2020.1.15
水晶から作られる楽器・クリスタルボウルと脳波の難しい関係『神秘へ誘う不思議な楽器「クリスタルボウル」の世界(連載第6回)』

水晶から作られる不思議な楽器・クリスタルボウルの魅力をご紹介しているこの連載。
今回は、クリスタルボウルと脳波の難しい関係についてご紹介させていただきます。
※クリスタルボウルについて、より詳しくはこちらも参照ください
クリスタルボウルを聞くと脳波はどうなる?
私は全国各地でクリスタルボウルの演奏を行っています。参加いただいた方から「クリスタルボウルを聞くと、脳波はどうなるのですか?」という質問をいただいたとき、非常に回答に困りました。
脳波には「ベータ波」や「アルファ波」、「シータ波」といったものがあり、落ち着いているときにはアルファ波やシータ波になる・・・というようなことをご存じの方も多いと思います。
こんな感じですね↓
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ガンマ波:30〜70Hz
ベータ波:14〜30Hz
アルファ波:8〜13Hz
シータ波:4〜7Hz
デルタ波:4Hz以下
↑ガンマ波やベータ波のように周波数が大きくなると興奮状態となり、アルファ波やシータ波だと落ち着いていて、デルタ波は睡眠の状態。
ここで「クリスタルボウルを聞けば脳波は○○波になりますよ!」と言えれば簡単なのですが、クリスタルボウルは「楽器」なので、元気に演奏すれば興奮状態(ガンマ波やベータ波)に向かわせることもできるし、ゆったり演奏すれば睡眠(デルタ波)に向かわせることもできてしまいます。
また、クリスタルボウルの作用は、聞く人の状態によって大きく変化します。
前日が徹夜状態だったなら、あっという間にデルタ波になるだろうし、コーヒーをガブ飲みした後だったらベータ波から変化しないかもしれません(クリスタルボウルの演奏を聞く前の飲食はなるべく控えめがよいです)。
私としては、なるべくゆったりと落ち着いていただけるような、やさしい演奏(サウンド・バス)を行うことで、アルファ波やシータ波にできるよう心がけてはいますが、すべての人がピシっとそうなることは(聞く人の状態によって作用は大きく変化するために)現実的にはほぼ不可能というのが正直なところです。
それでも、もっと明確に「脳波を○○波にしたい!」という方は、「バイノーラルビート」という考え方を取り入れてみるとよいかもしれません。
バイノーラルビートについて
バイノーラルビートとは、周波数が違うふたつの音を同時に聞くと、脳波はその差分の値に誘導されていく・・・という考え方です。
たとえば、440Hz(ラ)の音と、444Hz(わずかに高いラ)を同時に聞くと、その差分である「4Hz」の脳波へと誘導され、シータ波になっていくとされています。440Hz(ラ)と、466 Hz(ラ#)なら、「26Hz」の差分があるので、ベータ波ですね。
※バイノーラルビートについてはさまざまな議論があり、効果を疑問視する声もあります
文字だけでは分かりづらいものなので、実際にどのような音なのか、クリスタルボウルでバイノーラルビートを作ってYouTube動画にしてみました。
まず、睡眠の状態に近づけるデルタ波の演奏。
こちらは、落ち着いたアルファ波の演奏です。
いかがでしょうか。
音のわんわんとした波がすごく意識に響いてくる感じだと思います。
ふだんのクリスタルボウルの演奏では、こういった演奏方法はやらないので、YouTubeならではのものとして・・・
音が持つさまざまな可能性や魅力をお伝えできれば幸いです。
全国でイベントを開催していますので、お気軽にご参加くださいませ。
今後のイベントスケジュールはこちら。
Magali Luhan のプロフィール

00年代初頭から、古代のシャーマンや精神探求者が追い求めた世界を夢見て、さまざまな手法を用いて深い意識やヒーリングへのアプローチを行う。
そこで得られた体験とクリスタルボウルの体験が非常に近いことに衝撃を受け、2005年よりクリスタルボウルの活動をスタート。
毎月の定期イベントのほか、各種コラボやリトリート、完璧な暗やみ空間など、全国各地で年間100回を超す演奏を行う、旅するクリスタルボウル奏者。