は、「ひと呼吸おいて、今の状況や相手の意図などを考慮して応えること」。

こちらは自分の言動を客観的に、また意識的に選択していることがわかるかと思います。

 

私たちは意識的であれ無意識であれ、毎日数えきれないほどの選択を重ね続けています。

その選択の積み重ねが、今 目の前にある現実なのです。

私は四柱推命カウンセリングの他にも、アロマセラピストとしてリンパドレナージュなどのボディケアを提供しています。

それに関連して解剖生理学、とくに神経系や内分泌系を学んでいると、感情とは単なる脳の反射であるということをひしひしと感じるのですね。

 

私たちがどんな出来事に反応して怒ったり泣いたり、はたまた喜びを感じたりするのかは、体内で分泌されるホルモンや神経伝達物質によって左右されます。

 

それは私たちが安全に生きていくために身体に備わっているホメオスタシス(外部の変化から心身を守るために身体のはたらきを一定に保つ仕組み)の成せる業(わざ)。

 

個々の経験則によってホルモンや神経伝達物質の分泌は変化し、イライラしがちな人/嫉妬深い人/心配性の人…そのような性格さえもそれらによって変わってしまうのです。

 

感情とは脳の反応、つまり≪reaction≫です。

 

感情が豊かであること自体は悪いことではありませんが、それに振り回されるのは自分の人生の手綱を手放すようなもの。

主体的に生きるために、応答できる自分でありたいものです。

 

心のクセに気づいて選択を変えよう

命式には私たちの人生のパターンが刻まれています。

それはエッセンスであり、生まれもった質であり、自然な在り方です。

 

一方で、そこには生き方のパターンや心のクセが表れます。

これは【情】であり、快・不快に基づいた主観的な意識です。

先述のreaction/responseでいえば、reactionで生きている状態。

 

もしもそれで幸せに生きられているのであれば、無理に変える必要はないのだと思います。

 

しかし、何らかの生きづらさを抱えているのなら、無意識のreactionで生きていることに気づいて、そこにストップをかける必要があります。

それが私たち人間に備わった理性であり、【情】に対して【理】を使った生き方です。

 

先述のコヴィーの説く主体的であることがまさにこれ。

 

四柱推命では命の方程式である命式を通して、客観的に自分をみることにより心や言動の癖に気づき、それを変えていくキッカケを作ることができます。

 

例えば、自分の意思や本当に望んでいることがわからなくて悩んでいるというクライアントさん。

 

その方の生まれもった基本命は、自分自身よりも他人に関心が向きやすく、自発的ではなく受動的に生きる傾向をもっています。

 

更に、ご両親との関係性を診てみると、自分と同等、または子どもや弟妹のような存在で、その方が幼少期から精神的に親の面倒をみるような立場にいたことが分かってきました。

 

そういう方の場合、小さい頃から家庭の中で何らかの役割を求められ、「やりたいことではなく、やらなければならないことをやる」という生き方が基盤として形成されます。

 

ですので、これをやってみたい!と思ったり考えたりすることさえ諦めてきた、またはそもそも自分のやりたいことをやるという価値観が人生になかった可能性があるのですね。

 

しかし、きっとそのクライアントさんは「本当に望んでいることを知って、それに向かって行動していきたい!」という想いに気づいたからこそ相談にいらして下さったのだと思うのです。

 

もし彼女・彼が無意識に刷り込まれた心のクセや生き方のパターンに気づくことができれば、その瞬間から意識的に人生を選択していくことができます。

そもそも癖やパターンに気がつかなければ、何を変えていけばいいかもわからないのですから。

 

そんな風に、四柱推命は私たちの生き方を≪reaction≫から≪response≫に変えて、人生を本当に自分自身の手の中に取り戻すきっかけとなってくれます。

 

いま目の前にある現実は、あなたが心から望んでいるものですか?

星川亜輝子 のプロフィール

星川亜輝子

会社員時代、セルフケアのために学んだアロマテラピーの奥深い世界に魅了され、本格的にアロマセラピストの道へ進むことを決意。

2008年から約5年間、福岡市内のリラクゼーションサロンにてリフレクソロジーや整体、ロミロミなどを通し、のべ7,000人以上のお客様のボディケアを担当。

その後、自分の今後を悩み始めたタイミングで、イギリス発祥のオーラソーマ®と再会。サロンの店長として日々奮闘する傍ら、オーラソーマの探求をスタートする。

より自分らしい生き方へとシフトさせてくれたオーラソーマの魅力、そして、体だけでなく心をケアすることの大切さをもっと伝えていきたいと、2013年5月【Kwan-Yin クワンイン】をオープン。

5周年を迎えた2018年5月、結婚という転機を迎えて自宅サロンとして再出発。

「心身両面、そして魂からの歓びと幸せをサポートする」という想いは変わらず、新たに四柱推命や陰陽五行を取り入れたメニューを提供中。


ホームページ→ https://www.kwan-yin.jp


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